14/03/07 (1)WILLERバスターミナル大阪梅田から出発
今月14日で開館3周年を迎える、『リニア・鉄道館』を見に行ってきました。
名古屋にあるので大阪からだとチョットだけ遠出になるのですが、使い慣れた新幹線や近鉄特急・名神ハイウェイバスのほかに何か変わった交通手段は無いかな?と探ってみたところ、WILLERが昼行の高速バスを走らせているようなので、これを利用することにしました。
バスが7時20分発なので、5時起床・6時自宅出発の早朝スタート。
阪急梅田駅の茶屋町口から西へ出てグランフロントの間を進み、梅田貨物駅跡をくぐる地下トンネルを抜けると、『WILLERバスターミナル大阪梅田』のある梅田スカイビルです。阪急宝塚線・神戸線ならば中津駅も利用できますが、急行が止まらないので梅田駅からの徒歩を選びました。
《WILLERバスターミナル大阪梅田・外観》
法改正に伴い、2013年8月より現行の路線バスの形態をとっているWILLERの高速バス(愛称は『WILLER EXPRESS』)ですが、それに先立つこと2年の2011年4月、大阪にこのような自社専用のバスターミナルが開設されています。
《(上2枚)WILLERバスターミナル大阪梅田・内部》
自販機やコインロッカー、大阪のおみやげを販売するコーナーなどのほかに、コンセントコーナーや無料インターネットスペース、パウダールーム・更衣室といった設備が。発着路線はどちらかといえば夜行便がメインとなるため、とりわけ女性客のニーズに対応したサービスが充実している印象です。こういうのはまだまだ鉄道陣営が弱い分野ですからね。
下の写真は発着案内。本数だけをみれば何処かの地方空港にいるようです。中・長距離便に交じって「京都」の行き先が異彩を放っていますが、これは梅田を経由して大阪南港のフェリーターミナルと京都駅とを結ぶ路線とのこと。梅田~京都間の利用も可能ですが、電車ならば30~40分のところをバスだと1時間20分かかります(運賃500円)。
発車10分前に“出発ゲート”へ集合し、係員の誘導で少し離れたバスの発着場まで歩いていきます。なんだか搭乗ゲートから駐機スポットまで徒歩で向かうLCCみたいですね。
ところでこのWILLER EXPRESS、今回乗車する4列シート車の場合は事前に席番はおろか窓側/通路側といった席種の指定もできず、WILLER側で勝手に振り分けられてしまいます。グループではない異性が隣同士にならないようにするという原則があり、早い段階で一方の性別が窓側あるいは通路側に偏ってしまうと、空席があってももう一方の性別を断わざるを得ない、という、営業上の理由からでしょう。私も乗車当日、バスターミナルのインフォメーションカウンター前に掲示されている座席表で初めて自分の席番を知ることになりました。カタカナのフルネームで名前が書かれており(2人以上のグループの場合は代表者名)、こんな感じの座席表を目にするのは修学旅行の時以来です(笑)。
バスの乗車口で乗車受付。予約確認のメールあるいは予約番号が必要とのことでしたが、名前を告げただけで終わりでした。受付時に席番が案内されますが、上述のとおり私は既に確認済みです。
バスに乗り込む前に車両を撮影しました。白と淡いピンクのツートンという清楚なカラーリングは、すっかりWILLER EXPRESSのCIとして定着しましたね。後方右に写っているのは『WILLER EXPRESS CAFE』です(乗車案内メールの提示で割引特典あり)。
今回乗車するのはT707便。大阪梅田発7時20分、名古屋駅則武1丁目バス停10時20分着、というスケジュールになっています。車内にトイレが設置されていないため、一度サービスエリアでの休憩をはさみますが、途中のバス停での乗降はないノンストップです。運賃はキャンペーン価格で1,500円と、近鉄の株主優待券を金券ショップで購入(1,000円台前半が相場)という方法を除けば、大阪~名古屋間の移動手段としては最安でしょう。
ちなみに難波のOCAT発着の路線があり、こちらも梅田発着での利用が可能。難波発着だと所要時間は3時間35分なので、これならば素直に近鉄のアーバンライナーを使う方が良いのでは?という気がしますが……。
座席表によると、この便の乗車率は50%を若干切る程度。私のような一人客は全員、隣は空席となっています。シートピッチは87cmと決して広いとはいえないため、リクライニングに干渉しないように一人客は窓側と通路側を交互に配置する、という配慮がなされていました。
で、私は通路側だったのですが、やっぱり車窓が見たいので、WILLERの配慮もそっちのけで勝手に窓側へ移動しました。座席幅は窓側が47.5cmに対して通路側は51cmと大きな差があり、人気が集中しがちな窓側に対してハード面でのプレミアを設けることにより、事前座席指定が不可能という制約に起因する不公平感の解消をねらったものでしょう。
乗客の姿が写ってしまうので車内の写真は撮影していませんが、WILLERの公式サイトに座席の紹介ページがあるのでそちらをご覧いただくことにして(→こちらのリンクから)。WILLERオリジナル設計の座席かと思ったのですが、「楽座シート」というタイプである程度規格化されており、レガシーなバス会社での採用も多いようです。従来のシートよりも座席幅が広いほかに、ヘッドレストが付いているのと座席間の肘掛が大きいのが特徴とのこと。布張りのフットレストもありますが、これは省いて座席下の空間を空けたほうが、足が伸ばせて嬉しいかな。あと、セルフサービスでブランケットも用意されていました。
《座席背面》
この車両に使われているのはその楽座シートのカスタムタイプですが、WILLER EXPRESSでは「シアター」という名称が付けられており、そのシアターたる所以が各席に設けられた液晶モニター。地デジ放送が3チャンネル受信できるほか、映画・音楽・ゲーム・オーディオブックといったコンテンツが用意されています。モニターはタッチパネル式になっていますが、ゲーム用のコントローラでの操作も可能。オールドゲーマーならばボタンが3つというところでピンと来るかと思いますが…… はい、その通り。メガドライブのゲームがプレイできます。
《パーソナルモニタとゲーム用のコントローラ》
近年、国際線の航空機ではこのようなパーソナルモニタはエコノミークラスでも標準装備となり、しかもそのサイズも年々巨大化していく傾向にありますが、それらと比較するとシアターシートのものは一昔前の大きさでしょうか。
バスターミナルの様子と座席の検分だけで文章量が多くなってしまったので、続きは次回にて。
(2014.03.07)
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