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2009.09.21

香港2008 (5-2)南の漁場~流浮山にて~

流浮山のみどころはメインストリートである流浮山正街一本に集約されている。入り口近くには海鮮料理店、少し進むと大澳のように干物や乾物を扱う店のほか、鮮魚の小売も行っている。漁港の朝ということで狭い路地は手押し車を押した人が忙しく往来し、道の端にサッと避けることもしばしばだ。

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鮮魚店の合間には市場で働く人達の為の食堂もあり、奥へ進むにつれて元々少なかった観光客の姿が無くなると、やがて水揚げ場へ。立ち入ったからといって別に見咎められたりはしないが、ここは海の男や海の女の戦場。ボーっと突っ立っていると荷物を満載した手押し車に轢かれかねないのでご用心を。

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水揚げ場を抜けると海辺へ。漁師の他に此処まで歩いて来るのは早起きの釣り人くらいなものだが、休日だからかその数は結構多い。

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海岸には牡蠣の殻が積み上げられて壁と化していたりする。流浮山は牡蠣の養殖地として知られ、牡蠣の干物やオイスターソースが名産品になっているが、対岸の深センの工業化による水質汚染の影響で、現在では大きく衰退しているとか。それでも牡蠣を日干ししている風景は街なかの至る所で見ることが出来た。

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海の向こうを見渡せば、ひなびた漁港の風景に似つかわしくない近代的な橋が海上を延々と渡っているのが見え、東京湾アクアラインを連想させる。新界西部と深センを結ぶ『深セン灣公路大橋(Shenzhen Bay Bridge)』で、日本人にも有名な落馬洲、そして沙頭角・文錦渡に続く、香港と中国本土との間の4本目の自動車ルートである。

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《うっすらと吊り橋が見えるでしょうか》

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《高架橋部分を遠望》

その対岸の深センには高層建築が林立し、この僻地にも着実に時代の影が忍び寄っているように思えてくるが、それでも海岸に舫(もや)うクラシックな漁船の群れを眺めていると、時代に飲み込まれるのはまだまだ遠い未来だという気がしてならない。

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9時をまわって益々活気づく流浮山正街を戻り、バス乗り場のあるロータリーへ。下の写真は周辺の観光ポイントを示した地図で、日本語表記もあるのが嬉しい。

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東を向くと、手を伸ばせば届きそうな距離に天水圍のマンション群。この風景の変貌もたかだか10~20年前の出来事だったはず。

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港鉄K65 流浮山上璋圍

次の目的地は天水圍駅なので、前述のK65系統のバスを利用する。この頭にKのついた系統は、MTRの駅から少し離れた地域をカバーするMTR直営のフィーダーバス。この系統の場合、運賃は3.7ドルだが西鉄線と乗り継ぐと無料になり(※オクトパス使用が条件)、運賃制度上は軽鉄と同格の存在となっている。日本で鉄道とバスを乗り継ぐと、距離の割にはやたら運賃が高くなることが多いのが常だが、ヨーロッパのゾーン制といい香港のこのシステムといい、運賃制度の硬直した日本より一歩も二歩も先を行っている。

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バスはニュータウンの外郭である西側一帯の田舎道を縦断。相変わらずコンテナ基地が続くものの、点在する集落に停まる度に乗客は増え、日本の住宅街と駅とを結ぶバス路線と全く同じような雰囲気に。バス王国の香港ではあるが、この辺りから都心へ出るにはノーマルにバスとMTRを乗り継いでいくのが最適なルートのようだ。

天水圍駅のバスターミナルのひとつ手前、《上璋圍》では駅へ通じる歩道橋に繋がっており、大方の乗客が下車。私もここで降りることにする。

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《歩道橋から見た天水圍駅北側のようす》

(2008.12.25)


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