香港2008 (4-3)Sail Away For Frontier
予定より1時間遅れ(私の勘違いが原因ですけど)で屯門を出航し、波をチャプチャプかき分けてまずは対岸の東涌へ。内海ではあるが小さい船なので多少は揺れ、スピードも出力を絞っているのかこれがフルスピードなのかは定かではないものの、かなりゆっくりめのペースである。船体後部は海を渡る潮風を全身に受けられる屋根つきのオープンデッキになっており、スターフェリーとはまた違う港外線(=ビクトリアハーバーの外を走る路線)ならではの開放感だ。香港域外へ出入りする船の主要航路らしく、大小の貨物船がひっきりなしに往来する過密海域である。
10分ばかりもすると、右手に香港国際空港の空港島が近付いてきて、船はこの島の東岸に沿って走るように。時折頭上を離陸したばかりの飛行機が横切っていく。今は廃止されてしまったが、かつて鳥羽から中部国際空港の前島へ向けて就航していたフェリーに乗船したときにも、同じように空港島を海上から眺めたもの。
屯門で既にランタオ島の島影ははっきりと見えているが、前方にはいよいよ東涌のニュータウンのマンション群が迫ってきた。陸路で屯門から東涌へ向かうには、橋を渡るために東へかなりの距離を迂回しなくてはならないが、こうして海上をショートカットするとあっという間。本数に難はあるものの、通勤需要も納得である。
9時20分頃、機場快綫と北大嶼山公路が空港島へ渡る橋のそばにある東涌新発展碼頭(Tung Chung New Devel. Pier)に到着。地図を見る限り東涌駅からも容易に歩いて来れる距離ではあるが、町外れのひっそりとした場所である。
ここで少々の下船客、そしてみるからにレジャー客という風情の乗船客を迎え入れ、橋をくぐってランタオ島と空港島に挟まれた運河のような海域を進んでいく。頭上を後ほど乗車する昂坪360の索道がクロスし、ゴンドラが山の上へ向けて点々と連なっているのが見える。
次に立ち寄るのは沙螺灣(Sha Lo Wan)という埠頭。右手にずっと続いてきた空港島の西端付近にあたるが、船上から眺める限り周囲に集落はまったく見当たらず、船から下りていくのはクーラーボックスを携えた太公望ばかり。となると彼らを当て込んだ寄港ということか。
上の写真では辺鄙な場所にしか見えない・・・というか実際に辺鄙なわけだが、海をはさんだ反対のすぐそばを空港の滑走路が走っており、フルスロットルで加速を始める飛行機のエンジン音がゴーッと響いてくる。
沙螺灣を出ればいよいよ次は目的地の大澳。船は埠頭を離れ、左手に空港島を眺めながら進んでいく・・・
ん? あれ?
なんで戻ってんの?
そのままあれよあれよという間に東涌新発展碼頭まで引き返し、また乗客を乗せて何食わぬ顔で再度大澳方面へ。一度目の寄港で東涌から乗ってきた女子大生?のグループや家族連れがそのままキャビンに留まっていたので乗り間違えたわけではなさそうだが、定期便にあるまじき無茶苦茶なルート取り。というか、引き返した時点で遅延確定なんですが・・・?
沙螺灣を過ぎ、今度こそ大澳へ針路を取っている模様。この後、狭いトイレで下を向いてゴソゴソしていたら見事に船酔いにかかってしまい、一旦体が冷えてキャビンへ引っ込んでいたものの新鮮な空気を吸いに再びオープンデッキへ。船上から眺めるランタオ島の北海岸は、山が急斜面で直接海へストーンと落ち込む険しい地形。当然海岸沿いには道は通っておらず、東涌と大澳を結ぶ路線バスは一度南海岸へ出て、2度も峠を越えていくコースを取っている。
時刻表上ではとっくに着いているはずの10時頃、ようやく湾の奥に大澳の街並みが見えてきた。そのまま港へ吸い込まれていき、バスターミナルそばの埠頭へおもむろに着岸。出口のオクトパス読み取り機で25ドル(日曜・祝日は30ドル)支払って上陸する。漁村だけに船でやって来るというのはなかなか気分が良いものだが、その思いとは裏腹に船酔いでややグロッキー気味である。
《船上から大澳の中心部を遠望》
《大澳に到着したフェリーのお姿》
富裕小輪(フォーチュンフェリー)時刻表(屯門-東涌-沙螺灣-大澳)
http://www.fortuneferry.com.hk/timetable.php
(2008.12.24)
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