05/05/19 (4)高松琴平電鉄Part2(長尾線・後編)
長尾線の終着駅・長尾駅。旧・長尾町の中心駅で、2002年に「さぬき市」として周辺自治体と合併しています。電留線を除いては1面1線のホームがあるだけのとても小ぢんまりとした駅ですが、パステルカラーがワンポイントとして添えられた洋館風の木造駅舎が構えており、町の玄関口としての矜持を保っているかのようです。
《ことでん長尾駅・駅舎》
そのまま来た電車で折り返すのも面白くないので、駅のすぐ至近に位置する四国八十八箇所の第八十七番札所、長尾寺を訪れてみることにしました。長尾線の前身である高松電気軌道は、元々この長尾寺の参拝客の輸送を目的として敷設された路線。駅からは約200m、徒歩で3~4分程度です。ほんの数分だけの滞在の間にも、何名かのお遍路さんの姿を見ることが出来ました。
《長尾寺・境内》
長尾駅の隣の公文明(くもんみょう)駅へは大した距離がないので、帰りはこの駅から電車に乗車することに。長尾街道を歩いて駅に着くと、これから長尾駅で折り返してくる下り列車が到着するところでした。
《公文明駅。下り列車が停車中》
電車が去った後の公文明駅ホーム。ホーム上からは長尾駅の構内と停車中の電車が見えます。ちなみにこの駅はさぬき市(旧・長尾町)内ではなく、木田郡三木町です。
《公文明駅ホーム》
ことでんでは2005年から『IruCa(イルカ)』というIC乗車券が導入されています。私が訪問した当時はサービスインからまだ3ヶ月あまりという最初期で、公文明駅にも真新しいカードリーダが入場と出場の2台セットで設置されていました。システム構築を担当した東芝のロゴが描かれているのが異色です。
《簡易型カードリーダ。高松築港・片原町・瓦町以外全ての駅がこのタイプによる対応です》
高松琴平電鉄は2001年に民事再生法適用を申請した会社ですが(直接の引き金はそごうと提携していたコトデンそごうの経営破綻)、国などの補助を受けてICカードシステムの導入に踏み切ったそうです。この手の投資は乗車に際しての精神的な障壁を取り除くという効用はあるにせよ、直接な形での増収には結びつきにくいため、特に企業体力の弱い中小私鉄では及び腰になりがちなのですが、電車やバスの乗車の他にも沿線地域の店舗に於いての電子マネーとしての使用、ゆくゆくはSuicaやICOCAのように全国規模でのサービスエリアの拡大など、Felica媒体としての無限の可能性には大いに期待出来る所です。IruCaにはICカードの特性を活かし、月間の利用回数に応じた自動割引やバスとの乗り継ぎ割引も用意され、無割引のICOCA利用者からすると羨ましい限りです。ちなみにカードのチャージは窓口やチャージ機の設置駅を除けば、車内で車掌のハンディ端末を用いて行うようになっており、コストの削減にも寄与しています。
〔参考記事〕
IC利用率78.4%。IruCa(イルカ)の街、高松の電車・バス事情
讃岐うどんもかざして精算――高松・IruCa(イルカ)の電子マネー事情
3枚上の写真の電車で瓦町へ戻り、今度は志度線に乗車します。
(2005.05.19)
« 05/05/19 (3)高松琴平電鉄Part1(長尾線・前編) | トップページ | 05/05/19 (5)高松琴平電鉄Part3(志度線・前編) »
« 05/05/19 (3)高松琴平電鉄Part1(長尾線・前編) | トップページ | 05/05/19 (5)高松琴平電鉄Part3(志度線・前編) »
コメント