15/01/25 (1)東海道本線・草津線(尼崎→草津→貴生川)
明けまして…と切り出すにはあまりにも遅くなってしまいましたが、今年最初の更新です。昨年最後のエントリーで「外食嫌い」と書いた矢先にマクドナルドの異物混入が騒がれたり(まぁマスメディアが勝手に騒いでるだけではありますが。一昔前までは消費者と企業との間で内密に「手打ち」が行われたものですが、最近はSNSで容易に拡散してしまいますからねぇ…)、「宗教嫌い」と書いたらフランスとシリアでイスラム過激派によるテロが発生したりと、安定のデスブログっぷり…かどうかはともかくとして、2015年がまだ一月も終えないうちから世間は色々と騒々しいものです。ここは社会論評を扱う場ではないので深く掘り下げる意向はありませんが、内政にせよ国際関係にせよ、日本が“経済成長”一辺倒の陰で累々と積み上げては見て見ぬフリをしていた、長年のツケをいよいよ払わなければならない時期に来ているのかもしれません。そんな浮世の流れを横目に、弊ブログはあくまでマイペースに旅と鉄道ネタに絞って、モットーである「楽しく・詳しく・知的に」を愚直に追求していく次第でございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
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さて、新年一発目のネタは乗り鉄の原点回帰ということで、滋賀県の地方鉄道である「近江鉄道(おうみてつどう)」と「信楽高原鐵道(しがらきこうげんてつどう)」を乗り潰しに行った際の記録です。私は関西の人間ということで、関西地方の鉄道各線についてはあらかた乗り尽くしているのですが、この2社についてはどうもヒキを感じないということで随分長い間放置していたものを、今回一念発起してとうとう制覇にかかろうというものです。とはいえ一日じゅう列車に乗りっぱなしというのも流石にしんどいので、要所要所で沿線の街歩きも組み込んでみました。実は今回の乗り潰しプラン、前日の夜にふと思い立って30~40分で即席で作成したのですが、その作った本人が思わずウットリしてしまうほどの完璧かつ美しいスケジュールが組み上がったのでした。単なる数字の羅列に美を見出せるなんて、せいぜい乗り鉄と数学者くらいのものでしょう(笑)。
翌朝。最初は7時過ぎに自宅を出発するプランだったのですが、これだと草津線と信楽高原鐵道の接続駅である貴生川(きぶかわ)駅で30分の接続待ちが発生してしまうので、スムーズに乗り継げる一本前の列車に変更。その結果5時台の起床という、宵っ張りには少々ツラいスタートとなってしまいました。
尼崎7時22分発の新快速近江塩津行きで、まずは72.7km先の草津を目指します。
常時混雑している新快速ですが、日曜の早朝に12両編成ということで楽々着席。通い慣れた道なので、昨年の10月に購入したNewニンテンドー3DS(実は生涯初の携帯ゲーム機。入院中にメチャクチャ重宝しました)で『ソリティ馬』をプレイしながらの道中となりました。競馬×トランプのソリティア、という無茶なコラボのゲームですが、たった500円の落としきりにも拘らず100時間~数百時間は優に遊べるというとんでもない時間泥棒です。オススメはしておくものの、同時に警告もしておきます。下手すると生活に支障をきたしますよ、と。
高槻駅では外側線の新快速専用ホームの建設がたけなわ。供用開始後は普通・快速の発着ホームとは分離されることになるので、緩急接続の観点からすると利便性は後退することに。とはいえ、あの狭くて危険なホームを放置しておくわけにもいかないので、窮余の一策とはいえ仕方ないですね。
京都を過ぎると車内はガラガラに。
新快速が南草津停車になってからこの区間を通るのは初めてです。これに加えて今度は茨木にも新快速を停めようというのですから、快速との棲み分けという点でその施策の妥当性はどうなの?という疑問が湧いてきてしまいます。南草津にしろ茨木にしろ、新快速ブランドの高イメージを取り込みたいという思惑は理解できるのですが、現状でさえ快速との混雑率の不均衡が起こっているわけでして、ますますその傾向に拍車がかかるのではという危惧が。
