菊水山駅跡を経由して立ヶ畑ダム(烏原貯水池)へ
石井ダムを背に、烏原川に沿って山を下っていきます。
間もなく右手に見えてくるのが、神戸電鉄旧線のトンネル。ここから菊水山トンネル鈴蘭台側坑口までのほとんどの区間はダム建設に伴って土の下に埋まってしまいましたが、ここだけは廃線当時の状態のままで残っています。新線へと切り替えられたのは1995(平成7)年。もちろん私もこの旧線区間を走る電車に何度も乗車しました。
▲旧線トンネルのポータル
新線の橋梁と交差します。この山深さからは想像し難いですが、朝ラッシュ時には平均3分間隔という地下鉄並みのペースで電車が山を駆け下りていきます。
すぐに六甲全山縦走路と合流。立ヶ畑ダムの別名である「烏原貯水池」の地名が標識に記載されています。
ここから2分ばかり歩いたところにあるのが…
2005(平成17)年に営業休止となった菊水山駅です。各駅停車でさえほとんどの便が通過してしまい、停車する列車もドアを開けている時間は2~3秒。休日にはハイキング客が少なからず乗り降りしていたようですが、私は結局この駅で乗降する人を一度たりとも見たことがありませんでした。鈴蘭台駅から石井ダムまでは徒歩で30分以上掛かるのに対し、菊水山駅からはせいぜい数分の近さ。駅施設の除草を行えば今すぐにも復活できそうな感じだったので、石井ダムの最寄り駅として再活用できないものか、と、淡い期待を寄せています。
ここから更に数分歩いていくと、神戸市建設局の下水処理施設、「鈴蘭台処理場」があります。ハイカーのために施設内のトイレが開放されており(ただし門からはちょっと遠い)、私もありがたく使わせて頂きました。蛇足ながら、この処理場のすぐ南側の地下を山陽新幹線の神戸トンネルが通過しています。
山麓バイパスをくぐり、一車線の林間の坂道を南へ南へ。
やがて烏原貯水池を一周する回遊路の入口に到着します。
▲烏原貯水池の案内板
北岸ルートにするか、それとも南岸ルートにするか。一瞬迷いましたが、案内板を見たところ、より鬱蒼としていそうな北岸ルートを選択しました。
歴史の古い貯水池なので、周囲の自然にすっかり溶け込んで天然の池のような佇まい。市街地のすぐそばということで、回遊路は近隣住民のジョギングコースとしても使われていました。
12月上旬に取材を行ったため、コース上にはまだまだ紅葉が残っていました。
というわけで、ダム堤体の方は最終回に持ち越します。
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