Osaka Metroフェスティバル2019 Part3
時刻は午前11時45分。車両基地見学イベントで毎回僕らを悩ませるランチ問題ですが(外から持ち込めって? ごもっとも)、今回は下の写真のように何台かのキッチンカーが来ています。今のところは退場後に住之江公園駅近辺にて遅めのランチを摂る方向で考えているのですが、もし見学が長引きそうならばお世話になるかも。ガッツリ系だらけなのとコスパの面は目をつぶって……
そのすぐ横にて。何かの保守用車両のようです。
向こうからゆるキャラがやって来たので、すれ違いざまにスナップ(この瞬発力の高さはやはりデジイチ)。名前は「にゃんばろう」というのですが、2011年から大阪市交通局のマスコットキャラを務めていたものの、昨年3月、Osaka Metroへの移行を前に一度引退。そののち惜しむ声に応える形で今年6月にカムバックを果たしたとのことです。その際、大阪市の市章を模っていた鼻の部分が描き直されたのですが、以前の写真と見比べたところ縦棒を一本取り払っただけでした。色がいいよなぁ、ほぼフェルメールブルーじゃないですか。
さて、2019年度のOsaka Metroフェスティバルの目玉企画がこちら。
イベントプログラムからあらましを引用してみると、
- 2期線開通後に大量に製造され、「チンチン電車」の愛称で親しまれた2軸車。
- 1912年(明治45年)6月に製造された285号車で、1936年(昭和11年)6月に廃車されました。廃車までの間に数度改造された後、車庫に保存されていたものを、1955年(昭和30年)に製造当初の形に復元されました。
- 復元後、1993年(平成5年)に緑木車両工場に建設された「市電保存館」で保存されてきました。※2003年(平成15年)12月には、大阪市の指定文化財に登録されました。
- 路面電車(市電)が廃止されて、今年で50周年を迎えたことから、当社が保有する最も古い形式の保存車両「市電11型30号車」を走行できるように整備し、年に一度の当社最大イベントで来場者の皆さまにお披露目する予定をしております。
で、Part1で触れたスペシャルイベントというのが、この復活ホヤホヤの電車に乗って実際に走行を体験できるというものです。チャンスは6回あるのですが、いずれも5組限定という超低確率。封書に同封の抽選券に通し番号が振られていて当選発表の際にはこの番号が通知されるのですが、余裕で4桁に達する中での計30組なので言わずもがなですが「かすりもしませんでした」。愛知県の博物館明治村や京都市の梅小路公園で運転されているチンチン電車がこれとほぼ同仕様の車両のはずなので(→梅小路公園のものにリンク)、乗車体験そのものがレアというわけではないのがせめてもの慰めでしょうか。
乗車は叶わずとも、外観の写真だけならば撮り放題です。なにしろこの秋晴れですし、屋外での初お披露目には最高の舞台が整ったのではないでしょうか。
こちらは1933(昭和8)年に大阪初、日本では東京に続いて2番目の地下鉄として梅田ー心斎橋間が開業した際に投入された、100型車両(105号車)です。先行して開業した銀座線の車両よりも大型で、10両運転や1500Vへの昇圧(※当初から銀座線の600Vよりも高い750V)も想定した先進的なスペックでの登場となりました。車体全面に打ち込まれたリベット(下5枚目)は、不燃性を最重要視した全鋼製の証。今でいう転落防止柵についてもこの頃から既に装備されていたというのには驚きです。塗色は御堂筋線の赤…ではなく、クリームとスカイブルーのツートン。地下鉄各線にラインカラーが制定されるのは、この形式が引退したのちの1975(昭和50)年となります。
車内の見学もできます。製作当時の最新技術の塊ともいえる優れた性能は高度経済成長期の大量輸送にも十分に対応できたほどで、大阪万博前年の1969(昭和44)年まで現役で走っていたとのこと。今年で86歳という年齢ほどには古さを感じさせないのもむべなるかな、です。電照式の次駅案内板(下6枚目、現在取り付けられているのはダミー)まで導入されていたというのはこれまた先進的。
こちらは説明不要ですよね。ニュートラム(南港ポートタウン線)の初代車両である100系です。1981年の開業時に投入された編成については1997年までに全車が引退しており、緑木で保存されている101-06は最後まで残ったグループのうちの一両。こちらも車内が公開されていたのですが、小型の車両のために大混雑で順番待ちの列が一向に進まなかったため、見学はやめておきました。たぶん車内の写真は撮れなかったでしょうし。
車庫内はミニ資料館になっています。下2・3枚目は100型の後継車両である200型(こちらも万博前年まで活躍)の模型。塗色の下半分はオレンジに変更されています。
車庫内を引きで見るとこんな感じ。100型も普段はこの屋内に収納されているようです。
このOsaka Metroフェスティバル、みどころが多いので記事はまだまだ続きます。
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