大阪渡船ラリー (4)木津川渡船場
木津川渡船の岸壁間は238m。大阪の渡船群は原則的に大阪市建設局によって運航されているのですが、この渡船のみは大阪市港湾局の管轄となっています。到着するや否や職員さんが乗船口の扉を閉めようとするので、「乗りますっ!!」と叫んで駆け寄ったのですが、航海を終えて詰所へ戻るところだったようで、次の出航の時間を告げられます。11時20分頃に到着したのですが、次の船は12時ジャストと何と40分も先。何を隠そうこの木津川渡船、日中は45分間隔と大阪の渡船随一の“閑散”路線なのです。朝夕のラッシュ時は10分間隔と大幅に増便されるので、工業地帯らしく通勤輸送に特化した航路となっている模様です。
《木津川渡船の時刻表。訪問当時、冬季は18時半が最終便でしたが、現在は20時半まで大幅に繰り下げられています》
こんな工業地帯の真ん中で40分も待たされても大層困るのですが、仮に橋を渡ったほうが早くともそれでは企画の趣旨に反するわけで、当然ながら大人しく待つことにします。恐らく乗船員は暖房が入った詰所でぬくぬくとしているのでしょうが、一方乗客の待合室の方は屋根とベンチがあるだけ。周囲に人の気配は全くありませんが、目の前の木津川には貨物船が時たまやって来ます。かなり大型の船も停泊しており、川や運河を跨ぐ橋がおしなべて高いのも納得させられます。
特に何をするでもなくボーっと時計の針が進むのを待ち、12時の便に乗船。この船には風と飛沫除けの透明パネルとビニールシートが取り付けられていました。
田舎のローカル線でもあるまいし、待ったのは40分・乗船時間は3分というアンバランスさでしたが、まあとにかく対岸に到着しました。
平林側から新木津川大橋を見上げます。この橋、水面から50mという高さもさることながら、アーチ橋としては日本一の長さだそうです。シドニーのそれに肖って、大阪のハーバーブリッジと名付けたい。
渡ったこちら側も工業地帯。先程の便の乗客は私一人だけだったのですが、さもありなんという感じです。
さて、もうお昼ですので渡船巡りは一旦中断して、昼食を摂りに行くことにします。歩いていった先に《木津川渡し通》というバス停があり、地下鉄四つ橋線の住之江公園駅行きのバスが出ていたのでこれに乗車しました(49A系統)。実はこのバスも1時間に1~2本程度と少なく、またもや待たされることになったのですが。
《バス停はあれども、決して本数を保証するものではありませぬ》
この系統は一方向のみの循環系統なのですが、貯木池をぐるりと周回するルートはまるで私有地のような路地にズカズカと入っていったりと面白く、バスマニアに受けそうな路線です。終点の《地下鉄住之江公園》は同じ名前の停留所が二つあり、一つ目は地下鉄駅入口がすぐ横にある路上のバス停、二つ目が実際の終点となるバスターミナル。一つ目の停留所で下車すれば、ほとんど歩かずに四つ橋線のホームへ到達することが出来ます。
地下鉄を乗り継いで南森町へ移動し、初訪問となる東天満交差点に面した「薩摩っ子ラーメン」へ。ニンニクたっぷりの濃い目の豚骨ラーメンです。大阪では「空心町のにんにくラーメン」として名の通った店らしいのですが、期待に反して特に美味しいという印象は無かったです。私の舌が肥えているというのもありますが、まさか味が落ちたとか?
蛇足ながら、この交差点の直下には谷町線とJR東西線が通っているのですが、肝心の駅がないので最寄り駅までは数百メートル歩かなくてはならないのが難点。というわけで帰りもぽてぽてと南森町まで歩きました。
午後からは残り3航路をつぶす後半戦へ。更にディープな大阪へと分け入っていきます。
(2006.12.29)
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