17/05/08 (4)新緑の吉野を散策 その1
▲近鉄吉野駅 駅舎
改札口を出て駅前へ。吉野は9年前のちょうど今頃に訪れて以来の再訪となります。あの日は休日でしたが、青の交響曲効果で平日のきょうの方が賑やかな気がしました。
ここから観光エリアへはロープウェーに乗り継ぐのがセオリーなのですが、先月末から故障のために運休しているとのことで(古い設備ですからねー)、山上駅の吉野山駅までは代行バスによる連絡となりました。列車に乗り合わせていた団体さんたちは何台かのタクシーに分乗して山上へ向かうらしく、代行バスに乗り込んだのは個人客のみ。マイクロバス1台にぴったり収まる程度の人数でした。
山上まではどういうルートを取るのかなと思っていたら、(吉野線の)1駅手前の吉野神宮駅前まで戻り、吉野神宮を経由して向かうという大幅に遠回りな道のり。ロープウェーの路線長は約350メートルですが、こちらは5キロ近くにもなりました。
▲(2枚)ロープウェーの代行バス
吉野山駅到着。帰りの代行バスも30分間隔で運行しているとのことですが、ここから吉野駅までは徒歩でも「七曲坂」を通って15分ほどで下りられるので、念のため発車時刻を覚えておきはしますが歩いて下山する方向で。
桜の季節が過ぎ去り、今はツツジが見頃となっています。吉野の桜は一度くらいは見に来たいと考えてはいるのですが、あの大混雑に耐えられる気がしないもので。今年の花見も自宅からの徒歩圏内で済ませてしまいましたし。
9年前に訪れた時には上千本エリア最奥の吉野水分神社まで山を登り、裏道を通って吉野駅まで下りてくるという8キロほど(高低差は約300メートル)のコースを辿りましたが、今日のメンバー構成では100%無理。吉水神社まで往復するだけという超お手軽コースにしておきます。途中の道は旅館街と商店街になっていますが、桜シーズンからGWへと続く年中で最大の書き入れ時が昨日で終わったばかりとあって、多くの店が休業しておりました。
吉野山のシンボル、金峯山寺(きんぷせんじ)。境内前の道の路肩には、一足先に到着して見学へ向かった団体さんのタクシーがずらりと並んでいました。我々はバッティングを避けるという意味もあり、吉水神社からの帰り道に寄っていくことにします。
時刻は正午を回ったところ。いい時間なので金峯山寺そばのお店で昼食を摂ることにします。上述のように閉まっている店が多いのですが、それでも観光スポットの近くならばそれなりに選択肢はありました。
よく晴れて順調に体感温度が上がってきているため、冷たい系のざるそばをチョイス。付け合わせは山菜の小鉢(美味しかった)と…… 奈良ということでやっぱり柿の葉寿司です。これまでに奈良を訪れた経験を振り返ってみても、食べ物といえば三輪そうめんとコレしか思い出せないという。まぁ、奈良県がグルメ過疎地であることは当の県民も認めている事実のようなので。この柿の葉寿司、店によってはかなり塩辛い味付けになっているのですが(大手では『ヤマト』は濃い目の印象)、こちらはあっさりとして優しい味わいでした。とはいえ、元々は保存食なので塩気が多くて当たり前ではあるのですが。
窓側の席からは山の瑞々しい新緑が眺められます。開け放った窓から聞こえてくるのはその葉擦れと山鳥のさえずる声だけ。やっぱり花より静寂――ですね。
1,350円(税込)というお値段にしてはボリュームはもう一つでしたが(結構高いんですよね、柿の葉寿司)、後ほど間食のアテがあるので腹7分目のままでいくことにします。
というわけで、もう少し歩いた先にある吉水神社(よしみずじんじゃ)へ。
参拝だけならば無料ですが、現存する日本最古の書院建築である書院を拝観するには料金が必要(大人400円)。私は入ったことがありますが母妹はまだなので、拝観料を払って見学してみることにします。なにせ世界文化遺産ですし。
ここは南北朝時代に南朝の皇居が置かれていた場所。明治時代以前は吉水院(きっすいいん)と呼ばれる僧坊でした。源義経が逃避行のさなか、静御前や弁慶と共に匿われた場所でもあり、その潜居の間や後醍醐天皇の玉座が残されています。義経の鎧をはじめとした文化財も展示。
さらに後の安土桃山時代、秀吉がここを花見の宴の本陣とした際に自ら造園にあたったという庭園も残されています。
後醍醐天皇が京都への凱旋を祈願した(結局それは叶わず、この地で崩御)という「北闕門(ほくけつもん)」。ここで祈ると邪気が祓われるというパワースポットなのだとか。
境内からも金峯山寺の蔵王堂が望めます。
参拝を終え、ぼちぼち来た道を戻ることに。境内の入口には「一目千本」という吉野山随一の観桜スポットがあります。
シーズン中には物凄い混雑なのでしょうが、今の季節は若葉に彩られた山々を一望できる静かな展望台です。
ちなみに開花中にはこのような風景が見られるそうで。
続いては金峯山寺方面へ。
(2017.05.08)
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ありがとうございました
投稿: | 2020.05.10 23:23