05/05/19 (2)新型マリンライナーに乗ってみる
倉敷から岡山へ戻り、11番ホームからの発車となる12時44分発、快速《マリンライナー31号》に乗車します。このJR四国所属の5000系電車は、2003年に登場した2代目マリンライナーとして使われる専用車両。ラッシュ時間帯や早朝・深夜を除いて原則5両編成(※2005年当時)で運転されますが、2-5号車の普通車自由席は京阪神地区で運用されている223系1000/2000番台とほぼ同仕様。一方、先頭の1号車は2階がグリーン車指定席、1階が普通車指定席の二階建て車両で、こちらは岡山・香川まで足を延ばさなければお目に掛かることが出来ません(一度だけ臨時快速列車として京阪神へ入線した実績はあります)。さすがに南海ラピートには遠く及びませんが、「鉄仮面」とも形容したくなるような精悍な顔立ちをしています。
《(上2枚)5000系電車のフロントフェイス》
二階建て車両のサイドビュー。窓割りから察せられるように、グリーン車と普通車指定席のシートピッチはほぼ同一で、テーブルの有無や座席の厚みおよびリクライニング角度等で一応差別化が図られているものの、どちらも4列シートで値段分の差は見出しにくいです(G車:950円/普通車510円〔閑散期は310円〕。岡山~坂出・高松間で比較)。先代である213系のパノラマグリーン車が素晴らしいアコモを誇っていたので、二階建て車両の圧迫感も相まってグレードダウンという印象は否めません。対して普通車指定席の方は213系時代は自由席と同じ転換クロスシートだったので、5000系化後はリクライニングシートでグレードアップとなりました。
快速列車でありながら3クラス制を採る非常に特異な列車ですが、本四間のみならず岡山県内のローカル輸送も兼任する自由席車両は、補助席まで埋まる高乗車率。1号車に目を移せば、階下の指定席はパラパラと乗っていましたが、グリーン席は私とオッサンのふたりだけです。
《(上2枚)グリーン席区画にて》
岡山から茶屋町までは宇野線を辿ります。岡山市近郊のベッドタウンとして宅地化が進んでいる地域ですが、大部分が単線区間であるところに毎時特急2本・快速2本を半ば無理矢理詰め込んでいるため、普通列車は毎時1~2本程度とローカル線並みの運転頻度となっています。妹尾駅および早島駅については<マリンライナー>の選択停車によって対応していますが、JR四国にとっては本四連絡を担う生命線でありながらも、管轄のJR西日本および岡山県は所詮他人事なので輸送力増強には消極的なようです。それでもこの悪条件の中でラウンドダイヤを堅持しているのはお見事ですが、「ボトルネック」という言葉がこれほどしっくりくる区間もなかなか無いものですね。
本四備讃線の起点である茶屋町に停車。倉敷から鉄道で来ると約30kmありますが、実はこの経路だと東へ大回りすることになるので、路線バスでショートカットすれば倉敷駅~茶屋町駅間は22分です。今回は<マリンライナー>を始発駅から乗車したかったのでこのルートは考慮しませんでしたが、普通に倉敷~高松間を移動する場合などはこのルートの方が便利かもしれません。
(倉敷駅と茶屋町駅の位置関係は下の地図を参照)
本四備讃線に入れば、複線で尚且つ線形も極めて良好なので、MAX130km/hの高速性能を存分に発揮。児島からはJR四国の管轄区間へ入り、鷲羽山トンネルを抜ければ、3週間前に訪れたばかりの下津井の町を車窓右手に望みます。二階建て車両とはいえ、どちみち海面から数十メートルの高さにある橋なので2階席でも1階席でも眺望は全く変わらないわけですから、敢えてグリーン席を選択する理由というのはやはり見当たらないですね。まぁ、昼食のお弁当を食べるのにテーブルは重宝しましたが(笑)。
何度通ってもこの車窓は飽きないもので、瀬戸内海の多島美を満喫しつつ四国へ上陸。宇多津の三角線は<しおかぜ><南風>の右に対して左へ曲がり、次の坂出が四国島内唯一の途中停車駅となります。
予讃線内も全区間複線。ここでも130km/hの高速走行を披露しますが、結構カーブが多いので、高松~坂出間ではMAX120km/hの振り子ディーゼルカーよりも寧ろ1分程度遅かったりします。1号車の最前部には4席限りですが「かぶりつき」のパノラマグリーン席?が設置されており、ちょっと見に行ってみたのですが、確かに前面展望は魅力的ではあるものの、デッキのすぐ横なので落ち着かないなぁという印象を持ちました。
13時38分、岡山から54分で終着駅高松に到着。高松駅には宇高連絡船が現役だった幼稚園の頃以来約20年ぶりの再訪となりますが、再開発ですっかり面目を一新していました(とはいえ以前の姿を覚えているわけでは決して無いのですが)。それでも頭端式ホームの配置は従前と変わらず、4面9線という規模もあって、ピカピカの駅ながらも旅情を誘う独特の空気を漂わせています。
次回からは高松琴平電鉄編です。
(2005.05.19)
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