マレーシア (2-6)クアラルンプール駅にて
KLセントラルの北隣にあるクアラルンプール駅。2001年にKLセントラル駅が開業するまで、クアラルンプールの中央駅の役割を担っていた。似通った名前の駅が並存しているので混乱を招きそうだが、日本で例えるならば鹿児島中央駅と鹿児島駅のような関係である(但しクアラルンプール駅の方が都心部に近い)。中央駅の役割を譲った現在でも、KLからイポー方面へ向かう優等列車はすべてこの駅に停車している(私も前述したように一度通過している)。
ホテルにチェックインした直後からシャワーが降り始めていたが、通り雨かと思いきや遅い昼食を取っている間も止むことはなく、むしろ一層激しさを増してきていた。3面4線のホームを覆う大屋根に叩きつける雨音が構内じゅうに響き渡っている。
この駅にやって来た目的というのは、街のランドマークのひとつであるイスラム建築の壮麗な駅舎を一目見ようと思っていたからなのだが、この大雨では外に出られるかどうか。それにしてもこの駅のホーム、照明がまったく点いていないので地下ホームのKLセントラル駅以上に暗い。きっと鳥目の人はまともに歩けまい。上の写真も暗部をトーンカーブでかなり持ち上げてやっとこの明るさである。
跨線橋を渡って駅舎側のホームに移ると、ちょうどインターシティの客車列車が停車中だった。はて、こんな時刻に発着する列車なんてあったかな?と手元の時刻表をチェックしてみると、どうやらKLセントラル14時56分発のバターワース行き「EKSPRES RAKYAT」2列車のようだ。で、今の時刻は17時09分。おいおい、2時間遅れかよ。
《2時間遅れのインターシティ》
駅舎内を散策する前に、構内にある『ヘリテイジ・ステーション・ホテル』を見に行くことに。マレー鉄道の旅を極めるにはうってつけのホテルだったのだが、残念ながら老朽化が進んだせいか、昨年の2010年をもって営業終了となっていた。現在はル メリディアンとヒルトンがステーションホテルとしての機能を引き継いでいる、ということになるだろうか。弊ブログから(勝手に)リンクさせていただいている旅行記サイト、『鉄分多め。』の管理者様が宿泊された際のレポートがあるので、興味のある方は参照していただきたい。→http://ironized.halfmoon.jp/0501b/2/index.html
《かつての『ヘリテイジ・ステーション・ホテル』の入り口前》
上の写真とは逆方向のアングルで。さすがに築100年の歴史的建造物だけあり、趣深い感じである。
駅舎内の一角にはマレー鉄道の歴史を伝えるミニ博物館が併設されている(入場無料)。展示物は過去の車両の模型や業務用の機器、保線に用いる工具、写真や図面等の史料など。しんと静まり返っているが、時折鉄道にさして興味の無さそうな人もポツポツ見学に訪れていた。
こちらはETSのチケットオフィス。ETSはイポー~KL~スレンバンのスルー運転なので、この駅からも全ての列車が利用可能。「従来のIntercityのような、ノロい・遅れる・サービス悪いという常識は捨て去ってください!」という強い意気込みがひしひしと伝わってくる。そう遠くない時期にバターワース発着列車も新型電車に置き換えられ、速達性と定時性を売り物にした近代的な幹線鉄道として生まれ変わるのだろう。
依然として豪雨がざんざか降り注いでいるが、駅正面に建っているマレー鉄道事務局ビル(旧・鉄道省庁舎)を写真に収めるため、一瞬だけ外へ。都心部にはこのようなイギリス統治時代の重厚な建造物が数多く残っており、私も後日一通り見て回ることになる。
《マレー鉄道事務局ビル》
本当は駅舎の外観を眺めたいのだが、天候に回復の兆しが一向にみられないため、今日のところは引き上げてまた明日か明後日、市内観光と絡めて再訪することにした。とりあえず跨線橋からどうにか撮影した、駅舎の一部分をどうぞ。
KomuterでKLセントラル駅へ戻る。まだ午後6時前だがこの雨なので街に出る気分にはなれず、今日のところは休養日と割り切ることにし、駅構内に見つけたチキンライス(海南鶏飯)屋さんで早めの夕食。過去二度訪れた香港で親の敵のように味わった大好物であるが、本来はここマレー半島が本場である。ドリンク・デザート付きのセットメニューでRM16.65(約420円)。鶏の調理方法がスタンダードなスチームに加えてローストも選べたため、こちらにしてみた。日本じゃこの値段ではハンバーガーのセットさえも食べられないのだから、帰国後の金銭感覚の修正には難儀しそうである。
食後、駅舎内のセブンイレブンで買い物。この駅の施設の充実ぶりは、ホテルと駅の往復だけで長期滞在が出来そうなほどである。バンコクと同じように「COOL RHINO」とラベルに書かれた珍しそうな飲み物を、カクテルだと思い込んで購入したのだが、部屋に帰って飲んでみるとただの水。どうやら体の熱を冷ます成分が入っているらしいのだが。考えてみればマレーシアはイスラム国家なので、トルコと同様に世俗的なソフト路線を取っているとはいえ、されどあまり大っぴらにアルコールを売り出すわけにはいかないのだろう。そういえば滞在しているル メリディアンのミニバーも、アルコール類は目玉が飛び出すほどに高かった。
《すっかり騙された「COOL RHINO」》
昨日今日と丸二日、ほぼ移動のみに費やしてしまったが、明日あさっての二日間は再び観光メインの日程となっている。未だに扁桃炎のせいで咳が止まらないのだが、旅も折り返し地点を過ぎ、ここまで来たならば最後まで病院のお世話になることなく持ってもらいたいものだ。
今日の歩数カウント:9,846歩
(2011.12.13)
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