« 「会いにいける古墳」たち。馬見丘陵公園(奈良県)を散策・その3 | トップページ | 平成生まれのおもてなしダム。石井ダム瞥見 »

2014.05.14

鈴蘭台駅から神戸電鉄廃線跡を辿って石井ダムへ

 今回は、神戸市にある2ヶ所のダムを訪問するハイキングのお話です。



 コースのスタート地点は神戸電鉄の鈴蘭台駅なので、阪急宝塚線→今津(北)線→神戸線特急と乗り継ぎ、新開地駅から志染(しじみ)行きの急行電車に乗車します。
 鈴蘭台からは粟生線に入る系統ですが、この粟生線、自家用車や近年台頭してきた高速道路経由の路線バスとの熾烈な競合が原因で、準大手私鉄である神戸電鉄の二大幹線の一翼を担いながらも、三木・小野市内の区間が存廃の危機に直面しています。県と沿線自治体による路線維持へ向けての協議会が立ち上げられ、神戸電鉄も末端区間の増発や停車駅の少ない優等列車を設定するなどの取り組みを行ってはきましたが、肝心の住民が支援には消極的、あるいは無関心なため、奮闘はすれども焼け石に水。最大50パーミルの急勾配区間に対応した特殊な車両のメンテナンスコストを運賃に転嫁せざるを得ないことも、利用客の減少に歯止めがかからない一因となっています。今後は神戸電鉄による単独運営から、三セク化もしくは上下分離による施設・線路の自治体保有、というスキームに転換することになるでしょう。
【訂正】
 神戸電鉄は2005年頃以降は中小私鉄に分類されているとのことです。相模鉄道のように準大手私鉄から大手私鉄へ昇格したという例は知っていましたが、逆に降格というケースもあるんですね。

 というわけで、長田・丸山・鵯越にも停まる普通よりも3分短い11分で鈴蘭台到着。父親の実家がこの辺りにあるので、幼い頃から神戸電鉄は幾度となく利用してきました。そんなわけで私にとっては阪急電車に次いで親しみ深い鉄道会社だったりします。


Dam_hike_201405_101
▲コースのスタート地点の神戸電鉄鈴蘭台駅


 鈴蘭台駅から、有馬線の本線に車両基地への入出庫線である単線を加えた複単線(三線)の東側を、新開地方面へ向けて戻っていきます。


Dam_hike_201405_102


 その鈴蘭台車両基地の脇を抜けていきます。会社の規模のわりには車両のバリエーションが豊富な神戸電鉄。阪急阪神HDが親会社なだけあって、5000系や6000系といった新系列の車両は阪急電車に比肩する豪華な内装を誇っています。その分、古参の車両との設備格差が際立つのもまた事実ではありますが…。


Dam_hike_201405_103

Dam_hike_201405_104


 鈴蘭台車両基地を通過すると住宅街は尽き、神鉄の線路と烏原川(からすはらがわ)に沿って狭まった谷間を進んでいきます。通勤型電車が昼間でも上下それぞれ平均7.5分間隔という高頻度で通過するさまが、この山間の風景とはあまりにもミスマッチ。比較的メジャーなハイキングコースのようで、石井ダム方面から戻ってくるハイカーと何度もすれ違いました。

 しばらく進んでいくと道路は上り坂となり、これから訪れる石井ダムの建設に伴って新規に掘削された、神戸電鉄の「菊水山トンネル」のポータルの上を乗り越えていきます。


Dam_hike_201405_105


 ここから先は神戸電鉄の線路の旧線が通っていた区間となります。
 菊水山トンネルのポータルを越えると、すぐに公園として整備されている石井ダムの北エントランスへ。この場所からは弧を描く旧線の跡が一目瞭然です(下2枚の写真)。


Dam_hike_201405_106

Dam_hike_201405_107


 北エントランス奥の「多目的広場」。


Dam_hike_201405_108


 多目的広場からは、通常水位時に湖面となる位置へ向けて緩やかに下っていく道と、満水時にも使用できる高い位置に設けられた道の二手に分かれます。石井ダムは水源としてのダムではないため、過去に満水となったのは堤体完成直後の試験湛水(たんすい)の時のみです。


Dam_hike_201405_109
▲“上ルート”の橋と交差する


 “上ルート”の橋をくぐると、ダムの堤体が見えてきます。


Dam_hike_201405_110


 通常水位時のダム湖。草木がまばらな部分が満水時に水没する高さです。


Dam_hike_201405_111

Dam_hike_201405_112


 堤体を目の前に望む、湖畔の「水辺広場」まで下りてきました。


Dam_hike_201405_113


 ダムの堤体の上も公共エリアとして開放されているため、“上ルート”へ合流すべく急勾配の坂道を上っていきます。

 次回は堤体の上から。


« 「会いにいける古墳」たち。馬見丘陵公園(奈良県)を散策・その3 | トップページ | 平成生まれのおもてなしダム。石井ダム瞥見 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鈴蘭台駅から神戸電鉄廃線跡を辿って石井ダムへ:

« 「会いにいける古墳」たち。馬見丘陵公園(奈良県)を散策・その3 | トップページ | 平成生まれのおもてなしダム。石井ダム瞥見 »

スポンサーリンク

Blog内検索

無料ブログはココログ