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2019.12.13

19/10/31 (9)富岩運河環水公園 Part2【富山県美術館】

 富山県美術館(→公式サイト)は2017年8月に開館したばかりという新しいスポット。全くの新規開設というわけではなく、市中心部の南の外れにあった富山県立近代美術館(2016年12月閉館)の移設という形になっています。



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 館内へ。コレクション展(常設展)のみの観覧ならば料金は300円、大学生以下と70歳以上は無料となります。外観は富山県が全国の生産量のうち3割を占めるというアルミが多用されていてソリッドな印象ですが、内部へ進むと一転して杉をはじめとした木材が壁と天井を覆う、ぬくもり溢れる空間となっていました。隈研吾さんっぽい建物ですが、違うみたいですね。同じ富山市内では富山市ガラス美術館の入居している複合ビル、『TOYAMAキラリ』が実際に氏の設計なのですが、今回の旅では残念ながら見逃してしまいました。


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 コレクション展に関してはフラッシュや三脚を使わなければ写真撮影もOKなので、著名作家の作品を中心に少しだけ貼っていきます。廊下から何部屋かの展示室が枝分かれしているという構造になっているのですが、入口には部屋番号が書かれているだけなので間違えて企画展示室に迷い込んでしまったりと、デザイン先行の案内不備……こほん、一見さんにはなかなか厳しいレイアウト。


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▲版画集「彼女たち」/アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

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▲明日の神話/岡本太郎

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▲闘牛場の入口/パブロ・ピカソ

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▲肘かけ椅子の女/パブロ・ピカソ

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▲二人の裸婦/藤田嗣治

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▲夜の汽車/ポール・デルヴォー

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▲秋/ジョルジュ・ルオー

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▲十字架上のキリスト/ジョルジュ・ルオー

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▲戸口によりかかる娘/ジョージ・シーガル


 立体作品を眺めつつ、上階へ。時刻は16時40分、もう間もなく日没です。(美術館部分の開館は18時まで)


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 当館の前身となる富山県立近代美術館はポスターとデザインチェアのコレクションが充実していたそうで、3階の一室にこれらが展示されています。一部のチェアは実際に腰掛けることも可能。美術館自体のインテリアも相まって、何だか北欧あたりに来ているかのようです。


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 富山県出身の美術評論家・詩人である瀧口修造(1903-1979)の遺品を展示するコーナー。日本におけるシュルレアリスムの第一人者・前衛表現の擁護者として知られ、富山県立近代美術館の設立に大きく関わっている人物とのことです。


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 パウル・クレーの「遥か北の町」。


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 館内を通り抜けて西側へ出てみると、


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 こちらからは神通川が眺められます。運河と川に挟まれて海からも近いという立地のため、洪水や津波による浸水被害を想定して所蔵作品の収蔵庫は2階・3階に設けられているとのこと。折しも多摩川沿いにある川崎市市民ミュージアムの所蔵品が台風19号の影響で水没したばかりで、危機管理の面において両者は対照的です。


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 一通り見終わったので、最後にRF、「オノマトペの屋上」を覗いてから美術館を離れることに。


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 名称の通り、オノマトペ(擬音語・擬態語)をモチーフにした遊具が数多く取り揃えられています。富山県立近代美術館が富山県美術館に引き継がれたのと同様に、ここも美術館建設前に元々この場所にあった「見晴らしの丘」というプレイグラウンドを引き継ぐ形になっています。こちらは美術館部分閉館後も22時まで利用が可能(冬季は閉鎖)。展望台にもなっており、環水公園の全景や神通川を渡っていく新幹線などが眺められます。


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 宵闇に包まれていく美術館を背に、富山駅へと帰…るつもりだったのですが。


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 県美のウェブサイトに路線バスの時刻表が載っていたので発車時刻に合わせてバス停へ向かったものの、この時刻表が最近更新されておらず古かったために、実際は4分早かったバスに目の前で出て行かれてしまうという憂き目に。なんてこった… ここまでは完璧だったのに…! 次のバスは20分後。一度は駅へ向けて歩きかけたのですが、徒歩で15分掛かるのならば次のバスを待っても大して変わらないと考え直し、モヤモヤとはしつつも半日の間に溜まったタスクをスマホで片付けながら待つことにしました。自分のせいではないとはいえ凹むなぁ…。


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▲バス停もおしゃれ


 少しだけロスはありましたが、17時40分頃に富山駅へ帰還。これから今夜の宿泊地である金沢へ移動するのですが、その前に早めの夕食を海の幸が美味しい富山で済ませてしまうことにします。


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 駅構内のショッピングモール「とやマルシェ」にある『白えび亭』で、白えび天丼(税込1,290円)を。高架化前の駅ビル時代から30年近く営業を続けているという結構な老舗だそうです。味付けはあえて薄めにしてあり、衣の厚みもかき揚げと素揚げの中間くらい。白えび本来の甘みとサクサクとした食感が味わえるようになっています。お昼の海鮮丼があまりに充実し過ぎていたのですが、こちらも富山ならではの未知の味覚体験で悪くないチョイスでした。


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 席数が少なめなのでシーズンや時間帯によっては行列ができるくらいの人気店ですが、私が入った時間は8~9割の席が埋まる程度。他のお客さんはこれから新幹線で首都圏へ帰ります、といった風情の人がメインです。新幹線開業直前のダイヤでは富山18時59分発の<はくたか25号>が最終でしたが、2019年11月現在は21時20分発の<かがやき518号>と、当時よりも2時間21分も遅く出られることに。新大阪発の東京行き最終のぞみと発車時刻が殆ど変わらないとは、凄い時代になったものです。


 富山はまだまだ追求し甲斐のある街だと分かったので、後ろ髪引かれまくりではありますが。とやマルシェでちょっとお土産を見繕ろい、コインロッカーから荷物を取り出したら、金沢へGO。


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