フランス (5-10)ストラスブール・現代美術館
旧市街の南西の外れ、イル川の河畔に建つ現代美術館(Musée d'Art Moderne et Contemporain)にやって来た。1998年に新築したばかりのモダンな建物で、背後のプティット・フランスの街並みとは意外や意外、不思議な調和を見せている。
(右は現代美術館の入場券)
さて、数ある芸術の中でも私が最も苦手とする現代美術の世界にどうして踏み入れることになったのかというと、あのテラスに立っているヘンテコリンな美術館のマスコットがどうにも気になって、是非とも近くで相見えたかったからに他ならない。とはいえ決してゲンビを毛嫌いしているわけではなく、無理に理解しようとするから苦しくなるということで、「頭の体操」だと思ってフィーリングで楽しむようにしている。苦手とぬかしておきながら舌の根の乾かぬうちにこう言うのも何だけれども、たまにはこういう世界に触れてみるのも新鮮で良いものですよ。
ここではガイドブックに準拠して「現代美術館」と呼んでいるが、モネやピカソといった印象派以降の作品も所蔵されているので、実際には「近現代美術館」と称した方が適当かも。展示室に入ると、地元の中学生くらいの子供たちが鑑賞ノートを取ったりして熱心に見学中。床にペタンと座り込んでも誰もイヤミったらしく叱り付けたりしない所など、やっぱり大らかな国だなぁと思う。ていうか、日本が神経質なだけか。
アートしてるなぁと思った椅子。脚の部分が人間になっている。犬と猫の肘掛けは可愛らしいが、うーん、ちょっとグロテスク?
女性的な曲線を描くセクシーなオブジェが並ぶ展示室とか、
ゲンビらしく写真による作品も。
イエスがゴルゴダの丘に上るところ? めちゃめちゃ巨大な絵だったので思わずパチリと。
映像作品などもあって、それなりにじっくりと鑑賞しつつ、
1時間ほどで一通り見終わって中央ホールへ。ガラス張りの外壁の向こうには、ストラスブールの旧市街が中世の面影を色濃く残している。水の都といえば島根県の松江市、宍道湖のほとりに建つ「島根県立美術館」が周囲の風景とほどよく調和した優れた現代建築で、この美術館の外観を一目見た時にまず連想した建物。松江とストラスブール、どちらも文化の香りが漂うしっとりとした中都市である。私はこの両都市こそ姉妹都市に相応しいと信じて疑わないのだが、如何だろうか。
さて、いよいよお目当てであるこの美術館のマスコットのお馬さんに会おうと、テラスに出るガラス戸を開けようとするも・・・
あッ、開かない!!
なんかテラスにはパイロンが何個か並んでいるし、もしかして工事中? てなわけで、渋々ガラス越しにギリギリまで近づいて、何とか写真に収めましたとさ・・・
《キミに会いに来たんだよ》
午後5時頃、美術館を離れてMusée d'Art Moderne駅へ。さあ、日が沈む前に一気に乗り潰すことにしよう。
(2008.04.08)
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