マレー縦断編Prologue (1)今度の旅は「ハンデ戦」
前回、2008年12月の香港旅行から丁度3年。その後個人的な諸事情が絡んで海外旅行に出られるチャンスが訪れることなくこれだけの月日が流れてしまったのだが、年越し間近になってようやく久々の旅が実現した。
今回の旅の目的は、タイのバンコクからシンガポールまで、マレー半島を1900kmの道のりをかけて鉄道で縦断するということ。この旅の構想自体は既に10年以上前から暖めていたものなのだが、東南アジアということで鉄道を中心とした交通機関のインフラ整備の未熟さや観光・サービス業に携わる人間の質の問題など、様々な懸念材料があり、なかなか実践には至らずにいた。
しかし、過去の旅行でUAのマイレージプラスのマイルが30,000マイル以上貯まっており、これを使えば東南アジアへ無料で往復できることが分かり、それならばということでようやく重い腰が上がったというわけである。
飛行機の予約を皮切りにホテルや現地の交通機関の手配を始めたのが出発3週間前。その後約1週間かけて全ての段取りが完了し、後は出発を待つのみ、のはずだったのだが…
出発まで1週間となった水曜日。夕方、のどに微かな痛みを覚えたと思ったら、その夜突然38度超の高熱と大量の発汗。一晩で熱は引いたのだが、今度は唾を飲み込むのも苦労するくらいの激しいのどの痛みと食べ物の味が全く分からなくなるほどの鼻づまりに。その後改源やらベンザブロックやらを飲み続けていたのだが、ずっと続いている倦怠感も含めて全く症状が改善しているという実感がなく、これはただの風邪ではない、素人診断には限界があるだろう、ということで、週明けの月曜日に耳鼻咽喉科へ。
そこでの診断結果は風邪でもインフルエンザでもなく、なんと扁桃炎(急性扁桃炎)。口の奥にある扁桃に菌やウイルスが付着して炎症を起こすことによって発症する病気で、治療法としては抗生物質を投与するしか方法がない。そりゃあ風邪薬では効果がないはずである。
その場で飲み薬を処方してもらってその日はそのまま帰宅したのだが、その夜またしても38度超の高熱が。翌朝病院に電話し、かれこれこういう事情で木曜の夜までには完治に近い状態にまで持っていきたいのですが、と説明したところ、じゃあ点滴を打ちましょう、ということで、来院して血液検査と一緒にやってもらう。
点滴の効果か、幸いその日の夜には発熱がなく、そのまた翌朝、病院に「今日は点滴打たなくていいでしょうかね?」と電話で確認してみると、それとは別に血液検査の結果でお伝えしたいことがありますので来ていただけないでしょうか?と。そんなわけで3日連続で病院を訪れたところ、CRP(炎症の程度を表す指標)が異常な数値を示しており、これで発熱があれば即入院レベルですよ、と衝撃的な一言が。ただ、この数値は点滴前に測ったものなので、点滴が効果を発揮していれば問題ないと思いますよ、とのこと。今のところ自覚症状はほんの僅かなのどの痛みと咳だけだと伝えると、「ご旅行については判断はお任せします」と事実上のゴーサインが。旅行中の再発が怖いため、念のためにもう一本の点滴と旅行中の分の薬の処方をしてもらい、いよいよ明日が出発の日。
そんなわけで、今度の旅はある意味爆弾を抱えながらのものとなるわけで、いつもは朝から夜までひたすら歩き倒すというスタイルながら、今回は体をいたわりつつの道中を余儀なくされそう。まあ、旅行自体が中止にならなかっただけ遥かに幸運だったと考えるべきだろう。今回滞在するホテルは高級ホテルが中心なので、これをいい機会にいつもと趣向を変えてホテルステイを楽しむのもいい。
という出発前の顛末であったが、当日までキャンセルするどうかの決断を保留していたもの、依然のどの痛みと咳は残っているものの肝心の体調はまず問題ないだろう、と判断し、予定通り出発することにした。
というわけで、本編は次回からです。
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