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2018.07.25

【18/07再訪】鉄道博物館 その16(E5系シミュレーター編)

 それではいざ、新幹線E5系の運転体験へ。今朝整理券をもらったカウンターで利用料金の500円を支払うと、引き換えに運転士七つ道具の一つである白手袋を手渡されます。こちらは鉄道会社の特注品ではなく、指紋・皮脂の付着防止用として一般に市販されているもの。運転を終えたらそのまま持ち帰ることができます。軍手ならばともかく一般家庭ではあまりこれといった用途は思いつかないのですが(スマホのSIMカードの出し入れとか?)、懐かしの電車でGO!コントローラーを久しぶりに引っ張り出して帰宅後の“延長戦”、というのも一興でしょうか。

《おことわり》 取材ではなく個人が遊びで訪れたついでに書いたものですので、文章の趣旨には影響しない程度の細かいところに記述の間違いがあるかもしれません。どうぞご容赦を。


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 前の人の運転を予習として「真剣に」見学したのち、私の番がやって来ました。若葉マーク未満のド素人にいきなりハンドルを任せるのはムチャということで、約15分の運転体験中はナビゲーターのお姉さんが付きっきりでサポートしてくれます。はじめに初級・中級・上級の3コースのうちどれを選択するのかを問われるのですが、中級・上級はリピーター向けの設定と解してここは順当に初級コースを選択。運転区間は新白河⇒郡山の一駅間のみですが、E5系の営業最高速度である320km/hまできっちり上げることができます。なお、風景は実写映像。あの音楽館による監修です。


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 新白河駅出発前に、簡単に計器および操作ハンドルの説明を受けます。流石に最新鋭の車両だけあって運転台はグラスコクピット化されてすっきりしており、0系世代と比べると隔世の感が。ゲームではなく現実に則したシミュレーションなので、運転操作の合間には指差喚呼も欠かせません。ここではお姉さんがカンペつきで適宜指示してくれるのでそれを復唱するのみなのですが、それでも緊張のあまりトチってしまうのはニワカ運転士のお約束です。

 一通り説明が終わったら、いよいよ出発。ドアが閉まるのを待っての発車となりますが、今回は説明の最中にドアが閉まってしまったので、戸閉めランプの確認のみです。逆転ハンドルを「切」から「前」へ切り替え、ブレーキを解除。カチ…カチ…カチ…とゆっくりとしたペースでマスコンを最大の8ノッチまで投入していきます。PlayStationの電GOコントローラーでは味わえないずっしりとした重みを感じますが、これがすなわち10両で約450トンという金属の塊、そして731名の乗客の命を一手に預かる責任の重みなのでしょう。

 駅構内のポイントを渡って副本線から本線へ。ほどなく75km/hを現示していたATC信号が一気に320km/hへと変わります。通勤電車並みの加速度を実現したN700系と比較するとスタートダッシュはのんびり…といった印象ですが、東海道新幹線区間の<のぞみ>を相手にしたならば、恵まれた線形と最高速度の差でもってすぐに巻き返すことになります。

 列車はぐんぐんスピードを上げていき、数分後、速度計は310km/h台後半に到達。在来線と違って新幹線では前方を注視する必要がない(しても意味がない)ため、ここまではマスコンに手を添えたままボーッと風景を眺めているだけでしたが、ここからはスピードが320km/hを超過しないように小刻みにノッチを調節していきます。完全にノッチを切ってしまうのは下り勾配の時くらいで、上り勾配はもちろんのことレベル(平坦)区間でも適切な段数に入れておかなければ空気抵抗の影響でみるみるうちに速度が落ちていきます。新幹線の場合、ブレーキのノッチよりもマスコンのそれの方が段数が多いのですが、それだけ高速域では繊細なコントロールが必要ということなんですね。というわけで実際に速度計が320km/hを指すことはなく、310km/h台で上下を繰り返すことになりました。無論ダイヤもこれを前提に組まれているので、定時運転のうえで何ら問題はありません。

 そして、早くも郡山駅が接近。(中国を除けば)世界最速タイの猛スピードで驀進してきたために、かなり手前の段階で減速が始まりました。駅のすぐ手前まではATC(とナビゲーターのお姉さん)の指示に従いマスコンを切っておけば、ブレーキを一切操作することなく自動的に速度を落としてくれます。

 赤&黒のしましま模様の標識を合図に、「停車場接近、郡山駅停車」の喚呼。京都鉄道博物館で体験した在来線シミュレーターもそうでしたが、運転操作の難しさの8~9割はこの停車時に凝縮されているといっても過言ではありません。とはいえ今回は75km/hまでは自動的に落ちていた上に、お姉さんから「残り距離(※モックアップ外の右上のモニターに表示)が500mになったら、ブレーキを4に入れて20~30km/hまで減速」という指示があったため、運転士自身の腕を試されるのはラスト百数十メートルのみとなりました。上述の通りブレーキのノッチはマスコンよりも少ない7段階なのですが、そのうち常用するのは4までなのだそうです。

 ポイントを渡ってホームへ進入。様々な車種・編成が混在する東北新幹線では、停止位置の確認も重要です。出発からここまで何度も指差喚呼を行ってきましたが、ホーム進入時にもU編成の10両であることを声に出して確認。ホーム自体は25m車16両対応なので、停止位置はホーム端よりもかなり手前になります。

 既に20km/hちょっとまで落ちているのであとは微調整だけなのですが、加速時と同様に急激なノッチ操作は禁物ということで、神経を研ぎ澄ませながら慎重にハンドルを操作。結果的には減速度を見誤ってちょっと手前に止まってしまったのですが、それでもオーバーランや再加速を行うことなく合格範囲(営業運転では完全にアウトですが)に収めることができました。

 無事に停車したらブレーキを最大に、そして逆転ハンドルを切に戻し、これにて運転体験は終了。最後にドキドキの運転評価が発表されます。


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 この通り、総合成績は88点でした。配点は50/25/25だと思われますが、停止位置がもう少し正確ならば90点台に乗せられたはず。ま、一発勝負ならば上々ではないでしょうかね。ここまで書いてきたように殆ど全編チュートリアルみたいなもので、ATCとお姉さんによる二重支配状態でしたが、では中級・上級では一体どの辺で難易度の差がつくのか、端的に言えば運転士自身にどれだけの裁量があるのかが気になるところではあります。


 体験終了後、鉄道博物館を離れます。夏休みに突入する前の平日ということで、懸念していた混雑もなくストレスフリーで周ることができたのは何よりでした。次回は番外編。


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▲通常は車両がデザインされている来館記念カードも、今回は新館オープン記念の特別版


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