香港2008 (3-8)香港仔(アバディーン)、そしてゴールへ
香港島一周の旅最後の中継ポイント、香港仔(アバディーン-Aberdeen/ヒョンゴンジャイ)。まずはバスを降りた目の前、水道になっている香港仔湾(Aberdeen Harbour)に面した『香港仔海濱公園(Aberdeen Promenade)』のプロムナードへ。かつてここは水上生活者の町として知られていたそうだが、その面影は跡形もなく無くなっており、香港の何処ででも見られる高層住宅群の街となっている。香港仔湾をはさんだ対岸には鴨脷洲(アップレイサウ-Ap Lei Chau)という島があるが、こちらもその集合住宅でびっしり。ツェン湾西や香港會議展覧中心のプロムナードのような爽快感は微塵も感じられず、ごみごみとした街だなぁという第一印象である。
《香港仔海濱公園から見る鴨脷洲》
《香港仔海濱公園から東の方角を望む。奥の橋は香港島と鴨脷洲を結ぶ橋》
《高層アパートの谷間のバスターミナル》
香港仔の中心街は約300m四方の狭い範囲にまとまっており、一通り見て回るだけならばそう時間は要さない。香港島北岸や九龍からみれば郊外のいちニュータウンに過ぎないこの町も、石澳や赤柱、淺水灣の空気に触れてきた身にはこれでも大都会に思えてしまう。
香港仔中心(Aberdeen Centre)と称する町の中心広場。休憩がてらこの広場の一角にあったKFCで小腹を満たすことに。海外旅行先では滅多にチェーンのファーストフード店には入らないのだが、他にあまりめぼしい店が無かったので。
町の中心街の風景。香港仔トンネル経由のバスを使えばすぐに北岸の繁華街へ出られる立地ではあるが、こちらもこちらで活気のある様子。日本で例えれば都心から10~15分程度の私鉄沿線の拠点駅・・・といったところだろうか。
風情も何もないこの街で敢えてひとつだけ観光地らしさを挙げるとすれば、香港仔海濱公園を少し西へ行ったところにあるジャンボレストランの送迎船の発着場。聞いた話では団体客と個人客とでは全然味が違うそうな(どちらが上か・・・って言うまでもないですよね)。
――と、正味30分程度しか歩いていないが、時刻はもう午後5時。日没が近く、4つの街を渡り歩いて疲れもピークに達しているため、そろそろバスでゴールの中環へ向かうことにする。現在のところ軌道系交通機関は通じていない香港仔だが、将来的にはMTRの延伸計画もあり、その頃にはもっと気軽に訪れられるようになるだろうか。
新巴91 香港仔海濱公園→中環碼頭巴士総站
ここから北岸へ抜けるには、前述のトンネル経由と西海岸経由の2つのルートがあるが、中環や灣仔、銅鑼灣方面にはトンネル経由の方が圧倒的に速いものの、今回は香港島を一周するという趣旨なのでもちろん西海岸経由のルートを選択する。確実に希望のルートを辿ることが分かっている7系統にとりあえず目星をつけていたが、先に来た91系統が同じ「中環碼頭」の行先表示を出しており、恐らく同じルートだろうということで乗車。結果的にはこれでOKだったようだ。
冷房車ではあるもののやや旧型の車なので、上り坂では激しいエンジン音に反してかなりスピードが落ち、隣の車線から乗用車にビュンビュン追い越されてしまう。片側2車線の幹線道路は海岸から1kmほど離れた高台をアップダウンを繰り返しながら進み、落陽に染まる海が見え隠れ。右手には香港島の脊梁部である山地が見上げるほどに立ちはだかっている。西海岸は比較的なだらかな地形のようで、北岸方面とあまり変わらない規模の住宅地が随所に見られ、このバスは通らないものの沿岸にはサイバーポート(數碼港)と呼ばれる、香港のIT産業の拠点として青写真が描かれたエリアが開発中である。
堅尼地城の上、香港大学のあたりからは海岸へ向けて急降下。幹線道路から外れて一方通行の入り組む路地に分け入り、角の建物にぶつかりそうな直角カーブで左へ右へ。やがてトラムの走る大通りに合流し、ラストスパートをかけて中環のフェリー埠頭のバスターミナルに滑り込む。時刻は丁度午後6時、私の到着を見届けたかのように夜の帳が下りようとしていた。
(2008.12.23)
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