あべのハルカス登頂
とっくに旬は逃してしまった感はありますが、“現在のところ”高さ日本一の超高層ビルである『あべのハルカス』の展望台に登ってきましたので、今回はそのミニレポートをお伝えします。
JR宝塚線と大阪環状線外回りを乗り継いで、1年2ヶ月ぶりの天王寺にやって来ました。阪堺電車の『堺トラム』に試乗しに来た時以来ですね。まずは快晴の空をバックにハルカスのお写真を一枚。
こちらも久しぶりのあべの筋。拡幅工事の進捗具合は牛歩としか言いようがないほどの遅々としたものです。一体いつになったら完成するのやら……。
実は今回の展望台訪問、ハルカス16Fにある『あべのハルカス美術館』で開催されていた、トーベ・ヤンソンの生誕100周年記念の回顧展を見に来るついでに訪れたものでした。ムーミン好きとしては見逃せない展覧会だったのですが、残念ながらトーベフリークとして彼女の多才ぶりや幅広い創作活動を既に知っている身としては特に目新しい展示もなく、不完全燃焼に終わってしまいました。2年半前に兵庫県立美術館へ見に行ったフィンランド展の方が面白かったですね(→当時の訪問記事)。
会場内は原則的に撮影禁止ですが、トーベ氏が毎夏バカンスで訪れた小島に建つ「夏の家」の実物大再現コーナーがあり、ここだけ撮影OKだったので写真を貼っておきます。
というわけで本題へ。展望台の入場料金は大人1,500円なのですが、美術館の入館券とセットで購入すると350円の割引があるため、実質1,150円で入場することができました。セット券購入の際は16Fの美術館チケットカウンターではなく2Fのチケットカウンターへお越しください。下に貼り付けたチケット画像の通り、訪問日は9月11日だったのですが、よりによってこんな日に超高層ビルに登らなくても(苦笑)。私も券面にデカデカと印刷された日付を見て初めてハッと気が付いたのですが。
地上80mの16Fから地上288mの60Fまで一気に上がるエレベーター。前回のハルカス訪問ではこのエレベーターの手前で回れ右しましたが、今回は実際に乗ってみます。オープンから1年半経ってビジターも一巡したためか、当然のように待ち時間はゼロでした。
エレベーターの側面と天井はガラス張りになっていて、上昇中に見上げると光に導かれるような演出を体験することが出来ます。
1分もしないうちに60Fの展望台に到着です。さすがにこれだけの高低差を一気に上がってくると耳ツンがしますね。
まずは真北方向の風景を(以降、風景写真はクリックすると拡大します)。ハルカスの足下を南北に延びる上町台地を北方面へ追っていくような視点になります。遠方からの来訪者ならば「ふーん…」で終わってしまうような景色ですが、この上町台地こそが大阪の発祥の地というわけで、歩いて回った経験のある地元民としては色々と薀蓄を垂れたくなりますね。
カメラを真下へ向けて。掘割の中を走る大阪環状線と大和路線の線路が見えます。右には阪和線の地上ホームも。
天王寺公園です。
梅田方面を眺めて。
大阪城と大阪ビジネスパーク(OBP)方面。
こちらは近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅。ひっきりなしに電車が発着していきます。
その南大阪線が辿る、大阪市東住吉区および松原市方面。南大阪線は運転密度が高いため、ここからだと高架上を走る電車の追いかけっこの様子が手に取るように観察できて楽しいです。
天王寺駅東側でJR3路線と近鉄が複雑に絡み合う様子です。
大阪環状線201系と関空・紀州路快速225系。まさにリアル鉄道模型レイアウト、といった感じですね。
平野・久宝寺方面をズーム。
こちらは生駒山方面です。どうして大阪には東京タワーや東京スカイツリーのような高い電波塔が無いの?という古来からのFAQがありますが、広大な関東平野のド真ん中に位置する東京に対して、大阪の場合は街のすぐ近くにこのようなソコソコの高さの山があるために山上に電波塔を設ければよく、よって「わざわざ建てる必要がない」わけですね。