72.7kmをぴったり60分、草津駅に到着です。この列車に乗務していたのは妙齢の女性の車掌さんでしたが、ユニフォームであるボーラーハットの後ろのリボンがオシャレです。昔乗ったスイス国鉄では素敵な制服に身を包んだ女性車掌が更にワンポイントとしてスイス国鉄のロゴ入りのスカーフを巻いていて、さすがヨーロッパの先進国は違う!と感心したものですが、鉄道職員の制服はダサいものと相場が決まっていた日本もようやく彼の地に追いついてきた感じですね。もっとも、働くということ自体への各種意識については中世レベルではありますが。
ホームの神戸方先端からは、天井川として知られる草津川をくぐるトンネルを望むことができます(【訂正】現在は流路変更により川の「跡」となっています)。現在使われている4本の方形トンネルのすぐ南側(写真では左側)には、明治時代にこの区間が開通した当時のものとおぼしきレンガ積みポータルの馬蹄形トンネルも残っています。
草津駅の駅名標。駅名だけを見ればなんだか温泉地に降り立ったような気分になりますが、実際は滋賀県第二の都市の中心駅(乗降客ベースでは堂々の県内JR線トップ)として非常に賑やか。『ソリティ馬』プレイ中とあって、隣駅の栗東の地名についつい反応してしまいます(JRAのトレーニングセンターの所在地として有名)。
この駅で草津線に乗り換え。
――おや? 凄い色の113系が停まっていますよ…。
5年ほど前から山陽地区で運用されている電車が続々と黄色一色に塗り替えられていったことに端を発し、「真っ黄色」のもじりでファンの間では「末期色」という蔑称が使われている単色のカラーリングですが、我々アーバンネットワーク沿線のユーザーにとっても対岸の火事ではなかったようです。単色の電車自体は103系をはじめとして国鉄時代から珍しくも何ともなかったのですが、さすがに湘南色のイメージがデフォルトの113系では首を傾げざるを得ないかと…。最初は『草』津線→緑、という安直な発想かと思ったのですが、どうも京都地区全域の共通カラーのようですね。しかし、本当に単色に切り替えたからといって有意な塗装コストの削減効果はあるのでしょうか。
色のほうはアレですが、アコモデーションについては最上級なのが救いといえるかもしれません。転換クロスシートは225系と同様の固めの座席が装備されており、最近は221系や223系でもこのタイプに換装された編成に当たることが多くなりました。
隣の2番線に、草津線の柘植(つげ)から京都へ直通する普通電車(5335M)が入線してきました。こちらは117系のオリジナルカラーで一安心。
こうして並べてみると、まさしく国鉄時代の再現ですね。左のヤツの色は別として。
草津から貴生川までは29分。各駅停車であるものの21.4kmの間に途中駅は4駅しかなく、駅間距離に限っていえば都市部の快速列車並だったりします(単線なので途中駅での行き違い待ちはありますが)。直線主体でスピードが出る区間ではありますが、保線状態の悪さに起因してか、私の中では何度乗ってもとにかく激しく揺れる、という印象が定着してしまっています。JR世代の車両ならば多少はマシなのかもしれませんが、私は113系以外の車両に当たった試しがありませんので…。まぁそこは鉄道ファンならばきっぱり割り切って、是非ともM車に乗ってひたすら唸り続けるモーターのサウンドを堪能しましょう。あと、線内を走る電車がすべてトイレつきの近郊型なのは、トイレが近くなる冬場には助かります(自宅を出てからここまでに既に3回行ってます)。
ガラガラの当列車とは対照的に、立ち客もいる草津方面行き列車と行き違いつつ進んでいきます。石部駅では客車時代のレンガ積みの低床ホームを嵩上げした様子がはっきりと確認できました。
そんなわけで9時06分、貴生川駅に到着。ここではちょっと想定外のトラブルに遭遇したのですが、その話も含めて次回へ続きます。
(2015.01.25)
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