美作・因幡ぶらり旅 (2)武蔵の里にて
宮本武蔵駅のホームは築堤の上にあり、地上へは階段を下りていきます。駅名はこの周辺地域が宮本武蔵の生誕の地と言い伝えられていることにちなんでおり、ホームには陶板で描かれた宮本武蔵の肖像画が飾られています。
《駅名板。デザインはJR西日本のフォーマットに準じています》
《(上2枚)宮本武蔵駅ホーム》
《宮本武蔵の肖像画》
駅前広場から見た駅舎です。駅舎とは別に、グラウンドレベルに別棟の待合室が設けられています。
《宮本武蔵駅・駅舎》
宮本武蔵にまつわる史跡の数々は、『武蔵の里』という名称で複合的に整備が行われており、私も小学生くらいの時分に観光バスで訪れた経験があります。その当時は既に智頭急行が開業しており、武蔵の里よりも駅を見に行きたかったなぁと感じた覚えが。そんなわけで今回十数年越しに念願叶って駅を訪れることが出来たわけです。
その懐かしの武蔵の里へは、駅から今岡の集落を抜けて徒歩で10分少々。地名も「美作市宮本」となっています。ほぼ全線を通じて国道373号線にぴったり並行している智頭急行ですが、この宮本武蔵駅だけは国道からやや外れた場所に位置しています。そんな小さな集落に忽然と宿泊施設やら温泉施設やら武道館やらといったハコモノが出現し、さすがは観光バスが大挙してやって来るだけのことはあります。2003年のNHK大河ドラマ、『武蔵 MUSASHI』の放映時には大層賑わったそうですが(今なら井上雄彦の『バガボンド』でしょうか)、私は大河ドラマは全く見ませんし、武蔵にも興味が無いので、ああそうですかと瞥見するのみでした。
《武蔵の生家(とされている家)と水車小屋のある、『武蔵の里』の核心部》
それよりも興味を惹かれたのが武蔵神社の横を通った先にある、播磨国と美作国を隔てる「釜坂峠(鎌坂峠)」。山陽と山陰を結ぶ因幡街道の道筋がかつて通過していた峠で、武蔵も故郷への行き帰りに何度もこの峠を越えていたのだとか。『武蔵の里』中心部からは徒歩で20分程とそう遠くはありませんが、道は途中からダートに変わり、勾配もそれなりにあるので、距離のわりにはなかなか歯応えのある峠道となっています。
《峠へと通じる道》
《頂上まぎわのダート道》
釜坂峠は現在も岡山県と兵庫県の県境となっています(岡山県美作市/兵庫県佐用郡佐用町)。頂上には二軒の峠茶屋の跡である広場があり、かつての主要街道であった時代の面影を微かに伝えています。
峠を越えて少し兵庫県側へ歩いていくと、廃屋がありました。誰かが住んでいたのでしょうか。
列車の時間もあるので適当なところで引き返し、武蔵の里を経由して駅へ帰りました。続いては若桜鉄道の試乗に向かいますが、その前に因美線を乗り潰すべく、一旦鳥取へ出ることにします。
(2006.05.20)
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