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2009.06.12

香港2008 (1-3)銀座、日比谷、有楽町

さてこの天水圍という、余程の香港通でもなければその地名を耳にする機会もまずないニュータウン、元々一面の湿地帯が広がる香港の辺境に過ぎない土地だったのだが、20世紀も終盤に入ったところで急速に開発の手が入り、見る間に香港の何処にでもある高層住宅群の一丁上がり、となった。

香港の都心部へ出るよりは中国本土の深センの方が近い、という立地なのだが、1998年の大欖トンネルの開通、そして2003年の九広西鉄(現在はMTR西鉄線)開業と飛躍的に交通網の整備が進み、現在は香港中心部へ1時間と掛からない(まぁこれでも香港では遠い方なのですが)交通至便なベッドタウンとして発展している。都心から山地を越えると突如として広がる人工都市、ということで、街の歴史の浅さといい都市景観と田園が混在する風景といい、兵庫県の三田市という例えが極めてしっくりと来る。もちろん古くからの集落もあり、随所に原風景も残っているのだが、そちらの紹介はまた後ほど。

今回の旅で宿泊する『ハーバープラザ・リゾートシティ(嘉湖海逸酒店/Harbour Plaza Resort City)』は、その天水圍ニュータウンのヘソに位置する街のランドマーク的存在である。広場をはさんでツインタワーとなっており、取り敢えずバスターミナルから近かった方の建物に入ってみたところ、ここでチェックインは出来たものの私の部屋はもう一つの建物の方にあるらしく、広場を横切って移動。そこのフロントで改めてカードキーをもらい、エレベーターで23階へと上がる。

で、このホテルの部屋、かなり広いとは聞いていたのだが・・・ おおーっ、広いどころかスイートルームじゃん。23階なので、高層アパートと公園と山しか見えないけれども眺望はすこぶる良く、長期滞在を主眼に置いているのか大型の冷蔵庫はもちろんのこと電子レンジやキッチンも装備。確かに都心からはかなりの距離があるけれども、世界で最も宿泊料が高い都市の一つである香港、この設備で日本円で一泊5000円弱ならばその多少の不便さを十分補って余るほどだ。というより、日本だと地方都市でもこの値段じゃシティホテルのシングルルームにも泊まれないはず。

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自費でこんな広い部屋に泊まるのはもちろん初めてなので多少興奮気味だが、時刻は既に午後4時。5泊するとはいえ貴重な時間には違いないので、部屋の観察もソコソコに早速街の空気を吸いに出かけることにする。

ところでこのホテルのある広場、スーパーマーケットと専門店街のほかにレストラン街やゲームセンター、映画館などがテナントとして入居した大規模なショッピングセンターがあり、その建物が広場を対称軸として二軒建っているのだが・・・

まず、広場の名前が「銀座広場」。

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次にSCの建物の一方の名前が「日比谷」。

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そしてもう一方は「有楽町」。

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・・・と、どこの東京かぶれが名前を付けたのかは知らないが、SC自体はこの中で大抵の用事は済ませてしまえる程に施設も充実していて、街の核と呼ぶに相応しい規模を誇っている。

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さてこれからの予定だが、シンフォニー・オブ・ライツを鑑賞するために8時までに尖沙咀プロムナードに着いておかなければならないものの、それまでの時間はフリーである。都心へ出るのに1時間と考えると、まとまった時間は2時間半くらいか。となるとまずは上環か中環辺りに出て、前回の旅で乗り残したトラムの上環~堅尼地城間を往復し、何処かで夕食を摂りつつスターフェリーで尖沙咀へ渡ればいい時間になりそうだ。

ということでプランはすんなりと決まったものの、次に考えるべきは都心へ出る交通手段。一応ホテルが有料のシャトルバスを走らせてはいるものの、運転本数・料金共に満足できるものではないのでこれは却下。鉄道だとホテルの目の前にある軽鉄線の銀座駅(ちなみに読み方もぎんざ、です)から天水圍駅へ移動し、西鉄線→ツェン湾線 or 東涌線と乗り継ぐルートになるが、なにせ今回の旅ではバスを乗りこなしてみるという大目標があるわけで、実際に向かったのは空港バスの着いた天水圍市中心バスターミナルである。

日本の都市部を走る路線バスといえば、鉄道で直接結ばれていない地域同士をつないだり、あるいは駅と周辺の住宅地との間のフィーダー輸送を担当したりと、言ってみるならば鉄道の補助的役割に甘んじているわけだが、こなた香港では地下鉄との並行路線は当たり前。香港全土に張り巡らされた高速道路を活用して都心~郊外間の輸送をも担っており、バスだけで香港のあらゆる場所へ行けてしまうほどだ。

これから乗車する969系統もその郊外路線のうちの一つ。天水圍エリア南部を巡回したのち、九龍と香港島とを結ぶ海底トンネルの入り口付近までノンストップで突っ走り、ビクトリア・ハーバーを横断して上環・中環・金鐘・灣仔を経由し銅鑼灣まで向かうバスである。

というわけで次回へ続きます。

(2008.12.21)

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