19/11/01 (4)金沢漫歩 Part3【本日のランチ&鈴木大拙館】
時刻は午前11時20分。朝食が軽めだったということもあり、そろそろ少し早めの昼食にいたしましょう。21美のカフェでもおしゃれランチがいただけるのですが、歩いてすぐの場所にネット検索で見つけた評判の良いお店があるのでそちらへ。
官庁街を貫く大通りから横道へ入り、さらに路地を折れた先のアパートの1Fにこちらの『はざま』があります。ツーリストエリアに所在しながらも観光客が偶然発見できるような場所ではないですね。開店時刻の11時半までまだ10分弱あったので、少々表で待つことに。なお、翌日は臨時休業だったようで危ないところでした。
地元の常連っぽいお客さん達と一緒に店内へ。席数は少なめなので、開店してすぐに席はあらかた埋まってしまいました。本格的な創作加賀料理を提供しているお店だそうですが、ランチメニューならば千円台とリーズナブルです。私が選んだのは1,280円(だったはず)のステーキ丼。昨日の昼・夜に続いて3食連続の丼物となりますが、腹持ちがいいので普段よりもエネルギーを使う旅行中にはもってこいですからね。ミディアムレアのお肉に甘めのタレがかかっていて、素材そのものの旨みを活かす上品な味付け。小鉢とカニの味噌汁も付いており、このお値段にしてはボリュームもある方ではないでしょうか。丼ではないステーキランチも用意されていましたので、お好みでどうぞ。
食後にコーヒーまたはシャーベットのサービスがあるのでシャーベット(フレーバーはぶどう)を選んだところ、超絶美味だったのにはビックリ。こういうのを「搦手門より攻められた」と呼ぶのでしょうか(城下町だけに!…やかましいわ)。市販品なのかそれとも自家製なのか、勇気を出して訊いておけばよかったとちょっぴり後悔しています。12時過ぎに店を出ましたが、その頃には入り口付近は順番待ちの人で混み合っていました。
2つめのメインイベントである『鈴木大拙館』も、はざまから歩いてすぐの場所です。21美の時点であの天気だったので半信半疑でしたがやはり予報通りで、店を出る直前にスマホへ雨雲接近の通知が。移動中にもポツリポツリと来ていました。
施設の外観はこちら↓です。鈴木大拙(すずき だいせつ/1870-1966)とは世界的な仏教哲学者で、日本の禅文化を世界に広めた人物として知られているとのこと。生地である金沢市本多町にこの記念館が建てられました。概要については人民網日本語版のこちらの記事を参照していただくのが解りやすいかと思われます。というか、私もこの記事を読んで行ってみたくなったクチでして。入館料は一般310円ですが、こちらも北鉄バス一日乗車券の呈示で団体料金の260円に割り引かれます。
一般的な美術館・記念館とは異なり展示物を色々と見て回るというスタイルの施設ではないので、適当に順路を辿って最後の思索空間で唯々ボーっとする、という過ごしかたが良さげ。21美とは比べ物にならないほどに来館者は少なく、日本人よりも外国人の割合が圧倒的に高い(私の訪問時は7~8割くらい?)のが印象的でした。マインドフルネスの源流であるZENの思想に触れるためか、はたまた単純にSNS映えする風景を求めてなのか。
リンクを張った記事内でも言及されていますが、館内の各所で配布されている大拙の名言が書かれた紙を入館時に渡されるポケットつきのパンフレットに挟んでいきます。全部でも心の琴線に触れたものだけでも、それは来館者各々の自由。下の写真がそれで(クリック/タップすると拡大します)、日本語のほかに英語版もありました。さすがに巷間に氾濫する凡百の“名言”とは含蓄の深さの次元が違うようで。仏教の成分はことばの本質を損なわない程度に漂白されているので、宗教アレルギーの私でも心にスッと浸透していく感じでした。
順路の最後にある、「思索空間」の内部。ちょうど雨雲レーダーで小さいながらも赤(=激しい雨)が迫っている時間だったため、雨宿りついでにしばらくここへ留まることにしました。
思索空間を囲む「水鏡の庭」。禅の世界観を表現するためにとことんシンプルなデザインとなっており、私も昔愛用していたiPod classicを彷彿とさせます。当館の開館は2011年10月18日と、ZENに生涯傾倒していたジョブズが逝去して僅か2週間後だというのは皮肉なもの。もし存命ならば必ずや足を運んでいたはずなので。
実の所この水鏡の庭だけならば、入館せずとも下1枚目の写真のように館外の小径からも眺めることができます。今回は思索空間にて水鏡を打つ雨音をBGMに瞑想の真似事もできたので、これはこれでまぁ悪くない経験だったかなと。小径の先には「松風閣庭園」という、江戸初期に造営された兼六園よりも古い庭園(下2枚目)もあります。
半時間ほどで雨雲も去って行ったので、これを潮に鈴木大拙館を離れることに。あとは完全にフリータイムですが、次はどこへ行こう。
*今年の更新は当記事にて終了となります。次回の更新は1月4日以降を予定しております。皆様よいお年をお迎え下さい。
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