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2018.08.14

『Panasonic Stadium Suita(市立吹田サッカースタジアム)』に行ってきました

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 行こう行こうと思っていたもののなかなかその機会を作れなかったのですが、やっとこさガンバ大阪の新ホームスタジアムである『Panasonic Stadium Suita(市立吹田サッカースタジアム;略称は吹田S)』へJリーグの観戦に行ってきましたので、今回はそのレポートをお伝えします。なお、理由は後述しますが別にワールドカップイヤーだからというわけではありません(笑)。
#今大会の日本代表の戦いぶりは素晴らしかったですからね。ブラジル・アルゼンチン・ポルトガルのようなスター選手頼りのチームよりも総合力の高いチームが好成績を残した大会でしたが、マジでベスト4狙えるのではと思いましたもの。



 私がガンバ大阪の試合を現地で観戦するのは今回が2回目。前回訪れた『万博記念競技場』(→当時の記事はコチラ)の最寄り駅は大阪モノレール彩都線の公園西口駅だったのですが、吹田Sの方は(大阪空港と門真市の両方面から直通で行ける)万博記念公園駅下車となります。ここにあるエキスポシティへは自宅から車で30分で行ける近さなので日頃からよく遊びに来ているのですが、スタジアムにも観戦者用の有料駐車場は併設されているものの試合終了後の出庫の際にかなりの時間を要するらしい(※スタジアムの公式サイトによると2~3時間が目安)ということで、今回は阪急~モノレールの乗り継ぎの方が早いと判断しました。バカ高いモノレールの運賃も、前売りチケット所持者にのみ販売される一日乗車券(下の画像)を利用すれば実質片道300円となります。


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 昼過ぎにららぽーとEXPOCITYに到着して館内をしばらくブラブラしたのち、開場時刻を待ってスタジアムへと移動します。仮にららぽーとの南東側に出口があればスタジアムまでの距離は200m程度なのですが、さすがに数万人規模の観戦者が館内を通り抜けていくのはマズイということで、いったん北西側に戻って真南→真東→ちょっと北上と相当遠回りなルート(もちろん屋外の公道)を辿ることになります。丘を一つ越えるために長い階段もあり、公式案内の「駅から徒歩15分」というのはかなり短めに見積もっていると考えて頂ければ。一つ救いがあるとすれば、全区間にわたって信号や横断歩道のない歩行者専用道なので、子供連れでも安心ということでしょうか。


 ららぽーとから20分かけてようやくスタジアム前に到着。土地勘のある方ならば、下の写真を見ればどれだけ無駄に大回りさせられているのかがお分かりかと思います。


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 淀川対岸の門真市に本社を置くパナソニックがネーミングライツを取得して今年からPanasonic Stadium Suitaを名乗っていますが、正式名称は市立吹田サッカースタジアム。140億円という総工費は主に企業や市民の寄付金で賄われており、竣工後の運営にも市は直接タッチしていないそうです。ガンバ大阪の本拠地として本格的に稼働を始めた2016年はちょうど新国立競技場建設のすったもんだがあった時期で、140億で立派なスタジアムを完成させた吹田市と、1000億積んでもまともなスタジアムの造れない東京都――という対比で物笑いの種になっていました。数年前に所用で何度かJRの吹田駅で降りる機会があり、その度にスタジアム建設の寄付金を募る幟や横断幕が目に入ってきたものですが、熱意が結実して本当に良かったですね。


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 以前書いたノエビアスタジアム神戸の訪問記事(→コチラから)ではチケット代は無料だったのですが、実は今回もそう。パナソニック製品の愛用者特典としてペアチケット、それもカテゴリー1というピッチに近い良席が当選し、当日券売り場そばのブース(下の写真)でチケットを引き取ってから入場することになりました。今回は3人で観戦に訪れたので1人分は自腹での購入となりましたが、それでも一人頭で1,667円なのですから格安です。ありがとうパナソニック。


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 同行の二人は紙のチケットで、私はスマホに表示したQRコードをリーダーにかざして場内へ。入場すればもうすぐ目の前がピッチです。ファーストインプレッションはとにかくコンパクトなスタジアムだな、というものでした。


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 さて、本日の観戦は色々な意味でサプライズが盛り沢山だったのですが……。こちらは入場口でもらったハーゲンダッツのカップ。きょう8月10日はハーゲンダッツの創業日なのだそうで、それを記念して先着3万名にアイスの無料配布があったのでした。先着順ではあるもののこの日の入場者は24,879人だったので、結果的に全員プレゼントとなりました。


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 回廊部分にはインフォメーションやグッズ売り場・トイレといった施設はもちろんのこと、総勢30近くにもなるスタジアムグルメの店舗が並んでおり、屋台村と呼んでもいいくらいの規模は圧巻。


