タイ (2-1)Refreshing Morning Breeze
12月10日、土曜日。連日晴天が続くタイの乾季ではあるが、今日も雲一つない快晴だ。ちゃちゃっと着替えを済ませて朝ごはん――なのだが、その前に体温計を腋にはさんで… うん、36度台。プロローグで「爆弾を抱えながらの旅」と書いたが、いつ扁桃炎が再発してもおかしくないので、今回の旅では毎食後の服薬はもちろん、毎朝体温を測るのが日課となった。クレジットカード付帯の海外旅行保険もあるので、いざとなれば現地の病院に駆け込むことも出来る。
エレベーターで朝食会場である「Mフロア」へ。さすがに広々としており、オープンエアのプールサイドの席を選んで腰掛ける。バイキングのメニューはなかなか豊富で、まずはオムレツ(その場で焼いてくれる)と中華粥を。昨日の朝、空港からホテルへの道のりで体感したように、早朝でも涼しいというほどではないのだが、この席ではプールの水面を渡ってくる風がひんやりと心地よい。
ここのホールスタッフは非常にまめまめしく、皿が空いたと思うとすぐに下げにきて、コーヒーカップも空になればこれまたすぐに注ぎ足しにくる。コーヒーの方は冷めないようにあえてポットに入れたままにしているので、ある意味ありがた迷惑ではあるが…。そして皿の方もちゃんとフォークとナイフを「ハの字」にしておかないと、他の食べ物に手を付けている間に下げられてしまう。もちろんテーブルマナーという形で知識としては修得しているのだが、こんなに頻繁に運用されるシチュエーションは初めてである。
何度か料理と自席との間を往復し(選んでいる間、お皿をお盆に載せて持ってくれるスタッフがいるのも驚き)、ふとプールサイドをハトが何匹かうろついているのが目に入る。宿泊客のおこぼれにでもあずかっているのかな?と思いきや、フロアの片隅に彼らのエサがちゃんと用意されていた。こういった客への直接のサービスではない部分への“心づかい”というのが、一流の証なのかもしれない。
1時間掛けて優雅に朝食を摂り、一旦部屋に戻って支度を済ませる。毎朝新聞のサービスがあり、日本人にはしっかり日本語の新聞(読売新聞・国際版)が配られる。ちょっとタイの在留邦人になった気分でサッと目を通す。
9時過ぎ、ホテルを出発。この時間から排気ガスの渦巻く外界は、ホテルの中とはまるで別の世界だ。さて、今日はバンコク最大の観光エリアである王宮地区をぶらぶらする予定である。このエリアには鉄道は通じていないのだが、バスやタクシーの他に、チャオプラヤー川を走る水上バス、通称『エクスプレス・ボート』を使ってアクセスすることが出来る。サパーン・タクシン駅と直結した乗り場があり、BTSと乗り継いでの利用も便利だが、ルブアからだとひとつ北の「オーリエンテン(Oriental)」船着場が最も近い。
歩いて5分もかからず、船着場の名称の由来になっている『マンダリン・オリエンタル・バンコク』前へ。バンコクのみならず東南アジアを代表する超一流の名門ホテルではあるが、外観については香港のペニンシュラやシンガポールのラッフルズのようなコロニアルスタイルではなく、普通のシティホテルのようで、見た目のインパクトは薄い。そしてこのホテルの周りには趣のある建物が色々とあり、船に乗る前の朝の散歩が楽しかったりする。
マンダリン・オリエンタルの南側に建っているアサンプション大聖堂。隣接して付属の学校があり、大聖堂の中に入ってみるといかにもハイクラスといった感じの、育ちの良さそうな生徒達が掃除を行っていた。過去にはローマ教皇も訪れたことがあるとか。
《アサンプション大聖堂》
学校の運動場は街中だけあって狭いが、全面を覆う屋根が付いている。昨日マハーチャイ線の車窓から見た学校の運動場にもこの屋根が付いていて、お金かけてるな~なんて感心していたのだが、考えてみればバンコクでは一年の半分以上が雨季か暑季。屋根でもなければ外で運動なんかやってられないわけである。
少しうろついた後、エクスプレスボートに乗って王宮地区を目指す。
(2011.12.10)
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