15/01/25 (10)近江鉄道本線(高宮→米原/彦根→高宮)
高宮駅からは路線長2.5kmのヒゲ線、多賀線が分岐しています。片面ホーム1本+島式ホーム1本の2面3線の配置となっており、多賀線が発着する3番線は急なカーブを描いているため、島式ホームの形状は長方形ではなく三角形。私の心のふるさと・阪急神戸線の塚口駅とオーバーラップする風景です。
▲(3枚)高宮駅の様子 ※多賀線の往復後に撮影
この先の彦根・米原方面へは多賀大社前からの多賀線直通列車と八日市方面からの本線列車の2つの系統があり、本数の比率はほぼ半々といったところ。今回は乗り換えるパターンとなりましたが、接続時間はわずかに2分、しかも同一ホームでの対面乗り換え。高宮駅と八日市駅、どちらの相互接続もよく練られており、全線単線という制約がありながらのこの見事な連携は天晴れという他ありません。
▲高宮~米原間で乗車した800形(805F/高宮駅にて)。接続時間が短いので慌てて撮影しました
近江鉄道本線 高宮(14:39) → 彦根(14:47着/15:02発) → 米原(15:12)
ここからは彦根の市街地の中へと入っていき、彦根口~彦根間では左手にJR琵琶湖線の線路が並走。やがて前方に今朝草津を通った時以来となる、中層のビルが林立する都会的な街並みが迫ってくると、まもなく彦根駅到着となります。全国的な知名度こそ東海道新幹線の駅がある米原に劣りますが、滋賀県東部の中心都市はここ彦根です。
この電車は米原行きですが、彦根駅で15分間の長時間停車。フリーきっぷなので、暇つぶしに改札をちょっと出てみたりトイレに行ったりなどとウロウロしてみました。
▲近江鉄道彦根駅・改札口
彦根駅の発車案内板。近鉄(←近江鉄道も「近鉄」ですが、ここでは近畿日本鉄道のことです)で伊勢・志摩へ行くと駅の案内サインに「大阪・京都・名古屋方面」と書かれていたりして、ここは東海道新幹線の駅か?などと錯覚しかねませんが、こちらも米原行き&近江八幡行きと、まるでJR琵琶湖線の駅にいるようです。本数の方はともかくとして…
のどかな近江鉄道線ホームと…
対岸にある賑やかなJR琵琶湖線ホーム。列車のほうもこちらは2両編成、対してJRは最長12両編成です(貨物列車はもっと長い!)。
彦根駅には近江鉄道の車両基地が併設されています。見飽きた…もとい見慣れたJRの車両群とは違い、こちらの様子は新鮮で楽しいものです。
小休止を経て電車は再出発。北へ直進するJR琵琶湖線の線路に対し、近江鉄道の線路は東へカーブ。佐和山城跡のある佐和山をトンネルでくぐっていきます。
▲佐和山を抜けるトンネル(鳥居本側坑口)
山の東側へ出ると東海道新幹線と再会し、まもなく鳥居本(とりいもと)駅に到着。この先、終点米原までふたたび東海道新幹線とは若干の距離を取りながらの並走区間となります。
鳥居本駅では米原方面から来た電車と行き違い(下の写真)。ただの行き違い電車をわざわざ載っけたのには理由がありまして…… そのわけはこの後すぐ。
本線最後の途中駅は、○○前シリーズの第三弾となるフジテック前。その名に違わず、高さ約170mのエレベーター試験塔がすっくと聳え立つフジテック本社の社屋がすぐ目の前に見える駅です。新幹線の車窓からも見えるこの建物、その存在をご存知の方も多いのではないでしょうか。「世界のFUJITEC」と掲げられている通り、国内のみならず海外市場でも大きなシェアを誇る、国際的なエレベーター・エスカレーターメーカーです。
いよいよ本線の最終区間。米原駅の移設工事に伴い、駅間距離2.3kmのうち1.6kmがこの工事に関連して2007年に新線となったそうです。心なしか乗り心地が良くなったのはそのせいでしょうか。右手に新幹線の試験車両三羽ガラスを見て、15時12分、終点米原駅に到着です。
さてここで写真を…という段取りに本来はなるはずなのですが、私はというとドアが開くや否や足早に改札を出て、JR線のホームへと向かいます。というのも次の八日市方面への折り返し列車は47分後の15時59分を待たなくてはならないのですが、ここでJRに乗り換えて彦根に向かえば、先ほど鳥居本駅ですれ違った列車が彦根駅で長時間停車している間に追い付くことが出来るのです。青春18きっぷ用語で言うところの「ワープ」の手法ですね。もちろん米原~彦根間の運賃190円は別払いとなりますが、たったの190円で1時間もの短縮が可能なのですから、時間の対価としては寧ろ安すぎるくらいでしょう。
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東海道本線新快速 米原(15:18) → 彦根(15:22)
接続時間が6分と短いので、今回のプランではその乗り換えの成否が最大の懸念事項となっていましたが…。杞憂も杞憂、ICカード所持(=券売機でのきっぷの購入が不要)ならば正味3分もあれば十分でした。それにしても、年代物の跨線橋が残っている時代の記憶のままだった米原駅が、広くてメチャ綺麗な駅に変貌していたことにはおったまげました。
15時18分発の新快速電車。行先は230km先の播州赤穂と、相変わらず熟睡しての乗り過ごしが恐ろしい列車です。
乗り継ぎも無事成功したので、JRホームから近江鉄道の米原駅ホームを撮影。「せわしないやっちゃなー」とつぶやく電車の声が聞こえてきそうです。
蛇足ではありますが、米原から貴生川へ向かう場合は運賃こそ近江鉄道990円・JR1,140円で近江鉄道に軍配が上がるものの、利便性の面では勝負の土俵にすら立っていません。新幹線乗り継ぎ(例:東京-米原-貴生川。普通運賃で京都経由よりも1,000円ほど安くなります)になるとJR線通しでの遠距離逓減が効くぶん何をかいわんや、であり、本線の名ばかり感はいよいよ確固たるものに。ま、余計なお世話ですね。
ガチャコン電車で10分を要した彦根~米原間も、JRならばノンストップ4分(普通・新快速いずれも)。速い!揺れない!(しかも転換クロス!)と、まるで在来線から新幹線に乗り換えたかのような感覚です。私の中での新快速の固定イメージといえば「速いんだけど結構揺れる」なのですが、まさかそれとは真逆の印象を持つ日が来るなんて(笑)。
彦根駅での接続時間も8分と短いですが、こちらは既に通過済みでお互いの位置関係を分かっているために余裕綽々の乗り継ぎです。JRの改札口では、ゆるキャラブームの火付け役というか一番槍というか、あの『ひこにゃん』がお出迎え。彼の存在がなければ、肥後の黒い熊も梨の化け物もこの世に誕生していなかったことでしょう。ちなみに私が一番好きなゆるキャラは『はばタン』です。ビバHYOGO!
再び舞い戻ってきたホームに待っていたのは…
100形電車です。こちらの前面形状は西武新101系のオリジナルのまま。この103F編成は昨年12月から運用を開始したばかりの“最新鋭”車両で、車内はこれまで乗ってきた電車とは比べ物にならないほどにピカピカでした。また、運賃表もLEDではなく液晶タイプのものが設置されています。
近江鉄道本線 彦根(15:30) → 高宮(15:39)
JR琵琶湖線との並走区間で長大コンテナ列車に豪快にオーバーテイクをかけられつつ、八日市方面へ。この電車は近江八幡行きなので、多賀線方面へは高宮で乗り換えとなります。以下、次回にて。
(2015.01.25)
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