大阪渡船ラリー (6)落合下渡船場+番外編(安治川トンネル)
渡船で大正区から西成区に入りました。西成といえば関西の住民にとっては特有の響きを伴う地名ですが、落合下渡船場へ歩いていく沿道はそのイメージ通りの埃っぽい工場町。大阪市内とはいえ、こんな機会が無ければ一生にそう何度も訪れることはないでしょう。落合上渡船場からは約750m、10分弱で到着しました。
兄弟関係の落合上渡船と落合下渡船は、共に日中15分間隔・ピーク時10分間隔。岸壁間はこちらの方が若干長く、138mとなっています。船着場からは木津川越しに京セラドーム大阪(大阪ドーム)が眺められ、まるで工業地帯に舞い降りたUFOのようです。
下流には最終目的地である千本松大橋(この橋に沿って千本松渡船が運航)が見えます。
もうすっかり乗り慣れて新鮮味も無くなってしまいましたが、とにもかくにも再び大正区側へ戻り、いよいよ最後の渡船へと向かいます。
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今回はもう一つ、12人目の選手ならぬ「9つ目の渡船」を紹介したいと思います。大阪環状線・阪神なんば線西九条駅近くに存在する河底トンネル、「安治川トンネル」がそれで、戦時中の1944(昭和19)年に開通。かつては大型エレベーターを介して自動車も通行できるようになっていましたが、現在は歩行者と自転車専用。自動車は今に至るまで下流の国道43号線安治川大橋か、上流の中之島西端の橋まで大回りしなければなりませんが、2009年からは阪神なんば線の真新しい橋梁がトンネルに隣接するようになり、至近に他の橋が存在しないだけあって、より一層存在感を際立たせています。なんでもこの安治川トンネル、日本で初めて沈埋工法を用いて建設されたトンネルなのだとか。
こちらは西区(九条)側のトンネル入り口。2006年8月に撮影した写真なので、なんば線の橋脚が立ちはじめたばかりです。中央に二つ並んで見える巨大な扉が、自動車用のエレベーターです。トンネル内の車線はそのまま残存しているらしいので、エレベーターさえ復活できれば今すぐにでも通行可能なのですが、もちろん現代の交通量に対応できるはずはなく。トンネルをスロープでつなぐ計画もあるにはあるそうなのですが…。
こちらの入り口手前の交差点には「源兵衛渡」という名前が付いており、トンネル開通前に存在した渡船の名残を伝えています。
歩行者・自転車入り口のアップ。エレベーターは深夜時間帯は停止しますが、階段が開放されているので24時間通行が可能となっています。
内部の写真は撮影していませんが(当時のデジカメは手振れ補正も高感度撮影も非装備だったので)、延長はたったの80mなので1分程度で通過。関門海峡の人道トンネルでは780mという長さを活かしてジョギングしている人を多数見掛けましたが、流石にココでは無理ですね(笑)。下の写真は此花区(西九条)側のトンネル入り口です。
【追記】
トンネル内部の写真を後日撮影したので、追加掲載します。
最後に、現在は地下線へ続くなんば線の高架が蛇のように横たわっている場所の写真を載せつつ、最終回へ続きます。
(2006.12.29)
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