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2014.10.27

日本最古のため池を訪ねて【大阪狭山市・狭山池】

 前のエントリーで触れたように、『南海電車まつり2014』の帰りに寄り道したかった場所があるので、千代田から難波方向へ3駅の大阪狭山市駅へ向かいます。



 大阪狭山市駅の難波方面行きホームにて。ホームに木が生えている駅っていいですよね。


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 その名の通り大阪狭山市の代表駅に位置づけられていますが、小さな駅舎が上下線それぞれに独立して構える、市の代表駅としては小ぢんまりとした駅。当駅は終日無人駅となっており、私のように車内補充券で出場する場合は、インターホンを使って遠隔操作で自動改札を一時開放してもらうことになります。つい最近までは南海電鉄全線で99ある駅(※2012年に和歌山大学前駅が開業し、現在はちょうど100駅)の全駅が有人駅だったのですが、昨年4月よりその1/3にあたる数にまで一挙に無人化を拡大し、利用者のあいだに波紋が広がっているとして関西のローカルニュースでも特集が組まれていました。近年は貴志川線の経営分離や余所者にさえ目に見える形の縮減ダイヤに南海電鉄の経営環境の厳しさが透けてみえていたのですが、当駅のように一日あたりの乗降客が1万人に迫る駅までもが無人化の対象になっているというのは、なかなかショッキングな出来事です。紀伊神谷や紀伊細川のような山深い閑散駅にも駅員が常駐しているシーンの記憶があまりにも鮮明なため、そしてそれが利用者に与える安心感は計り知れないことを知っているため、合理化には一定の理解を示すものの、せめて無人化の対象となる利用者数のボーダーラインをもっと引き下げられないものだろうか…と感じずにはいられません。それにしても、私の持つ切符のような非磁気化券の精算が必要な場合はどうするのでしょうか。恐らく精算機を遠隔操作するのだと思いますが(すみません、未確認です)。


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▲大阪狭山市駅・難波方面駅舎


 目的地へは、駅の西側から延びる通りをそのまま道なりに5分ほど歩けばOK。市役所もこの通り沿いにあります。正直、大阪狭山市にはタレントの小池徹平の出身地という以外にイメージが全くないのですが…。市名ですが、埼玉県に狭山市が存在するためにこちらの方は頭に大阪が付いています(1987年に市制施行)。南隣の河内長野市も同様に長野県長野市との重複を避けていますが、あちらは旧国名という違いが。確かに隣同士で河内が付くと紛らわしいですし、それに「かわちさやまし」より「おおさかさやまし」の方が発音し易いですね。

 というわけで、目的地である狭山池の畔に到着です。実はここ、飛鳥時代の7世紀前半に築造された、現存する日本最古のため池だそうで。わざわざこれを目的に出掛けるまではないまでも、近くを通り掛かった際には少し寄って行きたいと以前から頭の片隅に留めていたのでした。


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▲狭山池の東側入口


 今いる場所は公園と住宅およびマンションの敷地になっていますが、ここには2000年まで『さやま遊園』という南海電鉄直営の遊園地が存在しました。大阪狭山市駅もこの公園の閉園までは「狭山遊園前」駅を名乗っており、私はこちらの駅名の方が馴染みがありますね。


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 「さやまゆうえんち~」と某メロディー(※“浪速のモーツァルト”、キダ・タロー作曲)を口ずさみつつ、池を見渡せる場所へ。その歴史を紐解くと行基が登場したりもするとんでもなく古い池なのですが、現代に至るまでいくたびも改修が重ねられており、事前知識がなければ府内に1万以上を数えるため池の一つに過ぎない、と見過ごしてしまうことでしょう。近所にも昆陽池(こやいけ)という都市公園化された古い池があるのですが、そちらは狭山池完成から約100年後となる奈良時代の731年築造とのことです(ここも行基が関わっています)。


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 ちなみに一枚目の写真の中央、細長い建物が写っていますが、これは『大阪府立狭山池博物館』という施設。狭山池関連の展示物があるらしいのですが、下調べが不十分で存在に気付かず見逃してしまいました。もっとも、千代田工場でかなり体力を消耗していたため、病み上がりのカラダで見て回る気力があったかどうかは大いに疑わしい所ですが。


 池の北端にやってきました。昆陽池公園ほどの高度な整備はなされていませんが、周回散策路の一部として木造の橋が渡されるなど、公園として最低限の体裁は整えてあります。


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 来た道を戻り、今度は池の南端近くへ。本当は池をぐるりと一周したかったのですが、セコンドから白いタオルが投げ入れられてあえなく断念。


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 見学後はふたたび大阪狭山市駅へ。電車まつりの帰宅客で混雑する区間急行に揺られ、都心に戻りました。

 今回のお話は以上です。

(2014.10.25)


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