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2009.10.27

四国62h (1-7)ごめん・なはり線オープンデッキ車両 Part2

後免町、立田と経て<のいち>に到着。駅前には地方都市らしく広い平面駐車場を備えたショッピングセンターの他、各種商業施設が集積しており、沿線ではとりわけ賑やかな駅である。ここで行き違った列車は全身にトラ柄のペイントを施した車両で、沿線の安芸市にて毎年阪神タイガースの春季キャンプが行われることにちなんでいる。そういえば本家の阪神電鉄ではこういったペイントがされているのを未だかつて見た経験が無いが、せめて一編成くらいは試行してみては。


【動画】のいち駅到着。虎柄列車とすれ違います。

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《虎柄列車を後方から》

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《(上2枚)のいち~あかおか間にて》

後ほど降り立つ事になる<あかおか>を過ぎた辺りからは、いよいよ正面に太平洋(土佐湾)の大海原が迫ってくる。赤潮が出ているのがやや残念だが、日本海や瀬戸内海とはまた違う南国のムード。雲ひとつない夏空へ向けて、高知龍馬空港を飛び立ったばかりの飛行機が一直線に突き抜けていった。

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海水浴客が下車して行く夜須(やす)を出ると、ごめん・なはり線内最初のトンネルへ。何が凄いかというと、トンネル内でオープンデッキに立つ乗客を襲う猛烈な風圧である。屋根が付いているだけで横はスカスカのトロッコ列車ならばともかく、この車両の開口部は車両幅の4分の1程度。もともと45km/h前後と各種トロッコ列車に比べれば異例のスピードである上に、この狭い開口部に風が集中することになり、しかも非電化単線の小断面トンネルである。とても前を向いて立っていられるものではなく、無理矢理進行方向へ向かせたら冗談ではなく充分拷問になりそうだ。どなたかの乗車記に「恐怖を感じるほど」と書かれていたが、掛け値なしにその通り。帽子などの軽い小物はまず確実に飛ばされるだろうから、乗車の際には注意が必要である。


【動画】トンネル内を走行中

海を望んで走る区間のうち、琴ケ浜沿いの西分-和食-赤野間がハイライト。線路と波打ち際の間には松林以外に何もなく、デッキに面した180度すべてが海である。この絶景を添えて、リアルタイム旅日記の2通目をアップ。

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【動画】琴ケ浜を走る~赤野駅に到着

穴内で列車の行き違い。

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阪神タイガースのキャンプ会場である安芸市営球場最寄りの球場前駅からは一旦内陸に入り、11時26分、安芸駅に到着。安芸市の中心駅でこの駅折り返しの列車が多数設定されているほか、車両基地や運転指令センターも設置されており、ごめん・なはり線の運行上の要となる駅である。1974年までは土佐電気鉄道安芸線がこの安芸の町まで走っており(正確には当時の安芸駅は現在の球場前駅付近)、後免線や土讃線にも乗り入れていたというから、路面電車仕様の車両が鉄道線へ直通する「カールスルーエモデル」の先駆けとも呼べそうなシステムだったようだ。安芸線の廃線跡はごめん・なはり線の用地として転用された部分もあり、滋賀県の江若鉄道→湖西線や、台湾の淡水線などと同様に、新線への発展的解消を前提に廃止されたという例である。それだけに転生を前に手からスルリと抜けていった鉄道不在の30年間は、延々と“待て”を続けさせられる犬のように堪え難いものだったに違いない。

安芸駅には後ほど下車することになるが、ひとまずはそのままオープンデッキ車両で終点の奈半利へ。次回へ続きます。

(2008.07.19)


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