香港2008 (6-4)海の見える坂道
西營盤(サイインプン/Sai Ying Pun)。地下鉄の駅が無いだけあって日本人観光客には今一つ馴染みの薄い地名ではあるが、上環のすぐ西隣である。更に西側の石塘咀や堅尼地城と総称して「西環(サイワン)」とも呼ばれ、赤のミニバスがこの行先表示を掲げて走っているのを時々見掛ける。ここへやって来た目的というのは、下り坂の向こう側に海が見えるという風景があるから。昔なら珍しくも何ともなかったのだろうが、ヴィクトリア・ハーバーの埋め立てが進んだ現代では希少なものになっているとか。
*こちらのサイトを参考にさせて頂きました。香港の津々浦々で撮影された写真がたっぷりです。
香港無いとサイト
ということで西邊街を上りはじめる。山へ向けて一直線に延びる坂道はかなりの勾配である。こういう坂道を平気で二階建てバスが上り下りするというのが凄いものだが。
《西邊街》
この辺りは純然たる下町風情。新しいアパートやマンションもポツポツと現れているものの、今のように洗練された世界都市ではなく、「魔都」などと称されまだ怪しげなイメージが伴っていた時代の雰囲気を色濃く残しているかのようだ。
かなり坂を上ったところでそろそろ振り返ってみると…
もう少しズームすればもっとハッキリと海が写ったのですが、あまり伸ばしすぎると不自然になってしまうので。
一本東側の正街へ移動します。
《西邊街と正街を結ぶ第三街(Third Street)》
正街(Centre Street)の山側。こんな山の上のマンションに住んだなら、さぞ通勤・通学・買い物は大変だろう…と思うが、ちゃんと山腹を縫って都心直通のバスが走っているので、交通の便には全く問題ナシである。
そばにあった「日本城」という店。家庭用品を扱っているが、その名前とは裏腹に日本製品は見当たらないのが謎。日本の良質な工業製品のイメージに肖っているだけか?
正街の上から海側を見下ろすとこんな感じ。街と海との間には高速道路の高架が走っているだけなので、この通りくっきりである。
市場の中をこっそりパチリ。
まだまだこんな古びたアパートも残っています。
更に東へ進み、東邊街(Eastern Street)へ。この通りに面して佐治五世紀念公園(King George V Memorial Park)という公園があり、南西の角には巨大なガジュマルのご神木が羽ばたくように枝を拡げ、大きな影を作っている。
《佐治五世紀念公園のご神木》
公園南側の近代建築。元々病院だった建物らしい。
この公園の横を走る通りは張り出した木々の陰となり、瑞々しい空気に包まれていた。
そのまま東邊街を下り、路面電車の走る大通りへ。
時刻は12時半ということで残り滞在時間は2時間半。さて何処へ行こう?と考えたが、香港島の主要な繁華街のうち灣仔はまだじっくりと歩いていないので、最後の目的地はそこへ決める。西營盤から灣仔へはトラムで20分。
《最後の最後までかぶりつき》
(2008.12.26)
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