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2012年3月の8件の記事

2012.03.28

タイ (4-2)放浪者たち

前のバスのお尻を追っかけながら、白々と夜の明け始めたパッタルンの街を出発。タイ国内はただ鉄道で駆け抜けるのみの筈だったのだが、まさかこうしてバスの車窓から地方都市の街並みを眺めていようとは。すぐに中心部は抜け、バスはタイの半島部を南北に縦断する幹線道路へと入る。車の流れが非常に速いので高速道路と呼ぶべきなのだろうが、道路に面した人家や施設、そしてジャンクション等を介さずに枝分かれする道路が幾つもあるので、実際には高規格道路である。やはり路面はしっとりと濡れており、窓を雨粒が斜めに飛ぶ場面もあった。

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《ハイウェイ?を走行中》

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2012.03.24

タイ (4-1)目覚めれば…

日付が変わり、断続的ながらも眠りに就く。途中、停車のショックで目が覚め、ホームでは真夜中にも拘らずかなりの音量で案内放送がかかってはいたが、遮音がしっかりしているので車内にはほとんど響いてこない。そして通過駅でも「ぽっぽや」が当方の列車を見送ってくれるのは、昼間でも丑三つ時でも同じ。鉄道の運行が数多くの人々によって支えられているというごく当たり前の事が、省力化の進んだ先進国の鉄道では実感が薄くなってしまった。保線状態の差か、南下するにつれて振動が激しくなったのは、気のせいだろうか。

夜行列車にしてはそれなりに満足に眠れ、何処かの停車駅にて二、三度目かの“覚醒”。まだ夜は明けていないのだが、やけに車内が騒がしい。夜行列車には防犯のために鉄道警察官が同乗しているそうで、昼間にも無線での交信を耳にしていたのだが、この時間からガーガーピーピーとやっている。これは徒事ではないな…とカーテンを開けて通路を覗き込むと、なんと乗客がみな降りる支度をしているではないか。茫然とする私に通路にいた乗務員が、クルマのハンドルを動かすジェスチャーをしてくれる。一言も言葉を交わしてはいないが、何らかの原因で列車の運転が抑止され、バスでの代行を実施するのだろうということはすぐに理解できた。突然のアクシデントで車内はバタバタしているが、私はとりあえずトイレへ。垂れ流し式なので本来は駅での停車中に使用してはいけないのだが、この非常事態なので仕方がない。トイレの前には短い列まで出来るほどで、後に列車が去った後にはかなりの量の「落とし物」が残されることにはなるが…。

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2012.03.20

タイ (3-8)国際特急列車の車窓から・Part3

ラッチャブリーを出発し、南へ向けてひた走る列車。時刻は午後5時をまわり、刻一刻と暮色が濃くなっていく。車窓には初めて目にする東南アジアの田園風景。ふと、日本のそれとの違いは何だろう?と考えてみたのだが、まず一つはポツポツとあまねく人家が点在する日本とは異なり、人口密度を反映するように地平線の彼方まで農地だけが広がるという風景が多いこと。もう一つは定規で引いたようにきっちりと区画が整理された日本の農地に対し、こちらでは結構うねうねとアバウトにレイアウトされていることである。そして熱帯のタイでは二期作・二毛作、更には三期作・三毛作が当たり前。明確に四季が存在する日本と比べれば、田園風景に季節の移ろいを見出すのはやはり難しそうだ。

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《車窓からの田園風景。所々にひょろひょろと立つ木はココナッツ》

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2012.03.16

タイ (3-7)国際特急列車の車窓から・Part2

次の停車駅はナコーン・パトム。デジカメ写真のタイムスタンプによるとサラヤ駅の手前あたりではあるが、まだバンコク都内を離れるか離れないかのうちに、早くも大洪水の痕跡を目の当たりにすることとなった。最初は溜め池か何かだと思っていたのだが、その真ん中から木が生えていたり、電話ボックスが半分水に浸かっていたりと、最早疑う余地がないほど明白。線路敷すれすれまで水が迫っていた箇所もあり、南本線は洪水発生期間中もほぼ完全に平常運転を維持していたとはいえ、結構ギリギリの状況でもってどうにか凌ぎ切ったようである。

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2012.03.12

タイ (3-6)国際特急列車の車窓から・Part1

というわけでいよいよ出発。タイ国鉄の路線は北本線・南本線・東北本線・東本線の四大幹線を軸にしており、いずれもバンコクが起終点となっているが、フアラムポーン駅出発直後は4路線ともひとまず北ヘ向けて針路を取る。

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2012.03.09

兵庫の5駅、普通列車も通過… それがどうかしましたか?

ここは旅行記ブログですが、たまには気分転換にいつもと毛色を変えた記事を書きたくなります。さて、マスコミのダイジな仕事に「火のないところに煙を立てる」というのがありますが、今回はそんなお話。

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2012.03.07

タイ (3-5)2,000kmの旅のはじまり~フアラムポーン駅にて

さて、ここまでバンコク滞在中の出来事を長々と書き綴ってきたが、ようやく今回の旅の本題であるマレー半島縦断のスタート地点、フアラムポーン(Hua Lamphong)駅に立つことになった。ここは12本の発着線を持つタイ国内最大、そして東南アジア最大の鉄道駅。一部のローカル列車を除いてバンコクを発着する列車は全てこの駅を始発・終着としており、東京駅と上野駅と新宿駅の機能を全て併せ持つような首都の中央駅である。

駅舎内へ入る前に、外観の写真を撮ろうと駅前広場に出てみた。100年前の1910年に造られた駅舎が今でも大切に使われている。

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《フアラムポーン駅・正面外観》

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2012.03.04

タイ (3-4)バンコクメトロ(MRT)に乗ってみる

予定通り13時にチェックアウト。シャワーや停電の件はあったものの、流石に五つ星ホテルで接客は素晴らしく、とても快適なステイだった。

さて、これからフアラムポーン駅へ向かうのだが、ルブアからは大通りを真北へ2kmほど。道路交通事情の劣悪なバンコクとはいえ、日曜日の真昼間では渋滞の影響もないだろうから、タクシーなら10分も見ておけば良さそう。もう一つはBTSとバンコクメトロを乗り継いでいく方法があり、こちらのルートでは大回りになるのでサパーン・タクシン駅までの徒歩込みで40~50分位掛かるだろうか。効率を考えればもちろんタクシーになるのだが、列車の発車時刻までにはたっぷり時間もあるし、今回の旅では未だ一度もメトロを利用していないので、試乗も兼ねて鉄道ルートを選択することにした。

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