美作・因幡ぶらり旅 (1)智頭急行(上郡~宮本武蔵)
古い話で恐縮ですが、Blog開設以前の小旅行の話をいくつか取り上げていきたいと思います。今回は日帰りで岡山・鳥取両県の三セクとローカル線を訪れた記録です。5月なので青春18きっぷは使えず、三セクのみならずJR線区間も普通乗車券を使用するという、ちょっぴりゼイタクな旅となりました。
まず最初に目指すのは、歴史上の著名人の名前をそのまま駅名に採用し、開業当時は相当話題となった、智頭急行線の宮本武蔵駅。普通列車しか停まらないので、手前の佐用駅までは《スーパーはくと》に乗車することも考えたのですが、自宅の最寄り駅に到着して携帯電話で乗り換え案内を検索すると、特急を待つより新快速と普通を乗り継いでいった方が早く到着出来るようです。というわけで尼崎~姫路間は新快速・姫路~上郡間は各駅停車という、18きっぱーと変わらないプランになりました。
智頭急行線始発駅の上郡駅ホームです。智頭急行直通の特急列車はJR線のホームに発着しますが、普通列車は乗り換え改札口を抜けた先にある独立したホームに発着します。ちなみに私は智頭急行経由で鳥取駅まで通しで購入したきっぷを所持しています。
普通列車に用いられるHOT3500形気動車です。130km/hで疾駆する特急列車の合間を縫って走るため、最高速度110km/hの俊足を誇る車両です。その性能もさることながら、大きな側窓、そしてボックスシートながらもフカフカで非常に座り心地のいい座席が装備され、接客設備も三セク車両のうちでは全国でも出色のものとなっています。
出発するとすぐに高架へ駆け上がり、右カーブで山陽本線の線路と離れてゆきます。智頭急行は京阪神および岡山と鳥取との短絡を主眼として、非電化ながらも高規格の路線として1994年に開業し、《スーパーはくと》《スーパーいなば》に支えられて全国でも北越急行に次いで2位の営業成績を誇る、いわば第三セクターの“優等生”。北越急行は現在建設中の北陸新幹線が開業した時点でローカル線に転落する宿命を背負っていますが、智頭急行の方は2010年に鳥取自動車道の全通を控えているものの、北陸新幹線のようにその機能を完全に代替する性格のものではないため、今後も長きに亘って自動車を圧倒するスピードと定時性を武器に、対鳥取の主力交通機関としてのポジションを維持し続けることでしょう。
特急列車の活躍ばかりが注目されがちですが、もちろん沿線の地域輸送も大事な役目。特急ならば一瞬で通過してしまう小駅も、宮本武蔵だけではなく、苔縄・河野原円心・恋山形と、どこかユニークな響きをもつ駅名が目白押しです。
高架とトンネルの連続で国道373号線沿いの集落をつないで進み、姫新線と合流すれば佐用(さよ)。特急停車駅ですが、えらく細い島式ホームに目を引かれました。続いて停車する平福は、因幡街道の宿場町である平福宿の下車駅。以前クルマで訪れたことがありますが、夏の盛りだったので猛暑に打ちのめされ、丹念に見て回ることが出来ませんでした。この駅は近畿の駅百選に選定されています。
《(上2枚)以前訪問した時に撮影した、平福駅の様子》
《川端の風景》
行き違い停車を交えながらもキビキビとした走りっぷりを楽しんでいるうちに、宮本武蔵駅に到着。運転士さんにきっぷを呈示し、1面1線のホームに降り立ちます。
(2006.05.20)
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今年の更新は今日が最後となります。まだ立ち上げて2年という若いブログですが、ストイックな内容にも拘らずたくさんの方にご覧頂け、読者の皆様には心より感謝しております。来年も高クオリティな記事を提供していきたいと考えておりますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願い致します。
よいお年を!
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