17/01/24 (6・終)観光特急しまかぜ その5【復路・伊勢市→京都(後編)】
しばらくカフェ車両でボーっとしていましたが、頃合いを見て自席へと戻ります。山間部へ入るとまた横殴りの雪が降り始め、地面にもうっすらと積雪がありました。標高の高い青山峠の前後がピークかと思いきや、意外なことに奈良盆地へかなり近づいた旧榛原町エリアが最も激しく降っていたのでした。往路でもそんな感じだったのですが、どうやらこの辺りは地形の関係で奈良県内でも雪の多い地域のようです。
山岳路線としては非常に線形が良いので特急列車は高速性能を遺憾なく発揮できるのですが、しまかぜについては若干流して走っているような印象。雪のために速度を落としているのかなと思っていたのですが、次の大和八木には定刻通りに到着したので所定のスピードだったようです。
往路と同様に大和八木にて乗務員の交代。ここから終点京都までの車内放送を担当した車掌さんがバリトンボイスのめっちゃええ声でした。「麒麟です」と言ってほしい! 下に貼り付けた新ノ口連絡線通過中の車窓動画にも収録されています(32秒から)。
橿原線を抜け、夕方のラッシュが始まっている大和西大寺へ。輻輳する構内配線のおかげで昼間でも駅手前での信号待ちが多い当駅のこと、ホームへの進入速度は特急らしからぬ超低速です。なお、普通の京伊特急(伊勢志摩ライナー含む)ならば大和八木やここ大和西大寺からの乗車があっても不思議ではないのですが、しまかぜについては特急料金のほかに特別車両料金が最低720円必要なため(ちなみにデラックスカーの料金は80キロまで210円)、こういった短距離を乗車する客はまず居ないものと思われます。
ホーム向かい側に停まっていた奈良線の大阪難波行き急行と同時発車。最終区間の京都線へと入ります。
さて、最近導入orリニューアルされた近鉄特急の車両には座席番号表示の横にLEDランプが設置されており、この色で現在走っている区間での座席の予約状況が分かるようになっています。予約されていない席に乗客が座っている時以外ならば特急券のチェックは省略されるという、近年全国のJR・私鉄特急で主流となりつつある方式が近鉄特急でも採用されているというわけ。で、我が6号車、大和八木まではほぼ全てのランプが緑(大人料金で予約)だったところが、大和八木と大和西大寺を過ぎて少なからず青(空席)に変わっていたのですが…。アッ、最前列の1B・1Cも青ランプになってる!!
というわけで。少しだけですがかぶりつき席からの前面展望を体験してみることにしたのでした。なにしろ大型のシートなので、後ろからの目視では乗客が完全に隠れてしまって空いているかどうか分からないんですよね。こんな形でランプが役に立つとは(笑)。下の写真のように天地方向のワイドさに目を見張るフロントガラスなのですが、窓枠が縦横に走っているために前面展望を楽しむという点においてこれらが、とりわけ非常用扉部分の縦棒が目障りとなるのは否定できないようで。シートこそ上級なものの、この辺りは小田急のロマンスカーや名鉄のパノラマカーのような“本式”のパノラマ車両とは比ぶべくもないといったところです。とはいえこの非常用扉がなければ阪神線内への乗り入れが出来ないので(保安装置については準備工事はなされている模様)、この件に関しては設計上のトレードオフという結論になりますか。
視線を下げて。他の席よりも心なしか足元が狭いような気がしますし、背面テーブルがないのでやや小ぶりな固定テーブルが代わりになっているのですが、この席を指名買いするような人にとってはこの程度の瑕疵などほんの些細なことでしかないでしょう。
実はすぐ前を近鉄奈良発京都行きの特急列車が先行しており、大和西大寺から京都までの約30分間は2~3分を置いて2本の特急が続行することに。そのまたすぐ後ろからは橿原神宮前発京都行きの急行が付いてきており、これら3本をやり過ごしながら走る普通列車の気苦労が知れるというものです。
近鉄丹波橋を出発したら、ぼちぼちと降りる準備を。これがもし片道乗車ならば名残を惜しむ瞬間ではありますが、さすがに往復4時間も乗車するともう満腹です。カフェ車両の「二段活用」もできましたし。こうなると余勢を駆って昨年9月にデビューしたばかりの南大阪線・吉野線の観光特急『青の交響曲(シンフォニー)』にも乗ってみたいところですが、席数が少ないために特急券の確保はしまかぜを遥かに凌ぐ勢いで困難なようで、実現するのはいつの事になるのやら…?
【追記】 後日、乗車しました。レポートはこちらからどうぞ。
17時38分、京都到着。18時05分発の<のぞみ248号>に乗って東京へ帰っていく妹を新幹線中央口改札で見送ります。今春から妹は関西へ帰ってくることになったので、この見送りも今回が最後となりました。
京都駅で軽い夕食を摂ったら、JR京都線・宝塚線で宝塚へ帰ります。関ヶ原の雪は未だに猛威を振るっているようで、琵琶湖線方面からやって来る快速・新快速はダイヤがガタガタ。車内の床も水浸しです。雪に気を揉みまた雪に沸き立った今回の旅、最後の段落もやっぱり雪の話題で〆ることになるのでありました。
今日の歩数カウント:16,132歩
<完>
(2017.01.24)
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