名古屋市交鶴舞線/名鉄犬山線【伏見→上小田井→犬山】
名古屋滞在1日目は午後1時以降からの活動となるため、この持ち時間で無理なくこなせるスケジュール、そしてやっぱり鉄分補給も外せない……ということで、中学生時代に達成しておきながらその後の延伸・新規開業でいったん剥奪されてしまった、名古屋市営地下鉄(以降、名古屋市交と記述)の完乗タイトルを奪還することにしました。
まず最初にターゲットとしたのは、2003年に開業した上飯田線。といっても営業キロわずか800mというミニ路線なので、ついでに同路線と直通運転を実施しており且つ小牧~犬山間が未乗として残っている名鉄小牧線をセットで片づけてしまうことにします。
上飯田線~小牧線を単純に往復するのは面白みに欠けるので、往路は名古屋市交鶴舞線~名鉄犬山線で犬山へ向かうことに。栄から鶴舞線と接続する伏見駅まで東山線に1駅乗車しますが、このさい、栄駅の改札では先述の一日乗車券ではなくICOCAをタッチして入場します。言うまでもなく名鉄区間は名古屋市交の一日乗車券とは別払いになるわけなのですが、manacaおよび相互利用が可能なICカードで名古屋市交と名鉄を乗り継ぎ、且つ中間改札がないなどの理由で乗車経路が特定できない場合、実際の乗車経路にかかわらず最短経路で運賃を計算するというルールがあるのです。今回は栄-伏見-上小田井-犬山-上飯田-平安通というルートで乗車するのですが、紙のきっぷだと名鉄区間の運賃は860円・名古屋市交の区間も合算すれば1,330円にもなるところ、ICカードならば全区間込みでたったの240円。最初は半信半疑だったのですが、どの乗換案内サービスで検索してもこの結果が出力されるため、JRの大都市近郊区間の大回り乗車と同様に堂々と乗ってもいいようですね。
名古屋市交鶴舞線・名鉄犬山線普通 伏見(13:40) → 岩倉(14:02)
名鉄犬山線快速特急 岩倉(14:05) → 犬山(14:18)
伏見駅のホームに入線してきた車両は、名鉄車の100系(下の写真は岩倉駅で撮影したもの)。こちらの編成は1979年の名鉄豊田線開業(※開業当時は「豊田新線」の名称)と同年に運用を開始しており、今年でデビュー40周年という超ベテランです。この形式には確か乗車したことが無かったはずで、初っ端からなかなかツイていますね。
終点が近づいて空いてきた頃に車内を撮影。とりわけ目を惹くのは通勤型車両では異例である窓の横引きカーテンですね。ロングシートでありながらパノラマカーと同水準の居住性を目標としたという意欲作なのだそうで、車内見付けにしろロングシートにしては良好な座り心地のシートにしろ、その謳い文句に偽りがないことは十分に伝わってきました。JR発足前から関西圏では私鉄VS私鉄、こなた中京圏では私鉄(=名鉄)VS自家用車という熾烈な戦いが常に繰り広げられてきたという歴史があり、こちらもそんな土壌の真っ只中で生まれた隠れた名車、ということのようです。派生系列の200系も含めて未だ1編成も廃車が発生しておらず、初期の編成については主制御装置がIGBT-VVVF化されるなど、この完成度ではさもありなんとはいえ、余裕で半世紀を突破する勢いでまだまだ活躍を続けるようですね。
鶴舞線を6駅進み、名鉄犬山線と接続する上小田井(かみおたい)駅へ。ここで犬山線の急行に連絡するパターンもあるのですが、こちらの列車は終点である岩倉駅で快速特急に連絡するようです。
上小田井を出た途端に車窓右手には農地が広がり、disる意図はないものの三大都市圏の一角とはいえ東京・大阪との間には“超えられない壁”があるのだなぁ、と思ったりも。次の西春までは2.4kmあり、地下鉄線内では大人しく走っていたこの電車もそれなりのスピードで疾走します。その西春駅は、中部国際空港開港までは名古屋空港(現・県営名古屋空港)へのアクセスルートの経由地として重要な役割を担っていた駅。都心直通のリムジンバスは途中でしばしば渋滞に巻き込まれていたのに対し、西春―名古屋空港間の路線バスは定時運行の信頼性が高く、ニーズによって使い分けがなされていたようです。私は名古屋市東部住まいで藤が丘駅経由の方が早かったため、このルートについては利用する機会はなかったのですが。
さらに3駅進み、岩倉に到着します。電車はしばらく副本線にとどまるため、快速特急が入線してくるまで車両の写真を何枚か撮影。地上運用の車両よりも地下鉄乗り入れの車両の方が長尺でドアの数も多いというのは、(東京メトロ13000系投入前の)東急東横線・東武伊勢崎線の例とは真逆で興味深いです。下1枚目の写真は、今年の7月29日で名古屋市交鶴舞線と名鉄豊田線の直通運転開始から40周年を迎えたことを記念するヘッドマーク。というか、40周年だって言っているのに和暦しか書いてない(2世代前なので引き算で算出できない)ってどうなのよ、と思わないでもないですが、これもまたジャパン・クオリティということで。
#印鑑・戸籍・和暦にFAXを加えて、これを『不合理四天王』と呼ぶ……
新鵜沼行きの快速特急(一部特別車)が到着。写真には撮りませんでしたが、「パノラマスーパー」の1000系+1200系コンビでした。一昔前までは犬山線の特急といえば全車指定席の列車しか走っていなかったものですから、運賃だけで乗れるというのは何だかトクをしたような気分です。名古屋本線・常滑線・空港線のように120km/h運転とまではいかないものの、こちらも快速特急らしく線形の良い区間では気持ちのいい飛ばしっぷりを披露してくれます。ただ、スピードを出すと結構揺れるので、もう少し保線を頑張って頂きたいもの。名鉄のドル箱路線なんだし。
栄からは50分弱で犬山に到着。ここの城下町も以前の寂れっぷりがウソのように最近は国内外からの観光客で賑わっていると伝え聞きますが、今日のところは改札を出ずに先へと進むことにします。(続く)
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