フランス (5-7)イル川遊覧船その2
ヴォーバン・ダムとクヴェール橋をあとに、遊覧船は旧市街の北側を流れるイル川の支流へと踏み出していく。すぐに2つ目の閘門へ差し掛かり、今度は水を抜いて高さを下げていく。当然のことながら水を注ぎ入れるよりも抜き取る方が速く、みるみるうちに船体が下がっていき、視界はコケの生えた壁で一杯になってしまった。
【動画】2つ目の閘門へ進入~放水中
閘門を抜けると、左手はトラムも走るストラスブールのメインストリート。川べりでランチを楽しんでいるのだろうか、中学・高校くらいの地元の学生たちが元気いっぱいに手を振ってくれる。
時代の最先端を行く国際都市ストラスブール。もし自分が彼らのようにこの街で生まれ育っていたならば、一体どのような人生観を抱いていただろうか。
《(上3枚)ストラスブール中心部を貫流するイル川支流からの風景》
都心部を抜けて本流に合流すると、俄かに両側に建ち並んでいたビルの姿がぱったりと消え失せ、一戸建てが主の住宅地へ。長閑ささえも漂う、カントリーサイドの運河を思わせる佇まいに早変わりである。
そんな長閑な風景の中に突如としてドドーンと現れる巨大なガラス張りの建築物が、つい今し方トラムに乗って訪れたヨーロッパ宮。先程とは別のアングルで眺めているだけあって、また違った印象を与えてくれる。
ヨーロッパ宮付近で船はくるっと回り、元来た道を引き返していく。かつて水運の都として隆盛を極めたストラスブールには、道路交通や鉄道が発達した現代となっても川や運河が縦横に張り巡らされており、これまたフランス中を網羅する運河(なかにはミディ運河のようにユネスコ世界遺産に登録されたものも)を辿ればパリにだって行けてしまうそうだ。何日、何週間もかけてヨーロッパの田園地帯をゆったりと巡る運河クルーズ。いつか自分もそんな旅がしてみたい・・・ いや、必ず実現してやるぞっ!
《(上3枚)ヨーロッパ宮から船着場への帰り道にて》
大聖堂南の船着場へ戻って来たところで、1時間余りのクルージングは終了。今まで様々な場所で遊覧船に乗船してきたが、ここストラスブールの遊覧船は「当たり」。もしこの街を再訪する機会があれば、今度は是非晴れた日に屋根なしで乗船してみたいものである。
(2008.04.08)
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