19/11/01 (3)金沢漫歩 Part2【金沢21世紀美術館】
金沢21世紀美術館(公式サイトはこちらのリンク。以下、「21美」と略します)は円形の建物で出入口も東西南北4か所にありますが、まずはメインエントランスとなる東口から入ります。敷地は大まかに有料の「展覧会ゾーン」と無料の「交流ゾーン」に分かれており、交流ゾーンにも恒久展示作品の一部が展示されています。下の写真は「カラー・アクティヴィティ・ハウス」(オラファー・エリアソン)という作品で、三原色の色ガラスを通して周囲の風景の色が見る位置・方向を変えるたびに変化するという趣向。来館者を出迎えるにあたってなかなかインパクトのある展示です。
館内へ入ると、朝の散歩でまったりとなった気分がすっかり吹き飛んでしまうほどの人の多さ。閑散期の平日なのでこれでもまだ穏やかな方のようですが、昨日の富山県美術館との落差が大きすぎです。展覧会ゾーン部分への入場の仕組みについては少々複雑で、14部屋の展示室が並ぶエリアに恒久展示作品が散らばるというレイアウトになっているため、展覧会の内容(複数が同時に開催される場合もあり)によって入れるエリアが毎回異なるというややこしさ。なかでも来館者の99.9%がこれを目的にしているであろう「スイミング・プール」の地下部分入口がある展示室6へ入場できるチケットに関しては、料金表にも★印を付けての特記があります。これもまた展示替えの時期は地下部分が閉鎖されることがあったりと、来館の際には日にち単位でのチェックを行わないと泣きを見ることになるかも…? そんな理由から券種については見たい展示に応じて発券時に相談して決めるということになりがちなため、チケットカウンターは常時混雑しているようです。(下の写真はその列)
スタッフに「恒久展示作品を全部見たい」と伝えたところ、展示室1〜6のチケット(※上記の★印付きに該当)で一通り観覧ができるとのことです。料金は一般で450円でしたが、北鉄バス一日乗車券の呈示で団体料金となり、実際に支払ったのは360円。展覧会の構成によっては1,000円を超えることもあるので、今回の目的においては好都合でした。
チケットを入手したら入場――なのですが、B4サイズを超える手荷物は館内のコインロッカー(要100円硬貨、取り出し時に返却)に預け入れるというルールがあるらしく、一旦そちらの方へ。裸の展示物が多いのでそれらへの接触対策、というよりも盗難防止策なのでしょう。B4サイズなんてあっさりと引っかかってしまうので、私の他にも次々とロッカーへ誘導されていました。
こちら↓が展覧会のタイトル。今年で開館15周年だそうです。私の金沢訪問は今回が三度目なのですが、前回訪問時はまだオープンしていませんでした。そろそろ改修工事が必要な時期ということで、会期終了後の2019年12月20日(金)から2020年2月3日(月)まで全館休館となっています。
何はなくともまずはこちら、というわけで、21美のシンボル的存在である「スイミング・プール」(レアンドロ・エルリッヒ)を地上部分から。ここも雨天時には閉鎖されるそうで、この展示目当ての観覧者が多い(ほぼ全員?)わりには意外とハードルが高いです。雨がよく降る金沢ですが、本日は晴れ。正午前後に雨になるという予報もありますが、一時的なもののようです。
基本的に撮影自由ではありましたが現美ということもあり、ここに限らずですがインスピレーションの触媒にはなってもわざわざ写真に撮るほどでは……といった所です。8月のあいトリのような「政治色」の強い展示(右や左の話ではなく攻めてて尖っているという意味において)は大好物なのですが。
おのずから被写体はこちらのスイミングプールに集中。上の写真の種明かしということになりますが、実際には水面にあたる高さにガラスがあり、その上に水が張られているだけです(深さは約10cm)。ちゃんと底にダミーの排水口があるのも芸が細かいもので。なお、水面近くの方の穴はエアコンの吹き出し口のようです。
しゃがみこんで上を見れば、本当にプールの底から空を眺めているみたいです。
40分で周り終えたので、交流ゾーンを少しウロウロしてみます。富山県美術館は中心部からは少々離れた開けた景色の中にありましたが、21美のロケーションは金沢市役所に隣接するという市街地のど真ん中。繁華街の香林坊・片町エリアからも歩いてすぐであり、展覧会目的でなくとも気軽にふらりと立ち寄れる、街なかのオアシスとしての機能を兼備することを企図しているのでしょう。
高校生限定の無料観劇+舞台裏見学ツアー(昼食代のみ参加者負担)の宣伝ポスター。ハコモノ行政に対しては全国どこであろうと厳しい視線が注がれ続けているため、金沢で指折りの観光集客施設である以前にまず市民ファーストのミュージアムである、という姿勢を崩さない運営のあり方がこちらにも垣間見られました。
金沢を代表する美術館としては21美のほかに石川県立美術館が挙げられますが、2つめの目的地はここではなく。そちらは次回にて。
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