フランス (5-12)夕刻のストラスブール
A系統の電車で中心部へ戻り、Gare Centraleで下車。時刻は午後6時半、日没までにはまだ時間があるので、旧市街とプティット・フランスを散策しながらぼちぼちホテルへ帰ることにする。
トラムのGare Centrale駅はSNCFストラスブール駅の真下。ホームは吹き抜けになっていて、階段やエスカレーターの隙間から行き交う電車の屋根を眺めることが出来る。
地上へ。昨夕は先を急いでいて一瞥することしか出来なかった、ストラスブール駅の外観をじっくりと眺めてみた。まるで空からひらりと舞い降りた宇宙船を思わせる近未来的なデザインのガラスドームの駅舎で、駅前広場は広大な芝生となっておりちょっとした公園のよう。「歩行者が主役」の街・ストラスブールの玄関口に相応しい、開放感あふれる情景である。
外観のインパクトもさることながら、駅舎の中へ足を踏み入れてみるともう一つのサプライズが。なんと、ガラスのドームの内部には昔の駅舎がそっくりそのまま残っているのである。
【動画】ストラスブール駅の旧駅舎。写真では画角に収まらないのでビデオでご覧下さい
LGV東ヨーロッパ線の開業による利用客数の増加に伴い、コンコースの拡張が求められるというのは、日本で「○○新幹線が開業!」という場合と同じパターン。ここで日本ならば待ってましたとばかりに旧来の駅舎をブチ壊し、何処かで見たような似たり寄ったりの橋上駅舎に作り変えてしまうものだが(もちろん設備の老朽化やバリアフリーへの対応という側面もあるのでしょうが)、ここストラスブールでは
「てかいちいち建て替えなくても、屋内スペースをそのまま延長すればよくね?」
との考えのもと、駅舎の前の一部スペースをガラスドームですっぽり覆い、そのまま広々としたコンコースに仕立て上げてしまったのである。なんというコロンブスの卵的な発想なのだろうと唯々驚嘆するのみ。
都心部まではもちろんトラムも利用出来るが、徒歩でも駅舎の正面からRue du Maire Kussを進み、橋を渡って11月22日通り(Rue du 22 Novembre)に入ると10分程度でクレベール広場に到達できる。情緒に満ちたストラスブールの旧市街は、どの道を歩いても楽しい。
犬神家な感じのディスプレイ。
プティット・フランスに入り、バンジャマン・ジクス広場へ。ストラスブール屈指の観光ポイントであるプティット・フランスも夕方以降になるとめっきり人通りが少なくなるが、この広場だけはいつも賑わっているような感じである。もっと気候の良い季節になればますます人も集まり、夜遅くまで喧騒が止むことはないのだろう。
最後はヴォーバン・ダムへ。このダムの上は午後7時頃まで遊歩道として開放されており、昨日は閉鎖時刻に間に合わなかったのだが、今晩はぎりぎり入ることが出来た。ダムの上からはクヴェール橋の全景が一望の下である。
【動画】ヴォーバンダムからクヴェール橋を眺める
さて夕食だが、昼食の時間がやや遅かったのであまり腹が空いていないのと、そろそろ野菜不足が気になりはじめたので、昨日のベトナム料理の店で「もやしサラダ」を調達しこれで済ませることにした。ドレッシングはニュクマム(ベトナムの魚醤)風味でちょっとクセがあったが、こんなことでメゲていたら海外自由旅行なんて無理である。
というわけで7時半前にホテルへ帰還し、フランス最後の夜は特別なこともなく坦々と終了。明日からはいよいよ本命(?)であるドイツの田舎町巡りの旅が始まる。
(2008.04.08)
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