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2020.01.19

19/11/02 (6)福井鉄道~えちぜん鉄道 直通急行【越前武生→田原町→鷲塚針原】

福井鉄道福武線・えちぜん鉄道三国芦原線急行 越前武生(13:12) → 鷲塚針原(14:09)


 改札が始まり、3番線に停車中の電車へ。ブルーのカラーリングをまとったFUKURAMの第2編成、F1002です。先刻福井駅で遭遇したFUKURAMは、さくらカラーの第4編成・F1004。福井鉄道保有の4編成のほかに、えちぜん鉄道が保有する「L形」(愛称は「ki-bo(キーボ)」)2編成も相直運用に充当されており、前者が3連節・後者が2連節である以外は共通の仕様となっています。



 F1000形の全長は27m強。座席定員こそ往路に乗車した770形とほぼ同じながらも、そこはやはり長尺の威力、立席も含めた編成定員は約1.7倍と大きく水をあけます。


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 このF1000形&L形は日本国内では現在唯一となる、通過運転を実施する超低床式LRV(*注)。広島電鉄宮島線でも急行運転の計画が一時浮上しましたがあれから音沙汰なしなので、ここだけでしか見ることの出来ないレアな光景です。この列車の行先は鷲塚針原(わしづかはりばら)。田原町(たわらまち)に続いてまたしても余所者には馴染みのない地名が出てきましたが、乗り入れ先であるえちぜん鉄道三国芦原線の線内において、福井市内最北に位置する駅です。

*注:国外の例ではRhônexpressMetro do Porto Linha Bxなど。また、2022年開業予定の宇都宮ライトレールでも快速運転が計画されています。


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 車内の様子。2日前に乗車した富山のポートラム・セントラムと同じ“ブレーメン形”なので車内の見付けも瓜二つではありますが、こちらの方は車両幅が25cm広いために、クロスシート部の3/4ケツ状態は解消されています。最長で1時間前後の乗車時間となるので、座席はそれを意識してか肉厚でふんわりとした座り心地。今回は始発から終着まで乗り通しましたが、不満を覚えることは全くありませんでした――ただ一点を除いては(後述)。


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 13時12分、定刻通り発車。次の北府(きたご)では福鉄が擁するもう一人のスター、F10形電車「RETRAM(レトラム)」とすれ違いました。平成の頭にドイツのシュトゥットガルトから高知の土佐電気鉄道(※2014年以降はとさでん交通)へやって来て、再度の移籍先であるここ福井で第三の人生を歩み始めたのは2014年のこと。イベント・貸切専用車ではなく春季・秋季の土日祝日には定期運行が実施されており、乗車券のみで乗車することができます。今回の旅ではノーマークだったのですが、11年前に同型の車両に乗車しようとシュトゥットガルトへ赴いたところ、運用路線の改軌完了に伴って数か月前に引退したばかりだったという出来事があり(→当時の記事。なお動態保存車両としては現存)、私にとっては浅いながらも因縁のある車両だったりします。


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 北府の次のスポーツ公園がさっそく通過駅となりますが…… 最高時速65kmという“高速”運転を行う路線でありながら軌道状態が芳しくないために、走行中はまあ揺れる揺れる。福鉄に限らずとも地方私鉄ならば大概そうですし、私は乗車経験はないものの770形が急行として疾駆していた名鉄揖斐線も同じようなレベルだったと聞くので、往路編ではわざわざ言及はしなかったのですが。一般的な台車を履いた車両とはまた違い、「ポヨーン、ポヨーン」とトランポリンで弾むような独特の感覚と申せばよいのでしょうか。富山港線(富山ライトレール)は元JR線とあって一定水準はクリアしていましたが、その閾値を下回ったならばまた新たな世界への禁断の扉が開かれる、ということのようです。

 市街地が続く越前・鯖江市内区間は、急行といえどもほぼ1駅おきの停車。時刻表に合わせて駅へやって来るということになると急行停車駅ではやはり急行の指名買いとなるようで、停車駅ごとに空席もどんどん埋まっていきます。私が陣取るボックスの向かい側にも、親子2人が着席。こうなると現代の車両としては著しく狭いシートピッチが気になってきます。大宮の鉄道博物館で見学した昭和初期生まれの客車・気動車がこんな感じだったはずですが(汗)、都市内の短距離乗車ならばまだしも、こちらは長っ尻の乗客も多いインターアーバンですので。さらに、隣のボックスにはベビーカーを押した4人家族が。この狭い座席の間に折り畳んだベビーカーを無理矢理捻じ込んで窮屈そうに座っています。それ、車椅子スペースに置いておけばいいんですけどね……って、車椅子スペース、どこにあったっけ? 私も上に貼った写真を見返して初めて気付いたのですが、折り畳み式の優先座席がそれを兼ねていたのでした。誰かが先に座っていて使おうにも使えなかったのでしょうかね。なんだかなー。これら2つの件、この荒寥としたクルマ社会で敢えて鉄道を選択してくれた乗客に対する待遇としてはあんまりかと。

