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2012.01.24

タイ (1-12)Bangkok, High and Low

BTS両路線の高架が頭上を横切る、パヤータイ通り(Phayathai Road)とラーマ1世通り(Rama 1 Road)の交差点からサヤーム界隈へと入っていく。ここはバンコクの代表的な繁華街で、「タイの東大」とも呼ばれる国内最高峰の名門大学・チュラーロンコーン大学に隣接していることから、10~20代の若者の流行発信基地でもあるという。

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《サヤームスクエアにて》

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《サヤーム・ディスカバリー・センター前からラーマ1世通りを東向きに撮影》

とはいっても私はショッピングには興味がないので、社会見学ということでラーマ1世通り沿いのショッピングセンターへ手当たり次第に入っていくことに。高級ブランドのショップが並ぶさまは、「もう発展途上国なんて言わせない!」という気概が伝わってくるようでもあり、しかし直前にあのゴミだらけの運河を見てきた目にはその輝きもどこか褪せがちでもあったり。

ショッピングセンターの一角ではこんな若者向けのイベントも。中国の歌手兼俳優のサイン会のようだ。

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敬虔な仏教徒が国民の大多数を占めるタイらしく、近代的なSCにもこのような祭壇が。

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サヤーム・ディスカバリー・センター→サヤーム・センターと巡り、目覚しい経済発展を遂げるタイを象徴する存在である巨大高級デパート、サヤーム・パラゴンへ。地下には水族館もあり(入り口で割引券をもらいました)、まだまだ貧富の差の大きいタイの光と影のうち、まさしく「光」の部分の権化とも言えようか。

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《サヤーム・パラゴンの外観》

中を少しだけ歩いてみた。エントランス付近は流石に賑わっていたものの、奥へ進むにつれて人通りはガクッと減り、空間の使い方がこなれていないのかデッドスペースが多くガランとした印象。そろそろ疲れてきたこともあってさっさと外へ出てくる。

ところで4日前の12月5日は、現タイ国王であるラーマ9世、通称プミポン国王の誕生日。今年で御年84歳とのことで、50年に一度ともいわれる大洪水に見舞われた受難のこの年もタイ全土が祝賀ムードに包まれたそうで、随所で下の写真のような国王の若かりし頃の肖像画を目にした。

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《サヤーム・パラゴン前のプミポン国王の肖像画》

タイの王室も日本の皇室と同様に象徴的存在で政治には基本的に関与しないが、王室のプロジェクトとして国王自ら慈善活動に率先して取り組んでいるため、国民の敬愛を一身に集めているとのこと。日本で皇室LOVEの思想を明け透けにすれば下手をすると右翼扱いされかねないが、こちらではぐっと身近な存在である。タイは日本を除いては事実上アジアで唯一、欧米諸国の植民地化を免れた国でもあり、これも当時の国王が国際情勢に精通しており、巧みな外交手腕を発揮したため。このような実績が伴ってこそ、愛される存在なのである(とはいえ一部には王制に対する批判もあるし、「不敬罪」というある意味前時代的な法律でそれらを押さえつけているという一面もあるが)。現在の王朝であるチャクリー王朝(ラッタナコーシン王朝とも)の起源は1782年なので、今日で約230年。2600年以上の歴史を擁する、現存する世界最古の王朝である日本の天皇家と比べればままごとのようなレベルではあるものの、日本人にとっては馴染みやすい。長きに亘って独立を維持していただけあって、街を歩いていてもやはり過去植民地化された国々にはない、独特で深遠な空気を感じ取ることが出来た。

今日最後の目的地であるプラ・プームへは、BTSの高架の真下を通る歩道橋を使って移動。ラーマ1世通りとラーチャダムリ通り(Ratchadamri Road)との交差点の南東、ビルに囲まれた角にそれはある。ヒンドゥー教の神・ブラフマー(梵天)を祀る祠で、なんでもタイで最も霊験あらたかな、願掛けの聖地のような場所。今風の言い方ではパワースポットというやつである。

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《歩道橋の上からプラ・プームの敷地を見下ろす》

地上に降りて敷地内へ向かうと、祠の周りには黄色い花輪とお香・ろうそくの「お供えセット」を売る出店が並んでおり、私も「買ってってよ!」なんて声を掛けられてしまう。悪いけど私は神様なんて一切信じないのだが、一応信心のあるフリをして見て回ることに。さすがタイ一のパワースポット、参拝者は老若男女満遍なく揃い、膝をついて熱心にお祈りをしている。

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《プラ・プーム》

ヒンドゥー教で神の使いとして崇められるゾウの像。そしてまたタイを象徴する動物でもある。パオ~ン!!

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奥の建物にはタイの伝統舞踊の女性ダンサーが常時待機し、見事願いが成就した人のお礼として、生演奏つきで奉納の踊りが行われる。10分もいれば必ず見られるほど頻繁に踊っており、すぐ横のベンチには衣装をつけたまま「非番」の彼女たちがおしゃべり。もちろん有料ではあるが(見る方は無料)、金額に応じてきっちり人数が変わるのはなかなかシビアである。私が偶々見た時は最大の8人フル稼働だったが、やはり大願成就すると財布の紐も緩くなるのだろうか。

プラ・プーム前からおまけの一コマ、信号待ちのバイクの塊。台湾、特に台北でも凄かったが、こちらも如何にもアジア~な風景である。ちなみにバイクが塞いでいる横断歩道、青なんですが…。バンコクでは歩行者は実に虐げられている。

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今日の出来事はあと一エントリ続きます。

(2011.12.09)


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