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2017.05.12

17/05/08 (2)観光特急青の交響曲 その2【往路/大阪阿部野橋→吉野(前編)】

観光特急青の交響曲 大阪阿部野橋(10:10) → 吉野(11:26)


 10時10分、青の交響曲は定刻通りに大阪阿部野橋駅を後にします。車体には大改造が施されたこの車両も、走行機器については基本的に1970年代生まれの種車のまま。発進時には抵抗制御ならではの若干のショックがあり、この辺りで車両の素性が知れるというものです。やがて大阪の下町を貫く高架線を飛ばしていきますが、ここでも床下から勇壮なモーター音が…。まだまだ“新車”の匂いが漂っている車内とのギャップが凄まじいですね。


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 上の着座視点の写真の通り、私が陣取っているのは先頭車のかなり前の方ではあるのですが、しまかぜのように前面展望を眺められる構造にはなっていません。下の写真は運転室との仕切り扉にある小さな窓。ここから中を覗き込んだならば、種車時代そのままと思しき実用一点張りの運転室がありました。ほんの薄い壁一枚を隔てて広がる、全くの別世界。


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 大阪阿部野橋を出発して5分。大和川を渡って大阪市内を抜けようかという頃、1号車の女性チームから「ラウンジへ行きませんか」とメールの着信。当然のことながら二つ返事で了承します。

 中間車2号車のラウンジカーへ。こちらが吉野方にあるバーカウンターです。青の交響曲ではワゴンサービスは実施していないので、4名乗務しているアテンダント全員が常時このカウンターに詰めています。小さなスペースでありながら飛ぶように商品が売れていくため、この人数でもなかなか手の休まる暇がないご様子。


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 販売品目は約50種と非常に豊富。とりわけ吉野の地酒をはじめとしたアルコール類が充実しており、生ビールとハイボールのサーバーまで用意されています。


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 ラウンジスペースの席数は20席。高級ホテルのラウンジをイメージしたという室内には本革張りのソファが並んでおり、側窓は敢えて小型のものを採用。これまたダブルデッカー構造で眺望の良さをアピールするしまかぜのカフェ車両とは好対照をなす造りとなっています。この車両は編成定員には含まれないため、1・3号車の座席定員を合計した65名が列車の最大収容人数。一般の特急型車両の定員が2両で約100~130名なので、3両編成でありながらその2/3から1/2でしかないということになります。繰り返しになりますが、とても720円の料金で乗車できる列車のクオリティとは思えません。


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 大阪方にあるパーティションは、吉野の桜をあしらったデザイン。


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 で、我々がオーダーしたのは―― 先ほど出発前にカフェでコーヒーとサラダを飲み食いしていたので、「マカロンセット(コーヒーまたは紅茶付き)」を3人で分けようということになりました。このマカロンを提供しているのは『La peche(ラ・ペッシュ)』という、吉野山にも程近い大淀町内のパティスリー。京阪神地区からわざわざ足を運ぶ人も絶えないという有名店です。青の交響曲の停車駅である六田(むだ)駅から歩いて行ける場所にあるので、吉野観光を短縮して寄っていこうかという話もしていたのですが、残念ながら月・火曜日は定休日とのことでした。番茶味ときいちご味の二色のマカロンですが、確かに評判に違わず風味がぎゅっと凝縮されていてトレビア~ンなお味でございました。


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 青の交響曲でも記念乗車証の配布があります。しまかぜではおしぼりと一緒に座席へ持ってきてくれましたが、こちらではラウンジスペースでの飲食を含めてすべてセルフサービス。バーカウンターに置いてあるのを勝手に持っていくという形になっています。昨年9月の運行開始からしばらくは吉野杉製のカードだったらしいのですが、早くも在庫が払底してしまって現在は普通の紙製に。期間限定なのはまだいいとして、せめて1年くらいは持たせてほしかったものですな…。


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 余談ながら、バーカウンターのレシートも青の交響曲のロゴ&便数入りです。


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 お隣に座った熟年夫婦は午前中から生ビールで乾杯。しまかぜが目指す伊勢志摩よりも渋めの観光スポットが多い吉野線沿線らしく、「上質な大人旅」をコンセプトにしている青の交響曲ですが、別に私のような若造が乗車したところで誰が咎めるわけでもありません(笑)。事実、20~30代の乗客もそれなりに乗り合わせており、一人旅の人もチラホラと。「大人」かどうかに年齢はあまり関係ないとは思いますが、今回の乗車ではコンセプト通りに列車内は往復とも優雅な雰囲気でありました。

 穴虫峠を越えて大阪府から奈良県へ入り、最初の停車駅である尺土が近づいた頃に自席へ戻ることに。販売されている飲食物はすべて自席への持ち帰りが可能ですが、やはりこちらのラウンジスペースは人気があって利用率は高かったです。2号車は電動車のため、レールファンにとってはモーター音を楽しめるのも嬉しいところ!?

 尺土停車中の様子をデッキから。意外や意外、ビジネスマン風の男性がひとり下車していきました。この人がそうというわけではありませんが、2号車が丸ごとフリースペースなので特急券不所持でも満席だろうが簡単に紛れ込めたりするのでしょう。


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 その1に写真を貼ったデッキをまた別の角度から。


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 トイレと洗面台は編成中1箇所、1号車デッキに集約されています。こちらは車椅子対応の多目的トイレ。私はもう一方の男性小用しか使用しなかったのですが、“新型車両”らしく広くて使い勝手の良いスペースのようでした。


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 洗面台もピッカピカ。


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 ラウンジカーの吉野側車端にはライブラリーコーナーがあり、奈良の仏閣や古市・飛鳥の古墳・史跡群といった沿線の観光スポットを訪れる際に参考になるような書籍が自由に閲覧できるようになっています。本棚の向かい側にはベンチが備えられていますが…… 誰ですか、この横に段ボール箱を置きっぱなしにしているのは。先生怒らないから正直に名乗り出なさい(しばき上げる気満々で)。


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 まだまだ引っ張る、青の交響曲往路編。

(2017.05.08)


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