Osaka Metroフェスティバル2019 Part5
最終回は、緑木車両工場内に1993(平成5)年に建設された「市電保存館」より。今からちょうど50年前の1969(昭和44)年に全廃された大阪市電の車両が展示されています。
内部全景。常連のファンの方によると今年は11型30号車が表へ出ていてスペースが空いたために、例年よりも車両の間隔がゆったり取られているそうです。節目の年ということで気合が入っているのか、ボランティアガイドの姿も多数。
というわけで、この日に館内にいた車両は5両でした。こちらは市電ラストランの日まで現役だった、3001型電車(3050号)の外観と車内。
もう少し古い、1601型(1644号)。
501型528号車は1911(明治44)年製造と、現存する中では大阪市電最古の車両となります。
明治末期にはオープントップタイプの二階建て電車が走っていたそうです。こちらは戦後に製作された復元車。
2階への階段はもの凄い急勾配です。こわごわ昇り降りしつつ上からの風景を楽しめた当時の人々が羨ましい。リア充滑落しろー!てなもんで。
現役当時を再現した模型と解説。トロリーポールの出し方が特徴的です。解説には諸事情により運行を取りやめた、と書かれていますが、その諸事情とは沿線の家屋から家の中を覗かれると苦情が出たためだとか。夜は2階からサーチライトで外を照らすなどと無茶をしていたようで、なんとも大らかな時代だったんですね。
その隣に展示してあった溝付きレール。
最後に、大正14年製の散水車。当時はまだ市電が走るような大通りでも未舗装道路が多かったため、電車通過時の砂塵の巻き上げを抑制するためにこのような車両で散水が行われていたそうです。
結局滞在時間は4時間となり、元来た道を北加賀屋駅まで歩いて戻るのもしんどいので、会場南端にある退場専用の門から退出。少し待って無料シャトルバスで住之江公園駅へ出ることにしました。シャトルバス専用デザインのLED表示にお目に掛かれて、ちょっぴり疲れも吹き飛んだかな。
今年のOsaka Metro、これまで見てきた鉄道会社を引き比べると車種のバリエーションこそ乏しめではあるものの、それはあくまで「現役の」車両に絞った話。1903(明治36)年の大阪市電開業を原点とする市営交通115年の歴史を反映した重層的な展示はなかなか見応えがありました。そして今回も最後に―― 素敵な企画を用意して下さったOsaka Metroの職員の皆様に、心から感謝です。次回は番外編。
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