大阪渡船ラリー (3)船町渡船場
船を降りたらまたバス通りへ出て、市営バスの営業所がある鶴町四丁目から鶴町一丁目まで、3停留所だけ乗車します。このバスが走る大正通は、大阪環状線の大正駅付近を起点にアルファベットのJの形をしており、かつて市電も走っていた通り(鶴町四丁目の営業所は市電の車庫の跡地)。鉄道が四通八達した大阪市内では数少ない鉄道過疎地域で、高密度住宅地でもあってバスが高頻度で運転されています。正直なところ今里筋線よりも、大正区内への長堀鶴見緑地線の延伸の方が先決だったのではないかと私は考えていますが…。
《鶴町一丁目バス停付近にて》
本当は南へ歩いて行かなければならないのですが、誤って北の方へ。すぐに気が付いて良かったですが。
《(上2枚)間違えて渡った南福橋の上から》
こちらが正しい道です。
船町渡船場(鶴町側)に到着。こちらも防潮堤を乗り越えるために階段と長いスロープが設置されています。
船町渡船の岸壁間は75m。この距離は現在運航中の8路線のうちでは最短となります。乗降を常に左舷側で行うために航跡は半円状となり、往復を合わせてくるっと円を描く形となります。運航頻度は日中20分間隔、最短で10分間隔となっており、丁度合間に着いたので10分ほど待つことになりました。対岸は目と鼻の先に見えるのに、時間が来るまで渡れないこのもどかしさ。
《対岸は至近距離に》
《空調は無く風と雨露をしのげるだけですが、簡易的な待合室も》
《「投錨注意」。こんな標識は初めて見ました》
時間になると詰所から乗船員が出てきて、往復で5分も掛からない“航海”へ。片道の航行時間は正味40秒くらいじゃないでしょうか。あまりに短いので片道の全行程を動画で撮影してみました。では、その一部始終を見よ!
【動画】船町渡船のU字ターン
船町側の乗り場。長いスロープがありますが、車椅子での単独利用の場合など電話で連絡すれば、職員の補助が受けられます。
次の木津川渡船場までは徒歩で向かいます。鶴町側は住宅も多い地区ですが、先の木津川運河を渡ると様相は一変し、メタリック一色の純工業地帯となります。近頃は工場を『萌え』の対象とするような嗜好が密かにブームとなっていますが、そういう人にとっては垂涎モノの風景か。工業地帯を海の上から眺めるツアーも登場していると聞くし、確かに夜にライトアップされた工場は私もその妖艶さにゾクゾクっとくるものがありますが。
三重ループとなっている新木津川大橋のアプローチ部を見上げつつ、中山製鋼所(映画『ブラックレイン』のロケ地として使われました)の横を抜けていきます。なんだかタモリ倶楽部のロケ企画っぽくなってきたナア…
ちなみに嘗てこの付近には伊丹空港の前身となった「木津川飛行場」という民間の空港が存在し、1923年から1939年にかけて大阪の空の玄関口として活躍していたそうです。現在、新木津川大橋のたもとにそれを記念する石碑が立っています。
木津川渡船への乗船は次回にて。
(2006.12.29)
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