香港2008 (1-5)堅尼地城~中環~尖沙咀
堅尼地城(ケネディタウン/Kennedy Town)は、香港島北岸に連なる市街地の西端に位置する街。今のところ都心部からの公共交通機関でのアクセスはトラムとバスのみになっているが、MTR港島線が上環からここまで延伸する計画もあるそうだ。ちなみに字面が似ているので間違えがちだが、表記は堅尼地「城」であり、堅尼地「域」ではないのでご注意を(堅尼地=Kennedyの当て字、城=広東語で町を意味する単語)。
さてさて時刻は午後6時、そろそろ夕食にしてもいい時間である。丁度バスを降りた目の前に茶餐廳(香港のファミレス)が店を構えており、これも何かの縁と思って中へ。前回の旅では食べ損ねた、香港の冬の風物詩らしい煲仔飯(ボーチャイファン)を頂くことにする。これは土鍋に入った炊き込みご飯で、上に乗せる具によって様々なバリエーションがある。私もよく解らないのでメニューのうちで一番高い物を注文。日本の炊き込みご飯だと予めスープに浸したご飯を炊くために味が染み込んでいるのだが、煲仔飯の場合は自分でタレをかけて味付けをするようになっている。具自体にも味がしっかりと付いているので、タレを加えるとかなりこってりとした感じに。ある程度減ってきた後、鍋にこびり付いたおこげをレンゲでゴリゴリやるのが楽しいらしい。う~ん、これは少なくともあと一回くらいは他の店で食べ比べてみないと評価は固まらないかも。
てんこ盛りのアツアツご飯と一戦交えたのち、店を出たのが6時半過ぎ。外はすっかり暗くなり、意外と時間の余裕もなくなってきたので、地図を確認しながらその足でトラムの始発駅へ。ここは前回の旅でも訪れた東の終点・シャウ箕湾と同様のループ線で、1ブロックの区画の四辺をぐるりと回って方向転換するようになっている(北東の角が入口と出口)。
待機していた電車は始発駅なので当然ガラ空き。問題なく2階のかぶりつき席を確保することが出来た。前の窓を開け放って発車すると、心地よい夜風が車内へ流れ込んでくる。出発してすぐに、窓枠をぜんぶ電飾で埋めたクリスマス仕様の車両(↓の写真)とすれ違い、アレに乗ってみたかったなぁとちょっと悔しがってみたり。
電車は往きのバスとほぼ同じルートを辿っていくが、固定窓のバスと窓の開くトラムとでは街との一体感は雲泥の差。街角のノイズをBGMにビルの谷間の空中散歩を楽しんでいると、中環までの30分弱はそれこそあっという間である。
とはいえのんびりとしたペースで走るトラムのこと、残り時間を容赦なく削ってくれ、降りるや否や急ぎ足で中環のスターフェリー乗り場へ。元々トラム停留所からすぐの場所に埠頭があったのだが、2006年末に離島行きのフェリー埠頭と肩を並べるように大幅に北側(沖合方向)へ移転し、歩道橋を延々と歩かなくてはならなくなった。
スターフェリーの改札口では、先述の「とっておき香港ガイド」の出番。巻頭に尖沙咀発着路線の無料乗船チケットが2枚付属しており、そのうちの1枚を早速使用することにする。一応キャセイの搭乗券を一緒に見せることにはなっているが、高々2ドルそこそこの運賃にいちいち係員もそんな事を要求するはずもなく。今回初めて乗船する中環~尖沙咀間の路線は利用客が多いため、スターフェリーで唯一上層に加えて下層にも人を乗せているのだが、乗船チケットが上層用なので残念ながら体験することは出来ず。この路線自体への乗船もこれ一回きりとなったのだった。
ここまでは急ぎ足でやって来たものの、いざフェリーに乗り込んでしまえば、せわしない街中とはまるで別世界の、ゆったりとした時の流れに身を任せて波間をたゆたうミニクルージング。しっかりと右舷側の席を確保し、ビクトリア・ハーバーに面した高層ビル群による、2009年度版のクリスマスデコレーションの競演を海上からの至近距離で堪能する。
尖沙咀のフェリーピアに到着したのは午後7時40分。早過ぎず遅過ぎずの良い時間になったなぁとほくそ笑みながら、SOL鑑賞のベストポジションを探して海沿いのプロムナードへと足を向けた。
(2008.12.21)
« 香港2008 (1-4)巴士冲浪 | トップページ | 香港2008 (1-6)シンフォニー・オブ・ライツ《尖沙咀プロムナード編》 »
« 香港2008 (1-4)巴士冲浪 | トップページ | 香港2008 (1-6)シンフォニー・オブ・ライツ《尖沙咀プロムナード編》 »
コメント