香港2008 (6-5)灣仔にて・その2
*2006年の旅行記からの連番です。
香港 (1-9)灣仔にて
今回はトラムの走る荘士敦道(Johnston Road)と、その南側の皇后大道東(Queen's Road East)に挟まれたエリアをメインに散策してみる。トラムを降りたところで反対側からやって来たのは、西暦2000年に投入されたことから「ミレニアム電車」と称される新型車両。現在3両しかないレアな車種である。さすがにスマートな外観ではあるが、従来型車両と同様に冷房は付いていないというなかなかの食わせ者。一番前の窓は風の全く入らない固定窓になっており、かぶりつき愛好家としてはちょっと敬遠してしまいそうな電車である。
《(上2枚)ミレニアム電車》
もう午後1時なので、歩き始めたところで皇后大道東沿いの茶餐廳にて香港最後の食事。揚州炒飯、日本で言うところの最もシンプルな五目チャーハンを頂いた。本場の味らしく八角の風味がふんだんに効いており、インディカ米のパラパラ感も相まって大満足の一品であった。
サッと昼食を済ませたら、いよいよ街中を徘徊。露店街あり食品市場あり頭上を看板のひしめく路地あり…と、エネルギッシュな香港のエッセンスをギューっと凝縮した、ただ歩くだけで心躍るような街である。本来は写真をたっぷりと掲載したいところなのだが、冗長に陥ってしまうのは望む所ではないので、かいつまんでご紹介したい。
《皇后大道東》
こちらは皇后大道東沿いにある洪聖廟。海の神様を祀った廟である。元々海岸沿いにあったこの廟がここまで内陸に後退しているということから、灣仔の成り立ちを物語る生き証人とも呼べる存在である。
同じく皇后大道東沿いの果物屋さん。その場で果物を搾ってフレッシュジュースを作ってくれるので、私もキウイジュースを一杯。
この大通りはヴィクトリア・ピーク行きのバスが通るルートでもある。昼間のピークは未体験であることだし、次回はバスで登ってみるのも面白いかも。
赤柱行きのバスも通過。
歴史の古い通りだけあって、通り沿いには19世紀末期から20世紀初頭にかけて流行した、一階部分がアーケード状になっている騎楼建築が僅かながら残っている。私が訪れた国のうち、台湾やシンガポールではそこら中でこの騎楼がバリバリの現役として活躍していたものだが、此方香港では住宅の世代交代が激しかったため、その波をかいくぐった古い建物が街並みに埋もれるように生き長らえているのみ。しかもここでは再開発地域が目と鼻の先にまで迫っており、既にすぐ横はフェンスが立つだけの更地となっている。仔細に眺めればなかなかデザイン性にも優れた建築物でもあり、改修した上で保存してはいかがと思うのだが。
《(上2枚)皇后大道東の騎楼建築》
《古き良き下町にも、再開発の足音がひたひたと…》
このように街は新陳代謝の真っ只中であるが、春園街(Spring Garden Lane)は古い下町の香りを残した通りの一つ。蛇足ではあるが、春園街の「春」というのはSpringの誤訳なのだとか(昔この辺りに噴水(=Spring)つきの庭をもつ邸宅があったことに由来)。
《(上2枚)春園街》
この辺りの路地には露店が並んでおり、昼間からナイトマーケットを思わせるような熱気漂う空間である。
次回へ続きます。
(2008.12.26)
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