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 その一方で内装は基本的にコンクリートの打ちっぱなしで、案内表示もそのコンクリートに直接書き込まれるというスタイル。華美さを排して最も大事な実用面に潤沢ではないコストを集中させる、という指針が貫徹されています。今夏からヴィッセル神戸に新加入したイニエスタの年俸4年分で造れちゃう、というのはどう考えたらいいのでしょうね(汗)。


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 その他、場内で6月の大阪府北部地震の義援金を募っていたため、心ばかしの寄付を。私は街頭募金についてはあしなが育英会を除いて一切応じていないのですが(赤い羽根だの難病の幼児だのもうウンザリ)、こういった所ならば確実に必要としている人の手に渡るはずなので安心してお金を入れています。過去にはノエスタ内で熊本地震の義援金も寄付しました。


 回廊の北側(ホーム側スタンド)はちょっと雰囲気が変わってこんな感じ。一角にはスタジアム建設の寄付金(5万円以上)を拠出した法人名および個人名が掲出されています。


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 ホーム側スタンドからピッチを眺めて。


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 それではバックスタンドとビジター側スタンドを経由して自席へ向かいましょう。メインスタンドのビジター寄り、下の写真矢印のところです。


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 上述しましたがチケット区分では「カテゴリー1」と呼ばれるメインスタンド下層エリアで、指定席ということで前から5列目を確保。チケット代金は前売り価格だと5,000円で、カテゴリー4以下に適用される小中学生の半額料金もこの席種では対象外となるため、夏休み中ながらも静かなものです。評判は聞いていましたがスタンド最前部からラインは目前で、芝が一本一本見えてしまうほどの至近距離。万博記念競技場時代はわりと距離がありましたからね。この迫力はサッカー専用スタジアムならではです。ちなみに同行の二人はホーム寄りの17列目。一応ガンバ大阪に3人並んで席が取れないかどうか事前に問い合わせてみたのですが、やはりCLUB Panasonic枠でエリアが固まっていて調整はできないらしく、私だけが離れて座ることになりました。


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 写真に撮るのを忘れていましたが、椅子はカップホルダーつき。このスタジアムに限った話ではないもののシートピッチが狭いので、座席が埋まった状態だと通路から離れた奥の方の席への行き来はかなり困難です。3年前にできた最新のスタジアムでさえ、相変わらずこの辺が旧態依然としているのは遺憾に思います。
【追記】後日再訪した時に撮影した写真を追加しておきます。


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 ノエスタはピッチ上空に開閉式の屋根を備えていますが、こちらは費用が捻出できなかったようで屋根は客席部分のみに設置されています。雨の日だと下層エリアには大阪駅よろしく雨がすんなり吹き込んできそうですが、この日はこの通りの晴天。雲があってカンカン照りではないので、暑さの方も幾分穏やかで助かります。


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 本日の対戦相手は、前節(第20節)の時点で2位のFC東京。首位サンフレッチェ広島を勝ち点5の差で追いかけているという状況です。まだ14試合残っていますが、逆転のためには一節一節着実に勝ち点を伸ばしてぴったりと背中に張りついておきたいところ。


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 そして我らがガンバ大阪ですが… なんと現時点で18チーム中17位。ここ8試合は白星がなく、ここまでのシーズン、さしもの強豪クラブにとってはあまりにも屈辱的な低空飛行を続けています。FC東京は優勝争い、そしてガンバはJ2降格圏内からの脱出。目指すものは違えど、極めてモチベーションの高いチーム同士の激突です。


 キックオフの時間も迫り、両チームのスターティングメンバーの発表。ガンバ大阪の顔である遠藤保仁選手は、今日も元気に先発出場(そして90分フル出場)です。本日の試合をさばく主審は西村雄一さん。2010年のW杯南アフリカ大会では決勝戦に第4の審判として抜擢されたという経験もある(※決勝のレフェリーは選手とともに表彰されるという栄誉にあずかります)、もう一人の元「日本代表」でもあります。


 選手入場です。メインスタンドなので正面ではありますが、ここからだとちと遠い。あと、ホーム側の手前コーナー付近はどうしても死角になってしまいますね。ちなみに試合前の『俺らにできること』の斉唱はここではありませんでした。なくなったのかな。


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 前半、こちら側にエンドを取るのはFC東京。今回はスタジアムレポートなので試合経過についてはサラッと述べるにとどめておきますが、前半戦はFC東京が優勢だったために折角の良席にも拘わらずあまりこちらには来てくれないのが哀しかったり。


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 両チーム監督の雄姿。奥のガンバ大阪監督・宮本恒靖さんは先月下旬に低迷の続くチームの救世主を期待されて新監督に就任したばかりで、今日が4試合目の指揮となります。選手時代と変わらず、シュッとしていて格好いいですね。手前のゴロっとしたおじさんはFC東京監督・長谷川健太さん。昨シーズンまでガンバで5年の長期政権を務めており、今日は敵地で古巣対決に挑みます。


