香港2008 (5-3)屏山文物径その1
さて、これから巡るのは『屏山文物径(Ping Shan Heritage Trail)』と呼ばれる歴史散策道である。“建国”から150年そこそこの若い国・香港で歴史を語るというのも一見おかしな話だが、香港(と後に称されるようになる地域)には既に旧石器時代から人が住んでいたというのは、前項の香港歴史博物館でも触れられている。この屏山文物径は宋代の12世紀にこの辺りを支配していた豪族の遺跡を結んだ全長約1kmの散策道で、1993年にここを含めて2ヶ所のコースが指定された。関西で言えば『歴史街道』のようなものである。
《屏山文物径の地図》
今回は北から南へ向かうルートをとることにする。最初のポイントは『聚星樓(Tsui Sing Lau Pagoda)』で、香港で唯一現存する古塔なのだとか。中で屏山文物径の解説パンフレットがもらえるらしいのだが、今日は祝日のためか入り口は閉鎖。む~ん。
《聚星樓》
700年前につくられた塔らしいが、すぐ後ろの西鉄線の高架駅、そして更に背後の高層マンション群とのギャップがなんとも奇妙なコントラストを醸し出している。
《駅とマンションを交えて》
《現代の建造物に完全に埋没する塔》
聚星樓を離れて高架駅を背に順路を進む。池のほとりを歩き、社壇(Shrine of the Earth God)へ。英訳からなんとなく想像は出来るが、土地の神様を祀った祭壇だということ。
《社壇》
こんな感じで案内表示が完備されているので安心して散策できます。
社壇からすぐの所には『上璋圍(Sheung Cheung Wai)』という城壁村が。
《(上3枚)上璋圍・外観》
内部は吉慶圍と同様に人が暮らしており、ちょっとだけ中を見せてもらいたくても入り口にはこんなプレートが。広東語が解らなくたって、観光客を歓迎していないという意思は容易に読み取れる。
仕方がないので入り口から写真を一枚。
上璋圍から少し進むと古い井戸が。今でも枯れていないどころか、地面ぎりぎりまで水を湛えている。
《(上2枚)古井(Old Well)》
井戸のすぐ横の原っぱの向こうには楊侯古廟(Yeung Hau Temple)が建っている。築数百年になり、20世紀から21世紀の頭にかけて3度ほど修復工事が行われたそうだ。
写真が多いので次回へ続きます。
(2008.12.25)
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