というわけで、長らく大阪の街の展望台としての座をほしいままにしていた通天閣も、今となってはハルカスからはるか下に見下ろされる存在に。この界隈があまり柄のいい地区ではないという理由もあってか、関西人でも通天閣へ一度も登ったことがないという方は多いのではないでしょうかね。ワタクシもそうです。
伊丹空港に着陸する飛行機は、我々の目線よりも少し上の辺りを飛んでいきます。展望台からの眺望も飛行機から見える景色と同じ……と言ってしまえば身も蓋もないのですが。
なんばエリアをズーム。
堺市の湾岸エリア方面です。関西空港は残念ながら視認できず、辛うじてりんくうゲートタワービルが分かる程度でした。冬の空気が澄んだ日ならばはっきりと見えるのでしょうね。
この時間だと思いっきり逆光になる南港方面。右から来て奥へ流れていく太い川は木津川で、私も大阪渡船ラリーでこの川沿いを歩いたものです。
弁天町・京セラドーム大阪方面。
大阪市住吉区および堺市の内陸エリア方面。中央に写っているスタジアムは、サッカーワールドカップの会場としても使われた長居陸上競技場です。
南方向の足下には阪堺電車。
――とまあ、眺望についてはこんな所でしょうか(クリックによる写真拡大はここまでです)。空から見ても地上を歩いても美景と呼ぶにはあまりにも程遠いオオサカシティではありますが、私はここから見えるかなりの範囲を徒歩で散策したことがあるため、それらの経験の総ざらいという感じで割と楽しむことができました。
60Fの展望フロアの様子はこんな感じ。中央は58Fの天空庭園からの吹き抜けになっています。
客足が落ち着いてきたために来月からこの展望台でウェディングが実施されるそうで、展望フロアには衣装の展示がありました。
エスカレーターで地上278mの58Fへ降りると、オープンエアの「天空庭園」に出てきます。地上よりちょっとは涼しいのでしょうかね? 手前にはセルフサービスのカフェダイニングがあり、食事やドリンク・デザートメニューが用意されています。やはり観光地価格なので私はパス(笑)。
▲(2枚)58F・天空庭園
実はあべのハルカス、60Fの展望フロアが最上階ではありません。この更に上階にはヘリポートがあり、別途500円でこの真のてっぺんへ上がれるガイドツアーが実施されています。
▲天空庭園からヘリポートを見上げる
で、この日もヘリポートへ上がっている人が多数いたのですが、私が訪問した9日後にヘリポートからの飛び降り自殺未遂?事件があり、安全対策が施されるまでの当分の間、ツアー開催を見合わせることになってしまいました。思えば、今年は私が足跡をしるした場所でことごとく妙な事件が起こるんですよね……。2ヶ月前に上京した際もあの新幹線焼身自殺事件の当日だったですし、あとは近江鉄道の高宮駅で電車が燃えたりだとか。来週から関東方面へ旅行に行く予定なのですが(さりげなく次回予告w)、また何か起こったりしなければ良いのですけれども。
展望台で1時間ほどを過ごし、そろそろ撤収することに。お帰りは土産物ショップのある59Fからとなります。エレベーター手前にはプラス450円で1dayチケット(当日中ならば何度でも再入場可能)にアップグレードできるよ!という宣伝もあり、ヘリポートツアー共々大阪らしくなかなか商魂逞しいですね。
▲59F
これまた訪問の2週間ほど前の話ですが、高さ日本一の称号も東京駅前に2027年度竣工予定の超高層ビルに一気に90m抜かれて失う予定、というニュースがあり、横浜ランドマークタワーが約20年間タイトルを維持したことを考えると13年ですか、短い栄光でしたね……(合掌)、という感じではありますが。東京スカイツリーの天望デッキより60m低い代わりに560円安いですし、関西旅行の折に時間に余裕があれば、ということで、準オススメくらいにしておきます。鉄道好きならば天王寺駅から延びる線路を走っていく電車の観察も楽しいですよ。
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