ようこそ水の都へ~京阪中之島線で中之島散歩・その3
なにわ橋駅の1番出入口を出ると、目の前に威容を現すのが大阪市中央公会堂。1918年に竣工したネオ・ルネッサンス様式を取り入れた名建築で、2002年には国の重要文化財にも指定されている中之島のシンボル的存在。夜にはライトアップが行われます。
東京駅駅舎によく似ているな・・・という印象を持ちましたが、それもそのはず東京駅のデザイナーとして知られている辰野金吾が設計者に名を連ねています。近年のリニューアル工事を経て、今もバリバリの現役。この日も『大阪国際人形劇フェスティバル2008』が開催され、来場者がひっきりなしに出入りしていました。
すぐ東側には大阪市立東洋陶磁美術館がありますが、この前を通り過ぎて中之島の東端を目指すことにします。程なくして辿りつくのが駅名にもなっている難波橋。4番出口がすぐそばにあります。このように橋自体の名前は全て漢字ですが、駅の方は大阪ミナミの難波(なんば)駅と混同しないように平仮名で表記されています。
この橋最大の特徴は、北詰と南詰にそれぞれ2体ずつ橋を守護するかのように鎮座するライオン像。
東側のライオン像のすぐ横は・・・ 京阪本線の北浜駅入り口です。なにわ橋駅からだと最短で徒歩2、3分といったところでしょうか。ほぼ同じ駅と言い切ってしまって良いほどの至近距離にあります。
なにわ橋駅は橋の西側中程に位置していますが、東側へ渡るには一旦橋の北詰か南詰に回る必要があります。というわけで南詰から回って行きましたが、残念なことに中之島公園の難波橋から東側は、来年3月末まで再整備のために閉鎖中。船の舳先のようになっている川の分岐地点に立ってみようと目論んでいたのですが、中之島線開業までには間に合わなかったようです。
フェンスで閉ざされている公園入り口の前には、難波橋の沿革が記された碑石があります。現在の橋は1975年に架け替えられたもので長さは190mですが、江戸時代には大川の川幅はもっと広く、中之島の終端もこの付近にあった為、橋の長さも200mを超えていたそうです。
橋の上から土佐堀川の下流方向を。まだ中之島線関連の地上工事が完了していないため、ちょっとガチャガチャした景色です。
折りしも水上バスが通り過ぎていきました。
橋自体も大正時代の1915年に竣工した前代の橋を踏襲し、随所に凝ったデザインが施されています。
北詰のライオン君。丁度横断歩道に差し掛かったところで信号が青になりそそくさと渡ってしまったので、もう一体は撮影出来ず。真上に阪神高速の高架があるので、東京の日本橋みたいな雰囲気です。
中央公会堂の前に戻り、建物の周囲をぐるりと巡ってみました。中央公会堂の周辺は日曜日の10時から16時の間は歩行者天国になるので、思い思いのアングルでじっくりと眺めることが出来ます。当時の設計者たちの建築にかける意気込みがひしひしと伝わってくる名建築だと改めて感じ入りました。彼らが現代ニッポンの都市景観の惨状を目の当たりにしたならば、一体どのような嘆きの言葉を漏らすことでしょう・・・。
車が来ないのでこんな写真も。美しい並木道が続きます。
この辺りでの中之島の幅は150m程度。こちらは島の北側を流れる堂島川に架かる水晶橋です。歩行者専用の橋で、かつては可動堰でした。
中央公会堂の西隣に建っているのが大阪府立中之島図書館。ギリシャ神殿を思わせる近代建築の傑作で、かつては大阪府の中央図書館の役割を担っていましたが、新中央図書館が開設された近年はビジネスセンターとしての機能が主になっています。今日は日曜日で、向かいの大阪市役所の敷地内が立ち入り禁止になっている為、引いて撮影することが出来ず残念。
大阪市役所の脇を抜けると、そこは御堂筋。6車線全てが南行きの一方通行となっており、信号が青になった途端に押し寄せてくる車の波は、大阪の大動脈と呼ぶに相応しい壮烈な情景です。この通りを挟んで東側には大阪市役所、西側には日本銀行大阪支店が向かい合っています。御堂筋線・京阪本線の淀屋橋駅は、土佐堀川に架かる淀屋橋を渡ってすぐ。
近代建築の宝庫で中之島の白眉ともいえるエリアを抜け、ここまで来ると大江橋駅は目の前。木とガラスで構成された大江橋以西の駅の共通デザインである出入り口は、ビル街の谷間で一際異彩を放つ存在です。
次回は再び中之島線の電車に乗り込み、隣の渡辺橋駅へ向かいます。
(2008.10.26)
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