 神明を出ると、浅水(あそうず)をはさんで3駅ずつの通過。モータースポーツで言うところのホームストレート、急がない急行に存在意義など無い!とばかりに、危なっかしくもピョンコピョンコ跳ねながら田園地帯を快走します。棒線駅は当然のこと、一線スルー構造になっている交換可能駅でもフルスピードを維持したまま通過していき、景気のいい飛ばしっぷりに地方私鉄であることを一瞬忘れそうに。江端のすぐ北に緩いカーブがある以外は8キロ近い直線が続く区間で、2010年にベル前が急行の標準停車駅に追加されるまでは、浅水ー福井新(現・赤十字前)間で4駅通過する列車もあったようです。(当時は清明駅は未開業)

 スリルを味わうついでに移動も出来てお得な福井の新アトラクションを堪能しつつ、赤十字前に到着。これで福鉄線内の通過運転区間は終わりですが、まだえち鉄線内に通過駅が残っているので急行運転は続きます。福鉄~えち鉄間の直通系統には「フェニックス田原町ライン」というトーキョーナイズされた?愛称が付けられており、赤十字前以北では併用軌道で走行・以南では至近距離を並走する旧国道8号線の福井市内区間、通称「フェニックス通り」がその由来。思わずFukuiのFはフェニックスの…とミスリードされそうになりますが(笑)。


 福井城址大名町では、スイッチバックは行わずに本線をそのまま直進。車窓は中高層のビルが林立する県都らしい風景になっていきますが、その一方で相変わらず電車の本数は少なかったりも。直通列車ですが直通先へ乗り入れる手前で大方の乗客が降りていったのは、不本意ながらも予想通りですね。平日の朝夕ならばまた状況も違うのでしょう、きっと。


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 ビルが減ってまた空が広くなっていくと、福武線の終点かつ三国芦原線との接続駅・田原町に到着です。配線は2面3線で、直通列車は中間の2番線に発着。この線路だけが両線と接続されています。後続の三国芦原線の電車へはここ以降どの駅でも乗り換えられるので、主要駅ということもあり緊急時のトイレスポットとして考えていたのですが、幸いこちらは問題なさそう。相直運転を体験すべく、終点の鷲塚針原までこの電車にお付き合いすることにします。


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 三国芦原線内は相直の開始後に高床車両と低床車両が混在することになったため、直通列車の停車駅には高さの違う2種類のホームが設置されています。田原町の次駅の福大前西福井(下の写真)は、ホームを延長して高床ホームと低床ホームを縦列で配置したパターン。国外に於けるメトロとトラムが線路を共用する区間の駅だとか、広電宮島線の一部の駅に残っているような高床ホームの“遺跡”といった例は挙げられるものの、「国内で」「現役の」となると目にするのは今回が初めてとなります。


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 もう一つは、高床の島式1面2線に低床の片面ホームを2本横付けしたパターン。この場合は停車中に車両の片側が高床ホームへ接することになり、側窓の下辺とホームの高さが揃う様子はダブルデッカー車の1階席のようです。


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 新田塚を発車後に渡る九頭竜川(下1枚目)が、市街地と田園地帯の境界線。川をまたいで福井市域が広がっているのは意外でした。次の中角(なかつの)は下2枚目の写真のような田園エリアに所在するため、直通急行が三国芦原線内で唯一通過する駅。その次の終点鷲塚針原まで3.2kmノンストップとなり、これは3駅通過する浅水ーベル前間と同等の距離(営業キロベースで100m長い)です。こちらもトップスピードを出せるほぼ一直線の区間とあって、さながらバックストレートといったところでしょうか。


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 14時09分、鷲塚針原着。越前武生からの所要時間は57分と、福井市北端にまで足を延ばしておきながら各駅停車の福井駅ー越前武生間よりも短いのは流石に急行です。


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 鷲塚針原では、福鉄線直通列車は既存の1面2線ホームの隣に新設された行き止まり式の専用ホームに発着します。相直開始後しばらくは福鉄770形もここに停まっている光景が見られましたが、現在発着するのはF1000形とL形の2形式。もちろん異常事態で運用の変更が行われた場合は別ですが。


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 鷲塚針原駅駅舎。京福電気鉄道~えちぜん鉄道の前身である三国芦原電気鉄道の路線として開通した1928(昭和3)年に建てられたもので、勝山永平寺線の勝山駅と同様に国の登録有形文化財に指定されています。


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 駅前の風景です。自転車置き場と一日4便のみの乗り合いタクシー(訪問時点)の停留所はありますが、行政区画上の境界に位置するというだけで拠点性はまるで無い駅。直通急行から三国港方面行き電車への接続は21分と良くないために(※逆方向の場合は10分)、駅周辺を歩き回る時間はそれなりにあったのですが、このロケーションなのですぐに手持ち無沙汰となってしまいました。ということで、次の電車まで駅舎のベンチで待機することに。


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 次回へ続きます。


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