香港2008 (3-6)赤柱（スタンレー）にて
赤柱は広東語で「チェチュウ」と読むが、通りがいいのは英名のスタンレー（Stanley）。香港人はこの地名を聞くとまず監獄を想起するらしく（日本で言う網走みたいなものでしょうか）、路線バスにも「赤柱監獄」というそのものズバリの行先がある。街外れにはその監獄のほかに軍事施設（人民解放軍の駐屯地）もあったりするが、街そのものは今し方バスの車窓から眺めてきたような高級住宅地を後背に控えた、お洒落なリゾートタウンである。
《バスターミナルから南方を眺める》
バス通りを少し南下し、嘗ての赤柱警察の建物が建つ角を右折して細い坂道を下る。日本のガイドブックにも載っているくらいなのでツーリストの密度は石澳とはケタ違いに高く、自分の気持ちも観光地モードにスパッと切り替えである。
時刻は１２時半をまわり、通り沿いにあった食堂でランチメニューの昼食。内容がよく分からないままに注文したらよく分からないものが出てきたが（このドキドキ感も楽しみのひとつだったりします）、それなりに美味しく頂く。３０ドル（３５０円）。
《豚肉とカレー風味のあんかけ･･･かな？（写真とは別にスープが付いてました）》
赤柱は街の西側と東側で雰囲気がガラリと変化するが、最初に歩き始めた東側は屋台風のマーケットが立ち並ぶショッピングエリア。安さ一辺倒のチープなアイテムを多数取り揃えて皆様のお越しをお待ちしている。見て回るだけならオモチャ箱の中を掻き分けて歩いているかのようでやっぱりワクワクさせられるが、郊外とはいえここは生き馬の目を抜く街香港、掘り出し物なんてまず無いだろうからその点では期待は禁物だ。
東の外れの海岸。
そのまま海岸沿いに西側のエリアへ進むと、歩道がウッドデッキになったかと思えば唐突に地中海風？のレストラン街が現れる。香港だというのに目に飛び込んでくる文字はほとんどがアルファベットで、そして集う人々の多くが欧米人。欧米人村として著名なこの街の性格を端的に表した一場面である。
《（上２枚）シーサイドカフェ》
所変わってこちらはカリフォルニアの海岸通りです。ウソです。
《（上２枚）赤柱大街（Stanley Main St.）にて》
この赤柱大街ではウェディングドレス姿の新婦さんが写真撮影中。台湾やマカオでも見掛けたが、写真に並々ならぬ情熱を傾ける人の多い中華圏では婚礼衣装を着ての野外記念撮影が定番になっており、このように洋装にマッチする西洋風のロケーションでは必ずと言っていいほど撮影隊と遭遇したりする。
赤柱大街を西へ抜けると、美利楼（Murray House）と呼ばれる洋風建築が建っている。割譲間もない１８４６年に中環（当時はヴィクトリア市）につくられた香港最古の建造物の一つで、一旦は解体されるものの１９９８年にここ赤柱に復元され、現在はレストランと香港海事博物館が入居している。そしてここにもまた一組の記念撮影隊が。
《美利楼》
食堂を出て歩き出してから１時間弱。こんな南欧のフェイクみたいな所に長居しても仕方が無いので、さっさと歩を進めることにする。
《美利楼のそばにあるショッピングセンター、赤柱廣場。山の斜面に建っているので立体的な造り》
城巴6X 赤柱廣場→淺水灣海灘
赤柱のバスターミナルはここへ来る時に下車した赤柱村巴士総站のほかにもう一ヶ所あり、上の写真の赤柱廣場をエスカレーターを乗り継いでどんどん上がっていった最上階にある（但し赤柱村巴士総站の方が通る系統は多い）。次の目的地の淺水灣（レパルスベイ）は赤柱と同じく海辺にあるので海岸線を辿っていく･･･のかと思いきや、やはり険しい香港島の東海岸、集合住宅の建ち並ぶ内陸の丘陵部をガンガンよじ登り、ジェットコースターのようなアップダウンの道を走っていく。
峠を越えて下りに転じると、やがて陽光きらめく淺水灣のビーチが左前方に見下ろせるように。淺水灣にはバスターミナルがないので、エリアの中心部に位置する《淺水灣海灘》バス停で下車する。
(2008.12.23)
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