香港2008 (3-5)バス旅にムダはつきもの
新巴9 石澳→大潭道
新巴14 西灣濾水廠→赤柱村巴士総站
石澳から赤柱へ直通するバスは無いので、途中の停留所で乗り換えることになる。例の山の上から石澳の村に再度別れを告げ、山道を戻って大潭峡の三叉路そばの《大潭道》バス停で下車。
香港の路線バスの特徴として、バス停の名前が上りと下りで必ずしもペアになっていないという事が挙げられ、大潭道は9系統のシャウ箕湾行き(・・・と、休日午後のみ運転の中環行き309系統)専用のバス停。この三叉路で合流してシャウ箕湾方面へ向かう14系統は《石澳道》という少し離れた別の場所に停まり、尚且つ9・14系統の逆方向に対応するバス停は《西灣濾水廠》――といった感じで3ヶ所に分散し、更に名前も全部異なるという有様。従って乗り換えるバス停の名前を覚えていればOK・・・という、いわば世界共通の単純なパターンが香港では通用しないわけだが、『通用乗車地圖』を携えていればそれぞれの位置関係が一目瞭然なので、ぐっと敷居は低くなる。
大潭道バス停と西灣濾水廠バス停の間は100mほど離れているが、歩行者スペースが全く無い上にひどく見通しが悪く、ごく短い距離ながらも非常に危険。どうにか無事に乗り換え先のバス停に辿り着くと、しばらくして石澳バスターミナルで見掛けたサーファーのお兄さんがボードを脇に抱えて追いかけてきた。
《西灣濾水廠バス停にて》
交通量は多いものの人気の無い山の中でバスの到着を待っていると、突然冷たい風が吹きつけ始めて体感温度がグッと下がり、コートのファスナーをぴっちりと閉じる。用心して着込んできたのは大正解だったが、それにしても妙な気候だ。
そして悪いことは更に続き、肝心のバスが一向にやって来ない。一応20分間隔ということになっているらしいが、その20分を過ぎてもバスは未だ姿を現さない。私の乗ってきた9系統の一本後の便が嘲笑うかのように目の前を通り過ぎ、そろそろ30分経とうかという頃にようやく14系統の到着。まだ真昼間だったから良かったものの、夜の闇の中でいつ来るか分からないバスを待つのは流石にぞっとしない。
2階席で人心地つき、バスは大潭道を南下。しばらく走ると大潭篤水塘(Tai Tam Tuk Reservoir)というダムの堤体の上に敷かれた道路を通る。河川のない香港にはこのような貯水池が随所に設けられており、それでも足りない分は中国本土からパイプを通して輸入しているそうだ。
《堤体道路に差し掛かるところ》
さらに走ると沿道には海を臨むリゾート風のマンションが建ち並ぶようになり、海岸へ向けてぐんぐんと坂を下っていく。やがて深い緑に囲まれた住宅地の中を駆け抜け、赤柱村巴士総站に到着。石澳からは大潭湾を回り込んでも10km程の道のりを1時間弱(うち正味の乗車時間は2,30分)掛かってしまい、運賃の方も両方満額で6.5+8.4=14.9ドル(約180円)とやや高くついてしまったが、そもそも路線バスの旅に効率性を求めること自体がナンセンスとも言えるので、これはこれでよし・・・である。
《赤柱村巴士総站に到着した14系統のバス》
(2008.12.23)
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