「会いにいける古墳」たち。馬見丘陵公園(奈良県)を散策・その2
ナガレ山古墳から少し戻って。公園館のすぐそばに位置しているのが「別所下古墳」です。旧称は「雨山古墳」といい、4世紀後半に築造された直径60m・高さ6mの大型円墳とのことです。いきなりここが立ち入れない古墳のひとつなのですが、周囲から眺めたところで教えてもらわなければこんもりとした林にしか見えません。そういえば10年ほど前に近所でNTTドコモの基地局の建設工事が行われた際に、不手際(無届け工事)によって古墳が破壊されてしまうという新聞記事にもなった“事件”がありましたが、古墳自体は畿内ではごくありふれた存在だったりするわけで、有力者の大規模なものは別として、パッと見ただけではその辺の雑木林と区別はつかなかったりします。
*以下、古墳の説明は馬見丘陵公園館発行のリーフレット、『馬見丘陵公園の古墳』より引用します。
▲別所下古墳。ただの林です
再び南方向へ進みます。
4車線道路を跨道橋で渡り、中央エリアから南エリアへ。入ってすぐの所には「タダオシ古墳」という、5世紀後半築造の全長52~56mの前方後円墳があります。
▲タダオシ古墳
南エリアのほぼ全域は河合町の隣町である広陵町に属しているのですが、ちょっと寄り道して南エリアに隣接した「竹取公園」を訪れてみます。
広陵町は日本最古の物語といわれる『竹取物語(かぐや姫)』の舞台とされている町らしく、この公園もそれにちなんだもの。とはいえ他にも、京都府京田辺市や岡山県倉敷市など多数の自治体が、「我こそは竹取物語の舞台の町」と名乗りを上げているらしいのですが。まあ、竹取物語は史実ではなくあくまで創作なわけですし、町おこしのネタとしては面白いものの、ホントのところは別に何処だっていいですけど(笑)。
▲(2枚)竹取公園にて
南エリアへ戻り、「三吉(みつよし)2号古墳」へ。全長89.8mの帆立貝式古墳で、ここは緩やかな丘の頂上まで登れるようになっています。
▲三吉2号古墳・全景
▲三吉2号古墳・頂上部
馬見丘陵公園で見られる最大の古墳が、国指定の特別史跡となっている「巣山古墳」。厳密には公園の敷地外となりますが、4世紀の終わり頃に築かれたと推測されている、長さ220mの前方後円墳です。
▲巣山古墳
周囲は水濠で囲まれています。
行きとは別の道を使って中央エリアへ戻りますが、その途中にあるのが「狐塚(きつねづか)古墳」。5世紀前半に築造された全長86mの帆立貝式古墳なのですが――。 哀れ、中央エリアと南エリアを隔てる4車線道路によって真っ二つにぶった切られてしまっています。しかも墳丘の上が歩行者通路にされていますし。ま、かくいう私もこの通路で中央エリアへと戻ったわけですが。
▲狐塚古墳(南エリア側から)
▲狐塚古墳(中央エリア側から)
キリがいいので続きはエントリーを改めて。
馬見丘陵公園 公式ホームページ
http://www.pref.nara.jp/1780.htm
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