16/09/08 (3)オンネトーへ
午後0時30分、帯広を出発。ここからは一気に阿寒湖エリアを目指します。次の目的地の「オンネトー」をカーナビに入力すると、所要時間は2時間程とのこと。とはいえ北海道の道路の流れ、とりわけ一般道のそれは非常に速いため、走っているうちにカーナビが算出する到着予想時刻もガンガン前倒しになる見込みです。
音更帯広(おとふけおびひろ)ICから道東道に入ってもよかったのですが、池田ICまで下道を走ったところでそれほど所要時間も変わりないようなので、国道38号→国道242号と進みます。帯広市街を外れるところで渡った札内川の河川敷では、樹という樹に台風10号がもたらした豪雨による流木が引っかかって塊になっていました。
帯広を抜けると、これぞ北海道といった感じのまっすぐで走りやすい道が延々と続きます。


このまま国道242号線を走り続けても足寄まで行けるのですが、今回は母が早めにホテルへチェックインしたいと希望しているため、池田ICから道東道へ。本別(ほんべつ)JCTからは白糠・釧路方面へ向かう本線と分かれ、「端野支線」と呼ばれる支線区間へと入ります。本別以東の本線は新直轄方式によって整備されたため通行料金は無料となっているのですが、こちらの支線のほうは本別以西と同様に有料。案の定、交通量は非常に少なく、我々の車の前後には終始他車は現れなかったのでした。
高速を下り、足寄(あしょろ)町の中心部を通過。鈴木宗男や松山千春といったすこぶる濃いメンツの出身地だけあり、北海道の町村部では全国的にも知名度の高い町です。2006(平成18)年に廃線となった北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線が通っていた町でもあり、国道はかつての足寄駅前を通過(交差点名は今も「足寄駅」)。旧駅は現在は道の駅と路線バスのターミナルとして、引き続き町の玄関口としての機能を担っています。
足寄駅前からは国道241号線へ。山間部へ入り、風景もますます長閑になってきました。


足寄ICからは4・50分、やはり2時間もかからずに阿寒湖エリアへ。途中から道道949号オンネトー線に入り、オンネトー湖の畔へ向かいます。活火山の雌阿寒岳(めあかんだけ)がすぐ近くにあるため、車の中にまで硫黄の香りが流れ込んできました。

午後2時20分、オンネトー湖に到着。車の外へ出れば帯広よりもまた1段階空気が冷たい……というよりも寒いくらいで、早くも用意してあったスプリングコートを羽織ることに。ほんの4日前までは大阪で連日の暑さにバテていたというのに、まさか自分の口から「寒い」などという言葉が出るなんて。冬の沖縄もそうでしたが、亜熱帯から亜寒帯までを国土に含む日本の気候の多様性を肌で感じ取るのでした。

ガイドブックなどでは「神秘の湖」のようなフレーズと共に紹介されており、深い森の中にひっそりと佇んでいるというイメージが惹起されるのですが…。そもそも多くのガイドブックに掲載されている時点でお察しというか、今では観光バスや路線バスもやって来る、阿寒湖エリアの主要な観光地の一つとなっています。幸い、今日は閑散期の平日ということで、自家用車・レンタカー利用の個人旅行者が時たまやってくる程度の静かな環境だったのでした。



上の写真は湖の北端付近なので、少し車を走らせて中央部に近い展望テラスへ。

晴れていれば時間の経過による光の具合の変化によって湖面の色が刻一刻と移り変わるとのことですが(クロード・モネが喜びそうだ)、今日は曇天ということでこの通りのモノトーン。ただ、観光客がほぼ期待していた通りに疎らなのは救いです。



せめてもの慰めのつもりなのか、湖の背後にそびえる雌阿寒岳と阿寒富士が、ほんの一瞬だけ全体像に近い姿を見せてくれたのでした。下の写真を撮影した直後には、また雲のヴェールの後側へ。

なお、この展望テラスの横にはトイレが設置されているのですが、台風による倒木被害のために使用不可に。我々も湖南端にある別のトイレを利用したのでした。それにしても、RPGで道を塞ぐ障害物を髣髴とさせる、的確な位置への鮮やかな倒れっぷりです。


▲(2枚)イベントをクリアしないとこの先へは進めません(嘘)
晴れていれば湖の周回路を少しだけ歩いてみてもよかったのですが、また次の機会にということで今日のところはこれにてオンネトーを後にします。続いては阿寒湖畔へ。
(2016.09.08)
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