ドイツ (2-10)エスリンゲン・アム・ネッカー旧市街 その2
市役所広場からヴェーバー小路(Webergasse)を東へ歩いていく。ここエスリンゲンの町の名は既に8世紀には文献上に登場しており、13世紀以降はネッカー川の水運の要衝地として第二の繁栄を極めた。旧市街の裏路地にはその交易やワインの醸造で財を成した貴族の邸宅が数多く立ち並んでいる。
Webergasse → Strohstraße → Heugasseと進み、ハーフェン広場(Hafenmarkt)へ。この広場に面して建っている黄色い建物は、そのまま「黄色い家(Gelbes Haus)」の名が付いており、現在は市立博物館となっている。
再び路地の奥へ。
足の赴くままにブラブラと彷徨っていると、何時の間にやらマルクト広場に戻ってきていた。と、俄かにすぐ近くでカリヨンの清々しい音色がメロディを奏でだした。もしや・・・と思い市役所広場に駆けて行くと、やっぱり旧市庁舎の仕掛け時計が午後6時の時報を伝えている。この雨の中見学者は私一人で、さながらプライベートコンサートといったところだろうか。
【動画】エスリンゲン旧市庁舎の仕掛け時計
終演後、マルクト広場に一旦戻ってくる。旧市街の背後には丘が迫っており、ブドウ畑の広がる丘の頂上には町から防御回廊でつながったエスリンゲン城が見え隠れしている。飾り気のない外観から想像出来るように町の防御施設だった建物で、ここからのネッカーの谷の眺望は素晴らしいというが、この雨では登る気も失せてしまうのがどうにも。

《マルクト広場にて。左の教会は聖パウル大聖堂、右の工事中の尖塔は聖母教会のもの》
聖ディオニス教会の裏手からArchivstraßeを下っていく。
すぐにポストミヒェルの噴水(Postmichelbrunnen)へ。この噴水の中央にはその名の由来となっているミヒェルという郵便配達人の像が立ち、泉の周囲には彼にまつわる或る伝説が絵巻物風に描かれている。
その物語を簡単に紹介しておくと・・・
エスリンゲン・郵便配達人物語(アド街ック天国風に)

【1】
むかしむかし、エスリンゲンという町にミヒェルという誠実な郵便配達人がおりました。彼は馬にまたがり、郵便物の到着を告げるラッパを吹き鳴らしながら町から町へと回っていました。

【2】
ある時、彼は不幸にもとある殺人事件に巻き込まれてしまい、あらぬ濡れ衣を着せられてしまいます。

【3】
身の潔白を証明できなかったミヒェルは、とうとう斬首の刑に処せられてしまいました。

【4】
ある夜のこと、切り落とされたはずの首を抱えたミヒェルが馬に乗って現れ、殺人事件の真犯人の住む家の前で高々とラッパを吹き鳴らしたのでした。その世にも奇妙な出来事は夜ごと続き、ついに観念した真犯人が名乗り出て、ミヒェルの名誉は取り戻されたのでした。おしまい。
*もしかしたら絵の順序が間違っているかもしれませんが、その時はごめんなさいね。
まぁ、決して後味がいいとは言えない物語ではありますが、児童向けに脚色される前のイソップといいグリムといい、中世の寓話って得てしてこんなものですよね。
てなわけで、エスリンゲンの街巡りは更に続きます。
(2008.04.10)
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