シンガポール (2-2)セントーサ島へ上陸
地下駅のMRTハーバーフロント駅から案内サインに従ってショッピングセンター内のエスカレーターをずんずん上っていき、モノレール『セントーサ・エクスプレス』のセントーサ・ステーションへ。モノレールの運賃は3ドル(190円)で、全線一日乗り放題。この中にセントーサ島の入島料が含まれている(右の画像がモノレールのチケット)。実は改札でのチケットのチェックがあるのはセントーサ・ステーションでの乗車時のみで、3つある島内の駅相互間の利用および、セントーサ・ステーションに帰ってくる時はフリーパス。島内を走るバスやトラムの運賃も無料となっており、一旦島外へ出てモノレールで再入島するのでなければ、セントーサ・ステーションの改札を抜けた時点でチケットは用済みとなるようだ。
《セントーサ・エクスプレス セントーサ・ステーション》
モノレールの車両は2両編成。電車到着前から乗車口の前には人が群がっていたが、扉が開くや否や車内は立錐の余地も無い満員状態に。どうにか一人分のスペースを目ざとく見つけ、後ろ向きで扉前に体をねじ込む。ローカルな話で申し訳ないが、平日朝ピーク時の阪急宝塚線梅田行き急行が豊中を発車した時点の乗車率、といったところだ。東京ほど過酷ではないとはいえ、ラッシュに揉まれ慣れてるニッポンの都会人ナメんなよ!
《セントーサ・ステーション プラットホームにて》
ドアのガラスとディープキスを強要されそうな体勢でセントーサ・ステーションを出発。ホームは単線だが駅構内を抜けると複線になり、すぐにシンガポール島からセントーサ島へ渡る橋へと差し掛かる。セントーサ島内には『ユニバーサル・スタジオ・シンガポール』があるのだが、車窓遠くにはUSJのある大阪湾岸と同じような「キリンさん」の林立する臨港地帯の風景が広がっている。
上陸して最初の駅がそのUSSの最寄りであるウォーターフロント・ステーション。ここで一気に大量下車があり、車内を見通せるようになるまで空いてしまう。
《セントーサ・エクスプレス 車内のようす》
インビア・ステーションを経て、終点のビーチ・ステーションに到着。ここまで僅か6分ほどの短い旅である。
《(上2枚)ビーチ・ステーションにて》
さて、この辺で「やりたいこと」の中身について明かしておくと、このセントーサ島にはユーラシア大陸最南端のポイントが存在するのである。といってもマレー半島とは築堤道路と橋とで繋がっているとはいえ、シンガポールもセントーサも島なので厳密には大陸の最南端ではなく、天然の陸地の端っこなのはマレーシア領の「タンジョンピアイ」という場所。しかしながらタンジョンピアイへは公共交通機関でのアクセス方法は無く、シンガポールから往復するのは今回の旅程では時間・手間の両面から断念せざるを得なかった。そんなわけで「お茶を濁して…」という感じにはなりそうだが、約5年前にユーラシア大陸の最西端・ポルトガルのロカ岬を訪れている私にとっては、今回の訪星のチャンスにあたって絶対に外せないポイントだったのである。
そして現在立っているこのビーチ・ステーションが、ユーラシア大陸最南端の鉄道駅。奇しくもユーラシア大陸最西端の鉄道駅であるポルトガル鉄道のカスカイス駅と同様に、リゾート地に存在する駅となっている。この最南端、モノレールではない普通の鉄道に限定すれば先ほど降り立ったMRTハーバーフロント駅となり、更にマレー半島内にまで絞ればマレー鉄道のジョホール・バル駅ではあるが、まぁ所詮はお遊びだし、マイペンライ精神であまり細かく考えるのはよしておこう。
《ビーチ・ステーション コンコース》
そのお目当ての最南端へは、ビーチ・ステーションで「パラワン・タンジョン・ビーチ・トラム」に乗り換えてのアクセスとなる。観光地でよく見掛ける複数連結の遊覧車(日本では「パークトレイン」と呼ぶのが一番通りが良いようです。→Google画像検索の結果)だが、なにせリゾートアイランドなので他の乗客は必ず2人連れ以上。一人旅の自分にとっては場違い感が半端ない。
♪負けないで ほらそこに ゴールは近づいてる~
《往きのパラワン・タンジョン・ビーチ・トラム車内から》
このユーラシア大陸最南端、緯度に基づいた真の最南端のほかに、もう一つ“政府公認”の最南端ポイントというものがあるのだが、まずは政府公認のものを通り過ぎて南へ南へ向かってみることにした。
ハイテンションな自動案内放送に逆に萎縮させられながら、曇天の下でやや沈んだビーチの風景が続く海岸線をゴトゴトと進んでいく。5つ目となる終点の停留所でトラムを下車。ここからは徒歩で最南端を目指す。
(2011.12.17)
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