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 いきなり34分に時間が跳んで…… やっと来た、こちら側からのコーナーキック! 選手がデカイ!!(小並感) もしガンバが点を取るならばセットプレーからだろうなという予感はしていましたが、結果的にこのコーナーキックがガンバの先制点を呼び、ただでさえ針の筵の今シーズン、押される展開でやや消沈気味だったガンバのサポーターを鼓舞する貴重な1点になりました。


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 前半の終了近く、FC東京の東慶悟選手が足を痛めて試合が一時ストップしたため、この時間を使って早目にトイレへ。今だと空いているからという理由もあるのですが、今日は夏休み特別企画ということなのか、ハーフタイムショーとしてこの人たち↓のパフォーマンスが行われるからです。


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※ららぽーとEXPOCITY内にて


 DA PUMP。私は久しぶりにこのグループの名前を耳にするのですが…。全盛期は私の学生時代ですし、メンバーもISSAしか知らないし、そもそも4人から7人に増えてるし。同行者の話によると3年半ぶりにリリースしたシングル(90年代初頭のユーロビートのカバー)がいま話題になっているらしく、「えぇ~? 知らないのぉ~???」と小馬鹿にされてしまいました。知るわけねぇだろが。


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▲ハーフタイム中のメインスタンドの様子


 パフォーマンスはそのシングル曲である「U.S.A.」。キレッキレのダンスではなくゆる~い感じにまとまっていましたが、これは手を抜いているわけではなく慣れない芝生の上だから、と好意的に見ておきませう。自席から眺めていると手前でガンバの選手が我関せずといった風でウォームアップを行っていたり、そのうち芝生に水を撒くスプリンクラーが作動し始めたりと、パフォーマンスそのものよりも周りのマイペースっぷりが印象に残ったハーフタイムショーでございました。……あ、FC東京のゴール裏サポのチャントもこの曲になってるw


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▲DA PUMPに一瞥もくれずに指示に明け暮れる宮本監督(手前左から2人目)

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▲突然噴出して慣れたガンバ選手すらビックリさせるスプリンクラー


 ハーフタイムの残り時間は、スタジアム内で買っておいたこちらの高槻バーガーをもぐもぐ。これ単体ではまぁ美味しいのですがウリである野菜のシャキシャキとした食感は完全に失われており、正直コレジャナイ感は否めず。3年前以来随分ご無沙汰ではありますが、やはり高槻市駅近くの店舗に行って食べたいものです。


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 後半はガンバエンドとして試合を見守ることに。ゴール横という位置に座っているが故に、来ないで!いや、やっぱり来て!と、胸中にアンビバレントな感情渦巻く45分間でもあります。スコアこそガンバの先制点以来動きはないものの、やはり前半よりもこちら側でプレイする時間が明らかに増えてきました。


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 そのまま80分頃まで両チーム無得点のまま時計の針は進み、ガンバも守備型のシステムに変更して逃げ切りに入った模様。しかしそうは問屋が卸さず、FC東京のエースストライカーであるディエゴオリヴェイラ選手に鮮やかな個人技からの同点ゴールを決められてしまいます。お互い勝ち点0や1では絶対に終われないという執念がぶつかり合うだけに、こういった展開はある意味必然だったのかもしれませんが。

 そして―― これもまた必然だったというか、最大のドラマは後半のアディショナルタイムに起こりました。ブラジル陣の仇討ちはブラジル陣でとばかりに、ガンバのFWアデミウソン選手の放ったボールが相手ゴールを突き刺し、終了間際で勝ち越しに成功。ほどなくタイムアップのホイッスルが鳴り、ガンバにとっては9試合ぶりの白星、そして宮本新監督の初勝利をもぎ取ることに。2点以上の差がなければ最後の一分一秒までどう転がるか分からないとはいえ、いざこういった“奇跡”を前にしてスタンドはしばらく騒然としていたのでした。いやぁー、凄い試合だった。ゲームを通じてガンバが押され気味の印象だったものの、意外にもボールポゼッションは完全に五分五分だったみたいですね。この翌日のJ1残り8試合の結果、勝ち点3を上げながら今節では16位以上への浮上はならずでしたが、最下位の名古屋が勝利したので引き分け以下ならば最下位に転落するところでした。危ない危ない。J1残留をかけての厳しい戦いはこの先も続きますが、ガンバサポーターにとってはワールドカップの中断期間を挟んだとはいえリーグ戦では実に3か月前のベガルタ仙台戦以来となる、久々の歓喜となりました。あと、モチベーションの高いチーム同士ということはちょっとしたきっかけで荒れた試合に陥りがちになるものですが、カードが一枚も出なかったのは西村さんの熟達したゲームコントロールの賜物なのかもしれません。これこそがVARの有無でもどうにもならないレフェリーの真価なのですから。


 興奮冷めやらぬまま、はじめてのPanasonic Stadium Suitaを後にすることに。駅からの距離やシートピッチの狭さなど不満もないわけではないですが、自宅から一番近いスタジアムなのでまたそのうち観戦に訪れてみたいなと考えています。
Panasonic Stadium Suita 公式サイト


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(2018.08.10)


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